コロナウイルスで学校閉鎖!アメリカの学生はどうやって授業を受けている?

新型コロナウイルスの影響で、アメリカでも多くの教育機関が休校になっています。そこで今注目されているのが、オンライン授業です。

本記事では、アメリカの学生がどのように授業を受けているのかについて、詳しく解説します。

はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大によって日本ではほとんどの教育機関が休校になりました。実はアメリカでも同様に一斉休校の命令が出ています。期間や制限内容は州や学校ごとに異なりますが、概ね登校禁止、授業はオンライン化、春学期終了の5月末までといったことが共通しているようです。

日本からアメリカに留学している人を含むアメリカの学生たちは、いったいどのような感じで過ごしているのでしょうか?

今回はアリゾナ州で学生として生活している筆者の実体験を基にアメリカの現状をお伝えします。

公務員を目指す前にアメリカ留学を検討している人や、アメリカ留学に興味がある人など、アメリカの教育システムを知るのに役立つと思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

アメリカのアリゾナ州における学校閉鎖の状況

アメリカのアリゾナ州では2020年3月11日に州の非常事態宣言が発令されました。

これに伴い、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などは公立、私立問わず全ての教育機関が一斉に閉鎖されました。学校によっては春休み期間中だったところもあるため、閉鎖する日程にズレはありましたが、基本的には3月11日を基準にして学校は全面閉鎖されました。

筆者が通っているコミュニティカレッジでは、学校は物理的に閉鎖するものの、すべてのサービスを数日以内にオンライン化することになりました。例えば、当面にわたって授業はオンライン化、学生サポートサービスはオンライン相談に変更、家庭教師サービスもオンライン化、図書館はオンラインアクセスのみといったように、学校に足を踏み入れることが出来ません。

同じアリゾナ州にある別の学校では、3月11日時点で春学期が終了する5月中旬までの全授業をオンラインに変更し、学期途中でも地元へ帰省することが許可されました。日本人留学生は自分の意思で帰国し、授業はどこから受けても構わないという通達が出たそうです。通常なら、学生ビザを維持するため出席が必須ですが、今回ばかりは特例措置と言えます。

小中学校なども同様で、3月11日から学校が閉鎖されたためスクールバス送迎や給食もすべてストップしました。日本と同様で、両親が働いている家庭の場合は子どもの面倒を見る人がいないため、地域のボランティアが昼食付きで子どもを預かるサービスが提供されました。しかし、3月31日には必要不可欠なサービス以外は閉鎖または自宅勤務命令が出たため、多くの親は子どもを預けることなく自宅で過ごすようになり、ボランティア施設も閉鎖されました。

ご紹介した様子はあくまでもアリゾナ州の一部の状況ですが、他州でも教育機関の閉鎖は行われていますので、学生や保護者は様々な混乱に巻き込まれていることは確かです。

オンラインクラスってどんな感じ?

アメリカでは学校閉鎖に伴って多くの学校で授業が「オンラインクラス」になりました。オンラインクラスと言っても具体的にはどのような授業になるのでしょうか?大学での授業を参考にご紹介します。

オンラインミーティングツールを使ったレクチャー

最も多いオンラインクラスの形式が「オンラインミーティングツールを使ったレクチャー」です。アメリカではZoom、Google Hangouts、bongo、など様々なツールが使われていますが、統一されたツールはなく、先生や授業によって使うツールが異なるため学生はその都度セットアップが必要です。

この形式であれば先生のレクチャーを直接聞けて、なおかつ自分も質問が出来るため、対面方式の授業とほとんど変わりありません。時間をかけて登校する必要もなく、多くの学生からは評判です。先生も出席確認が出来て、学生の参加状況が分かるので重宝しているようです。

ただし、インターネットの通信環境が整っていない人にとっては負担が大きいのも事実です。平常時であればスターバックスなどのWi-Fi環境があるところで受けられますが、街中のカフェやレストランは閉鎖されており、不要不急の外出は禁止されているため簡単ではありません。

アメリカの常識では、すべての個人が安定したWi-Fi環境を持っていて、カメラ付きパソコンがあり、スマートフォンを持っていることが当たり前なので、テクノロジーに抵抗がある人は置いてけぼりにされてしまいます。日本のように「私はまだガラケーです」なんてことは通用しないほどドライです。

オンライン上でエッセイやクイズを受ける

オンラインクラスの形式で次に主流なのがエッセイ(論文)やクイズを使ったクラスです。先生があらかじめエッセイのお題や、テーマごとのクイズをインターネット上に用意しておいて、指定日時までにそれらをオンライン上で提出または回答する仕組みです。先生はそれを採点して最終的なグレード(成績)を付けます。

