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所得税について - 公務員総研の税金解説第1回

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目次

はじめに - 所得税の概要

「所得税」は、国に納める国税で、直接税であり、所得に課される税金(所得課税)です。

税金解説シリーズ第1回である今回は、「所得税」について、その納め方やメリット・デメリットなどを解説します。

税金の分類

・どこに収めるか:「国税」と「地方税」
・誰が納めるか:「直接税」と「間接税」
・何に対して納めるか:「所得課税」と「消費課税」と「資産課税」

このうち「所得税」は、「国税」であり、「直接税」であり、「所得課税」に分類されます。

税の分類については、》日本の「税金」についてもご参考ください。

「所得税」とは?

「所得税」とは、個人の所得に対してかかる税金のことです。1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの分に、税率を適用して税額を算出しています。

キーワードチェック:所得控除

所得控除とは、税金を計算する際に、所得から一定の額を差し引く制度です。つまり、100円の所得があり、10円の所得控除がある場合、税金は「(100-10)× 税率」で算出するので、所得控除が大きければ、それだけ納税する金額は低くなります。

「所得税」の納め方

「所得税」は、納める人物が会社に勤務している場合と、個人事業主やフリーランスの場合とで、納税の手続きが異なります。

会社に勤めている人の場合の「所得税」の納め方

多くの場合、会社に勤めている人は「源泉徴収」という方法で、勤務先があらかじめ給料から一定額を差し引いて、納めています。

ですが、この「源泉徴収」という仕組みだと、個人の事情に応じた税金の控除までは対応できず、余分に税金を払ってしまうことがあります。その余計に支払った税金を還付するためにあるのが「年末調整」という作業です。

「年末調整」によって、1年間に支払った税金が多かった場合、お金が戻ってくるというわけです。


個人事業主・フリーランスの場合の「所得税」の納め方

個人事業主はフリーランスは、毎月の収入から経費などを引いた所得を自分で計算し、確定申告して、所得税を納めます。

「確定申告」とは、簡単に言えば、「私はこれくらいの所得がありました」と自己申告するものです。税務署にこの申告をすると、税務署の方で「あなたの払うべき所得税は○○円です」と計算してくれます。そして個人事業主やフリーランスは、それに従って所得税を納税します。

「所得税」のメリット・デメリットについて

次は、「所得税」のメリットとデメリットについて解説します。

「所得税」のメリット

「所得税」のメリットは、貧富の格差を是正できる点だといわれています。

日本では所得税は累進課税制度を採用しており、多くの所得を得ている人は多くの所得税を、少ない所得の人は少ない所得税を納めています。よって「所得税」は、所得の差による貧富の差を少なくする税金といわれています。

もう一つのメリットとして、毎月所得税を払うことによって、税金への関心を高め、それが政治に関心を持ってもらうことにも繋がる、という点があります。もっともこれに関しては個人差があり、「よくわからないけど毎月一定の額が給与から引かれている」ということ以上は考えない・気にしない人もいるので、必ずしも税金への関心を高めているとは言えないかもしれません。

「所得税」のデメリット

「所得税」のデメリットは、累進課税制度によって税額の計算が複雑になりがちだという点が挙げられます。

また、働けば働くほど多くの税金を納めることになるので、労働意欲の低下につながる可能性もあります。ただし、所得税が本当に労働意欲に影響を与えるのかは一概には言えないという指摘もあるようです。

「所得税」のかかる範囲

「所得税」とは個人の所得に対して発生する税金だと述べましたが、1円でも稼げば「所得税」が発生するかというと、そうではありません。

「所得税」には、「ここまでなら所得を得ても税金はかかりません」という範囲があります。

会社に勤めている人の場合

会社に勤めている人は、「基礎控除額」が38万円、「給与所得控除額」が65万、合計103万を超えた分に所得税がかかります。

つまり、年間300万の所得がある人は、実際には所得のうちの197万に対して、「所得税」が発生するということです。

個人事業主・フリーランスの場合

個人事業主やフリーランスの場合は、もう少し複雑になります。まず、「基礎控除額」の38万円は会社勤めの人と変わりません。

そして、「給与所得控除」がない代わりに、「特別控除」があります。確定申告の際に「青色申告」を行うことで、65万または10万の控除が受けられます。確定申告という手続きが必要にはなりますが、この「特別控除」によって、個人事業主やフリーランスも会社員と同じ控除を受けることができるのです。

詳しくは国税庁の公式ホームページをご参照ください。


▼参考URL:国税庁 青色申告制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

まとめ

以上、「所得税」についてでした。

働いている人の多くが払っている所得税ですが、どのように計算されているかを意識しない人も多いと思います。

ぜひ、今回の記事を通して、「所得税」に対する知識を深めてください。

参考資料・参考サイト

財務省|もっと知りたい税のこと
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei3006/

財務省|所得税について教えてください。
https://www.mof.go.jp/tax_information/qanda018.html

国税庁|所得税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shotoku.htm

国税庁|所得税のしくみ
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm

国税庁|青色申告制度
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

電子政府の総合窓口(e-Gov)|所得税法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=340AC0000000033

公務員総研の税金解説シリーズ一覧

本記事は、2020年7月9日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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