復興特別所得税について – 公務員総研の税金解説第6回

公務員総研の税金解説シリーズ、第6回は「復興特別所得税」についてです。「復興特別所得税」とは、2011年3月11日に起こった「東日本大震災」からの復興に必要な財源を確保するために課せられる税金です。

本記事は「復興特別所得税」について詳しくまとめました。

はじめに - 復興特別所得税の分類

「復興特別所得税」は、国に納める国税で、直接税であり、所得に課される税金(所得課税)です。

税金解説シリーズ第6回である今回は、「復興特別所得税」について、制定の目的、徴収期間、メリット・デメリットなどを解説します。

税金の分類

・どこに収めるか:「国税」と「地方税」
・誰が納めるか:「直接税」と「間接税」
・何に対して納めるか:「所得課税」と「消費課税」と「資産課税」

このうち「復興特別所得税」は、「国税」であり、「直接税」であり、「所得課税」に分類されます。

税の分類については、》日本の「税金」についてもご参考ください。

「復興特別所得税」とは?

2011年3月11日、日本では「東日本大震災」が起こり、その復興のための財源確保が必要になりました。

同年12月、その財源を確保することを目的に特別措置法が公布されます。それが「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」であり、2013年から施行されました。

この特別措置法のもと、源泉徴収義務者は「復興特別所得税」を納税することになりました。

「復興特別所得税」は何に使われるのか?

徴収した「復興特別所得税」は、「東日本大震災」からの復興・支援に使用されます。具体的には、大きく以下の4つに分類されています。

被災者支援

1つ目は被災者支援です。長期化する避難生活者への支援、災害公営住宅等への移転、地元に帰りたい人への支援、心のケア、児童生徒の就学支援など多岐に渡る項目で、「復興特別所得税」が使用されています。

住宅再建・復興まちづくり

2つ目は住宅再建・復興まちづくりです。道路の整備、農山漁村整備、 森林整備など、社会インフラを整備するための財源となっています。

産業・生業(なりわい)の再生

3つ目は産業・生業(なりわい)の再生です。観光復興や人材確保、水産業の販路開拓等の支援のために使用されています。

原子力災害からの復興・再生

4つ目は原子力災害からの復興・再生です。避難指示が解除された区域での生活再開に必要な環境整備等を実施、風評払拭及び放射線に関するリスクコミュニケー ションの取組を強化するために使われています。

「復興特別所得税」の期間はいつまでか?

「復興特別所得税」は、課せられる期間が決まっており、平成25年1月1日から令和19年12月31日までの25年間の間に生じた所得について、源泉所得税を徴収する際、復興特別所得税を併せて納税しなければなりません。

「復興特別所得税」は誰が納税するか?

「復興特別所得税」は、所得税を払っている人すべてが負担する税金です。サラリーマンなど会社勤務の場合、給与から「復興特別所得税」が引かれており、個人事業主やフリーランスの場合は確定申告の際に申告し、納税します。

「復興特別所得税」の問題点

次に、「復興特別所得税」の問題点について解説します。

実は「復興特別所得税」は、東日本大震災の復興とは全く関係のない、もしくは直接的にはほとんど関係の薄い事業や自治体に「復興特別所得税」が流用されていたことが判明しています。

また、25年間の課税は長すぎるのではないかという指摘もあるようです。2020年現在、新型コロナウイルス感染症によって経済が混乱している中で、「コロナ増税」も噂されています。大災害や疫病の流行のたびに増税が繰り返され、しかもその期間が25年というような長期間なのであれば、国民は非常に大きな負担を負うことになります。

廃止された「復興特別法人税」

実は「復興特別所得税」と同時に制定された復興税に、「復興特別法人税」があります。これは、2012年4月1日から2014年3月31日までの2年間の事業に対し、通常の法人税に上乗せする形で法人が納税する税金でした。

当初、「復興特別法人税」が課税されるのは2015年3月30日までの3年間の予定でしたが、2014年には消費税率が引き上げられ、法人の負担を考慮して、1年早く廃止されることになりました。

まとめ

以上、「復興特別所得税」についてでした。

「復興特別所得税」については、大災害のたびに増税するのかという疑問、使用方法に関する不審点、問題点などを孕んでいるのは事実です。

震災から9年経ち、「復興特別所得税」を納めていることすら意識していない人も中に入るかもしれません。ぜひ、本記事を通して、東日本大震災で本当に困窮している人たちに対して正しく使用されるているのか、意識を向けてみてください。

参考資料・参考サイト

国税庁|復興特別所得税関係(源泉徴収関係)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/fukko/index.htm

国税庁|個人の方に係る復興特別所得税のあらまし
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/fukko_tokubetsu/index.htm

復興庁|平成30年度復興庁概算決定のポイント
https://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-3/2912_1shiropanpoint.pdf

電子政府の総合窓口(e-Gov)|復興特別所得税に関する省令
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/424M60000040006_20180401_430M60000040030/0?revIndex=2&lawId=424M60000040006&openerCode=1

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本記事は、2020年9月7日時点調査または公開された情報です。
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