地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第44回「松江市」について(2020年8月情報)

地方自治体特集「中核市」シリーズ、第44回は「松江市」です。

鳥取県にある「松江市」の人口は2020年4月1日時点で約20万人と、群馬県伊勢崎市に次いで国内98番目です。そんな「松江市」とはどんな都市なのか解説します。


※本記事は、2020年8月調査の内容です(今後更新予定です)。

「松江市」について

「松江市」は、山陰のほぼ中央(東経133度3分、北緯35度28分)に位置し、北は日本海に接する島根半島の北山山地、宍道湖と中海、南は中国山地に挟まれた地域に広がる中核市です。

松江藩が城下町を中心に発展した山陰最大の人口を擁する中心都市で、鳥取県の「米子市」とともに中海・宍道湖・大山圏域の中核を担っています。

なお、「松江市」は、宍道湖から中海に注ぐ大橋川によって松江の市街地は南北に二分され、大橋川より北側の市街地は橋北(きょうほく)、南側の市街地が橋南(きょうなん)と呼ばれています。

「松江市」の人口は2020年4月1日時点で約20万人で、水と緑の豊かな自然と歴史的な文化遺産・伝統に恵まれ、子どもから高齢者まですべての市民が健やかに暮らせるまちを目指して「健康都市まつえ」を宣言しています。

1)松江の豊かな自然の恵みに感謝し、食を楽しみます。
2)自分にあったスポーツや運動に親しみます。
3)こころとからだをリフレッシュし、元気でいきいきと暮らします。
4)健康診断・がん検診をすすんで受け、自分の健康管理に努めます。
5)家庭や地域でのふれあいをとおして、健康づくりの輪を広げます。

さらに、「松江市」では、2005年現在、就業人口は95,728人、第1次産業は5,499人、第2次産業は18,323人、第3次産業は70,855人で、農産物として、薬用人参、牡丹、津田かぶ、ごぼう(秋鹿ごぼう)、せり(黒田せり)、キャベツなどが生産されています。

「松江市」の気候は、日本海側気候で、冬は曇りや雨、雪の日が多く日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の影響を受けやすく、冬多雨の北陸型と夏多雨の北九州型の中間型と言われています。

過去最深積雪は、唯一の積雪1メートル以上の1971年(昭和46年)2月4日の100センチで、近年では2011年(平成23年)1月1日に積雪56センチを記録して久々に大雪となりました。

そんな「松江市」は、春から秋にかけては比較的好天の日が多い一方で、夏は蒸し暑いことが特徴です。

>松江市のホームページ
(http://www.city.matsue.shimane.jp/)


「松江市」の成り立ち

「松江市」の成り立ちは、慶長16年(1611年)に堀尾吉晴が亀田山に城を築き、白潟・末次の二郷をあわせて「松江」と称したことにさかのぼります。

江戸時代には、堀尾氏3代・京極氏1代・松平氏10代の城下町として栄え、都市の基礎が形成されました。

1871年(明治4年)の廃藩置県によって県庁が置かれ、1889年に全国の30市とともに市制が施行され、島根郡・意宇郡の一部から松江市が発足されました。

その後、1934年(昭和9年)から1960年にかけて9回にわたって周辺の村を合併し、2005年(平成17年)に八束郡7町村と合併、2011年に八束郡東出雲町を合併して現在の市域になりました。

1951年(昭和26年)には松江国際文化観光都市建設法が制定され、奈良市・京都市と並んで国際文化観光都市となり、1995年(平成7年)に出雲・宍道湖・中海拠点都市地域に指定され、山陰の中核都市として発展しています。

2005年(平成17年)に松江市・八束郡鹿島町・島根町・美保関町・八雲村・玉湯町・宍道町・八束町の1市6町1村が新設合併され、旧・松江市を廃して新・松江市となりました。

2011年に八束郡東出雲町を編入合併し、2012年に特例市に移行され、2018年(平成30年)4月1日に中核市に移行されました。

松江市長「松浦 正敬」(まつうら まさたか)さんはどんな人?