教科書に掲載されている「Case Studay」に対してエッセイ形式で回答するものや、YouTubeや新聞記事の感想をまとめる課題など出題パターンは様々です。基本的には教科書に沿っているため別段難しくありませんが、締め切りが指定される場合がほとんどなので学生にとっては少し面倒かもしれません。

対面授業に参加しなくていい分、エッセイやクイズの要求度は高い傾向があり、授業毎に5ページ分のエッセイを書かなければいけない場合もあります。要求はクラスや先生によって大幅に変わりますが、アメリカではエッセイは宿題としてごく当たり前のように使われます。

専用動画によるレクチャー

専用動画によるレクチャーもオンラインクラスの定番です。教育機関に所属する教員や学生だけがアクセス出来る専用の動画を使って説明、クイズの出題、レポート作成をします。実践が必要な医療系のクラスでよく使われていますが、有効性に限度があります。

医療系のクラスでは実技試験に合格しなければいけないことが多いため、オンラインクラスでは必要単位が取得できない事態が起きています。専門性が高い分野であるほど、単位の取得が難しいという訳です。この点がオンラインクラスの限界と言われています。

オンラインクラスは単位に影響はあるの?

学校閉鎖によって移行したオンラインクラスは一般的な授業とまったく同じ扱いになるため単位に影響はありません。オンラインによって出される課題や、レクチャーへの参加など、クラスごとによって決められたことをこなせば必要な単位は取得可能です。

しかし、オンラインクラスに移行してから良い成績が取りにくくなったという声をよく聞きます。理由として、すべてがエッセイやクイズなどの課題の出来具合によって採点されるためです。通常授業であれば授業への参加度合い、発言内容、出席率などが考慮されるため評価を得る機会が多いのですが、オンラインクラスになるとこのような機会が減るため、課題やテストの結果だけが判断基準になるのです。

テストの点が悪くても発言や積極的な授業参加で挽回するタイプの人にとってはオンラインクラスは厳しいかもしれません。アメリカ人にはこういうタイプが多いので、アメリカ人にとってはオンラインクラスはあまり嬉しくないようです。

日本からの留学生の反応は?

日本からアメリカに留学している学生は大きな混乱を強いられました。留学生にとって大きな懸念点となるのが「帰国するか否か」です。日本では3月26日からアメリカより入国した者に2週間の自己隔離、公共交通機関の利用自粛などが義務付けられたため、これが始まる前までに慌てて帰国した人が多かったようです。

とくに親元から離れている若者層にこの傾向が強く、感染拡大が凄まじいニューヨーク州などの学生は早々に見切りをつけて切り上げた人が多かったです。ほとんどの学校がオンラインクラスに移行し、日本にいても授業が受けられることが分かった時点で帰国した人が大半のようです。

なかには、6月から8月の夏学期(任意制)に授業を取りたいからと言ってアメリカに残る人もいますが、学校閉鎖が続いてしまうとずっと家に閉じこもったままの状態になるため、出来れば早く事態が終息してほしいところです。日本からの留学生にとっては非常に厳しい状況になってしまった訳です。

留学生の学生ビザはどうなるの?

留学生にとって懸念材料のひとつが「学生ビザへの影響」です。学生ビザには厳しい条件があり、出席率や成績、単位取得の進捗状況など、様々なことで規定を上回っている必要があります。

基本的には授業に参加していれば問題ありませんが、万が一規定に達しない場合は強制的に帰国を命じられてしまいます。また、次回アメリカに入国する際にスムーズにいかなくなるリスクもあります。

今回の学校閉鎖によってすべてのクラスがオンラインになりましたが、どの学校でも留学生に対しては、オンラインクラスを受講し、一定の成績を収めればアメリカ国内にいなくてもビザ要件を満たしていると認める措置が取られています。つまり、オンラインクラスであっても学生ビザへの影響はないという意味です。

しかし、コロナウイルス問題が終息し、オンラインクラスが通常授業に戻って再開した場合は、アメリカに再び戻って授業に参加しなければいけません。人によっては寮などの生活拠点を手配しなければならず、経済的な負担も強いられます。

まとめ

コロナウイルスによって学校が閉鎖されたアメリカではオンラインクラスがしばらく続きそうです。アメリカは1月から6月の春学期、9月から12月までの秋学期という2学期制が主流ですので、ひとまず5月まではオンラインクラスが続き、学校が再開する8月下旬にどのような状況になっているかがポイントになりそうです。

日本からの留学生の勉強にも大きな影響を与えたコロナウイルス問題が、今後も終息しなければ学生たちのキャリアにも支障が出てきそうです。

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本記事は、2020年4月11日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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