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【2024年アメリカ大統領選挙2】バイデン氏が民主党の最有力候補である3つの理由(2024年5月情報)

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現役大統領として最高齢記録を更新し続けているバイデン大統領は現在81歳。世論調査によると、有権者の5人に2人はバイデン氏を2024年大統領候補者にすべきではないと答えています。それでもバイデン大統領が民主党の党代表最有力候補であるその理由は何なのか、考えていきたいと思います。

目次

理由その1:予備選での実質的な挑戦者の不在

「スーパーチューズデー」で14の州を制し、夏の党大会での候補者指名を獲得したバイデン大統領が大統領就任2期目を迎えれば、82歳になります。その年齢からか、有権者の半数近い46%が「2期目の大統領職務を最後まで果たせるかどうか、大いに懸念している」と回答しています。

民主党候補指名争いの段階では、ケネディ大統領の甥にあたるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(69歳)と、作家のマリアン・ウィリアムソン氏(70歳)の二人も立候補を表明していました。バイデン氏の年齢を懸念する有権者にとって「年齢的」には大統領候補に最適なふたりでしたが、信頼にたる証拠のない数々の陰謀論を唱え、変人として親族からも危険視されているケネディJr.氏(https://forbesjapan.com/articles/detail/63919)と、自己啓発本の作家でスピリチュアル系の教えを説くマリアン・ウィリアムソン氏(マリアン・ウィリアムソン Wikipedia参照)では、大統領選に挑むには力不足、消去法でもバイデン氏を選ぶ以外の選択肢はない状況だったとも言えます。

理由その2:10人中8人はその仕事ぶりを評価するバイデン氏の内政上の実績

しかしバイデン氏が党代表の指名を獲得できたのは、実質的な挑戦者不在で単純に幸運だったからではありません。そうなるだけの実績も兼ね備えている人物だからでもあります。バイデン氏の政治的キャリアはとても長く、1973年の上院議員選出に始まり2024年現在まで半世紀近く、アメリカの政治に携わってきました。大統領就任後も国民の代表として精力的に仕事をこなしてきました。

コロナウイルス救済対策

2020年の大統領就任後、バイデン氏がすぐ着手したのが新型コロナウイルス救済対策です。2020年3月から2021年3月までの間に計3回、総額8500億ドル以上の現金給付金が国民に支払われ、ロックダウンで職を失った人にはフルタイム、パートタイム問わず最長で2年間、失業保険が支払われました。

パンデミックに翻弄されていたあの頃、即座に銀行口座に振り込まれた現金給付金や失業手当はとても有り難かったです。ワクチン接種に関しても、1回目と2回目は人種や国籍を問わず、国内に滞在する希望者すべてに無料で行われました。そのため海外渡航にワクチン証明書の提示が必要だったパンデミック当初には、わざわざ海外からアメリカまでワクチンを打ちに来る人もたくさんいました。

インフラ投資法

コロナ禍が一段落してきた2021年には、インフレによって疲弊するアメリカ経済を立て直すため、大型の景気刺激政策を数々成立させました。まずは老朽化した道路や橋などを整備するため、インフラ投資法案に110兆円を投入し、土木業や建築業の雇用を促進すると共に、環境対策・子育て支援などの社会福祉の整備や、医療保険制度改革法の強化と拡充に向けた複数の措置も行いました。

医療保険制度改革法

医療保険制度改革法の1番の目玉はなんといっても、メディケア(65歳以上の高齢者および障害者向け公的医療保険)に市場での影響力を与える施策が行なった事でした。これにより高齢者向けの医薬品に対して値下げ交渉が可能になり、特に高額だったインシュリンやパーキンソン病の薬などの上限価格設定を可能にしました。その他にもアメリカでは歴史的に阻止されがちな銃規制法案、同性間や異人種間の結婚を連邦法のもとで保護する婚姻尊重法、学生ローンの返済免除など、数々の法案に署名し成立させてきました。

インフレ対策

保守派の人たちの中には、バイデン大統領によるこれらの経済対策が原因で、国内の物価が急激に上昇し失業者が増え、その結果ホームレスが爆発的に増えたおかげで、アメリカの治安が悪化したと非難する人もいます。確かにパンデミック以前に比べると、食費、住居費、交通費、ほとんど全ての生活必需品の値段が急激に上がり、一般消費者の生活が良くなったようには感じられません。しかしインフレや物価の高騰は、アメリカ国内のみではなく、世界中どこの国でも起こっていますし、なかには物価が上がっても給料がほとんど上がらない国もあります。それと比べると物価は確実に上がっていますが実質賃金も4年前に比べ格段に上がっていますし、失業率も低く新規雇用も拡大しているアメリカには、多くの人が考えているより、大きなセーフティネットがあるのは確かです。

理由その3:トランプ前大統領の再出馬

そして3つ目の理由は、やはりトランプ前大統領の存在が挙げられると思います。法律上のトラブルが山積しながらも、共和党の指名獲得レースで勝ち残ったトランプ氏に対し「誰を候補に立てれば、党として大統領選挙に勝てるか」を考えたとき、大きなスキャンダルもなく、長年政治家として優れた手腕を発揮しているバイデン氏を選ぶのが最善の策と考えるのが当然です。

元ポルノ女優への口止め料をめぐる事件で、米大統領経験者として初の刑事訴追を受けたトランプ氏はこの事件だけでなく他に3つ、合計4件の刑事裁判を抱えています。刑事裁判以外にも民事裁判でニューヨーク州の裁判所に4億5000万ドル、日本円にして670億円以上の支払いも命じられています。


そんなトランプ氏とは対照的とも言えるバイデン大統領が抱えているのは、彼が高齢であるという有権者の懸念だけです。もしバイデン大統領の年齢だけが問題であるのなら、77歳のトランプ氏の年齢も問題にすべきではないのでしょうか。この点から考えても、高齢ながら実績の保証されたバイデン大統領が党代表に選ばれたのは必然であると思います。

まとめ

バイデン氏は81歳で高齢なのは事実です。しかし彼の問題はいわば年齢だけ、氏がよく引用するフレーズ「私を全能の神と比較しないように。私と並ぶ別の選択肢と比較するように」この言葉が、バイデン氏が大統領候補になる理由すべてを物語っていると思います。

参考資料サイト

》マリアン・ウィリアムソンhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%B3

》ForbesケネディJr.が唱える陰謀論の数々
https://forbesjapan.com/articles/detail/63919

本記事は、2024年5月17日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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