2000年6月から松江市長を務める「松浦 正敬」さんは、1948年に生まれ、1971年に東京大学法学部を卒業後、自治省入省・群馬県東葉事務所に勤務、1978年に和歌山県総務部地方課長に就任、1982年に福岡県総務部人事課長に就任、1985年に宮崎市助役に就任しました。

その後、1988年に自治省大臣官房広報室長に就任、1990年に京都府総務部長に就任、1993年に自治省行政局振興課長に就任、1995年に国土庁地方振興局総務課長に就任、1996年に自治省行政局行政課長に就任、1997年に自治省大臣官房審議官に就任しました。

2000年に自治省を辞職、松江市長に就任し、20004年に松江市長に再任、2005年に合併による新「松江市」初代市長に就任、2009年および2013年に松江市長再任を果たしています。

座右の銘は、「努力に勝る天才なし」だそうです。

>松江市長公式ホームページ
http://www.matsuura-m.jp/profile.html

「松江市」の行政プラン

「松江市」は、「選ばれるまち松江」を実現するため、下記の4つの柱をテーマに掲げ、さまざまな活動を行っています。

1)「松江を超える、松江をつくる」
2)「松江の未来を切り拓き、新たな可能性に挑戦する人づくり」
3)「移住・定住・関係人口の創出」
4)「安心・安全なまちづくり」

「松江を超える、松江をつくる」

「松江市」は、「松江を超える、松江をつくる」を柱に、主に下記の4つの活動を推進しています。


1つ目は、経済を循環させるため、中心である観光産業において観光推進体制を再構築し、「”来てほしい”から”選ばれる”観光のまち」を目指しています。

2つ目は、農林水産分野において、「農林水産業振興計画」を策定し、地場産品のマーケティングや日本海・宍道湖・中海に面しているというメリットを活かした行行の振興、森林環境譲与税を財源とする「農林水産基盤の確立」を推進しています。

3つ目は、IT人材の育成を進め、市内の中小企業の振興や中心市街地の活性化などを行い、「時代に呼応した産業振興」を推進しています。

4つ目は、歴史ある町並みと市民生活の営みを調和させる一方、スポーツや文化などの戦略的なまちづくりを目指しています。

そのために、まず、「市政130周年事業」として、記念式典を開催し、諸外国との交流や相互理解の促進を推進しています。

次に、「立地適正化計画」の策定、空き家・空き土地を活用するエリアリノベーションの推進、殿町・JR松江市駅前の再整備、緑地保全や緑化推進のための「緑の基本計画」の改定などを行い、都市機能のデザインを推進しています。

加えて、スポーツ施策をまちづくりや健康づくりに活用する取組や、松江市の文化施設の活動を推進し、「スポーツ振興」「文化振興」を推進しています。

「松江の未来を切り拓き、新たな可能性に挑戦する人づくり」

「松江市」は、「松江の未来を切り拓き、新たな可能性に挑戦する人づくり」を柱に出生数の増加につなげ、新しい時代を担う子供達の能力を伸ばすため、主に3つの活動を推進しています。

1つ目は、一般不妊治療費助成制度の改正やデイサービス型の産後ケア事業など、安心して出産出来る環境の支援を行っています。

2つ目は、待機児童の飽き性を目指した保育施設整備に加えて、乳幼児期の良好な親子関係の構築と保育所・幼稚園における地域連携など、「松江らしい幼児教育」を推進しています。

3つ目は、学力向上対策を進め、小中学校でのIT活用や生活困窮世帯の子供達の学習支援、学校の教育環境・児童クラブ・市立女子校・教員人事権の委譲などを推進し、「学び力のステップアップ」を目指しています。

「移住・定住・関係人口の創出」

「松江市」は、「移住・定住・関係人口の創出」を柱として、関わりを持つ人々との関係人口作りを進め、若者の興味や関心にマッチした情報発信、総合力で若者の結婚に向けた機運醸成、UIターン者と地域のよい関係作りの推進など行っています。

「安心・安全なまちづくり」

「松江市」は、「安心・安全なまちづくり」を柱として、最優先に防災対策を位置付けて「災害廃棄物処理計画」を策定し、「健康まつえ21基本計画」に基づく人生100年時代を見据えた健康づくりや、「環境首都まつえ」の実現に向けた持続可能な循環型社会への取組、持続可能なまつづくりを支える行財政基盤の強化などを推進しています。

▼参考URL:松江市|平成31年度市長施政方針
(http://www1.city.matsue.shimane.jp/webmayer/shiseihoushin/h31.html)

まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第44回は鳥取県の「松江市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年11月21日時点調査または公開された情報です。
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