「WHO」は世界保健機構のこと
「WHO」はWorld Health Organizationの略で、日本語に訳すと「世界保健機構」のことです。
「WHO」は、国連、つまり国際連合の専門機関のひとつで、1948年に「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立されました。
日本が「WHO」に加盟したのは、1951年の5月でした。
「WHO」の組織
「WHO」の本部はスイスのジュネーブにあり、そのほかアフリカ・米州・南東アジア・欧州・東地中海・西太平洋地域の6つの地域にはそれぞれ地域事務局が設置されています。「WHO」の加盟国は現在194か国であり、各国はいずれかの地域事務所の管轄に属しています。
日本はマニラに地域事務局がある西太平洋地域に所属しています。西太平洋地域にはほかに30か国が所属しています。
「WHO」の組織のトップは「事務局長」です。2020年3月現在の事務局長はエチオピア出身のテドロス・アダノム氏で、2017年7月1日に就任しました。テドロス氏は現在、就任1期目で、任期は2022年6月30日までの予定のようです。
「WHO」の役割
「WHO」の主な役割は、グローバルな保健問題について、リーダーシップを発揮することです。世界的な健康に関する研究課題を作成し、その課題についての規範や基準を設定することで、世界をリードします。
また、保健政策に関しては、証拠に基づく政策選択肢を明確にして、「WHO」の加盟国へ技術的支援を行うとともに、常に健康志向を監視して、評価する立場にあります。
また、具体的な活動として、病気の撲滅のための調査研究や、すべての人が適正な医療や医薬品を得られるよう知識の普及活動、また、日ごろから健康的なライフスタイルを取り入れる啓蒙活動なども行っています。
▼参考:国際連合広報センター「世界保健機構(WHO)」
https://www.unic.or.jp/info/un/unsystem/specialized_agencies/who/
「WHO」の主な活動
「WHO」の加盟国として、日本が参加するのは毎年1回開催される「WHO総会」、同じく年1回開催の「西太平洋地域委員会」、そして年2回開催される「WHO執行理事会」です。
「WHO執行理事会」は「WHO総会」で選出された34か国が参加しますが、2020年は日本やアメリカ、ブラジル、中国などが選出されているようです。
世界保健デー
「WHO」は、組織の設立日である4月7日を、毎年世界保健デーとしています。世界保健デーには、毎年テーマを定めており、テーマに沿った世界的な取り組みを呼びかけています。
2019年のテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:誰もがどこでも保健医療を受けられる社会に」でした。
「WHO」の新型コロナウイルス対策
「WHO」は、2019年から2020年にかけて、中国の武漢市で発生し流行している新型コロナウイルスについて、中国に調査員を派遣して、中国との合同調査を行いました。
そして、その調査結果として「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染に関するWHOと中国の合同調査団報告書」を公表しています。
このように必要があれば世界中の国々と協力し、調査と課題解決に向かうこともあります。
▼参考:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページ
https://extranet.who.int/kobe_centre/ja/news/COVID19_specialpage
まとめ
このページでは、新型コロナウイルスの調査や研究、そして感染予防のために警戒意識をもってもらうためのパンデミック宣言など、新型コロナに関連して話題を集める「WHO」について、どのような組織なのかをご紹介しました。
「WHO」は国連の専門機関であり、世界中の人々の健康のために設置された組織です。「WHO」の宣言や勧告について、法的権限はありませんが、加盟国の一員としては、「WHO」に従うのは暗黙のルールになっている状態です。
2020年の東京オリンピックの開催について、IOC(国際オリンピック協会)は「WHO」の勧告に従って開催について検討することを表明しました。それだけに、「WHO」がどのような勧告を行い、どのような方針をとるのかには、ますます注目が集まっています。
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コメント
コメント一覧 (2件)
お恥ずかしながらWHOのことについてあんまりわからずニュースを見ていました。この記事がなかったらわからないままでした。毎年テーマがあってそれに沿った取り組みをしてると生地にあり勉強になりました。
コロナウイルスの話題ばかり聞く昨今、WHOの対応について疑問視するニュースも良く見ますが、改めてWHOの果たす役割をこちらの記事を読んで認識することができました。