地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第57回「鹿児島市」について(2020年9月情報)

地方自治体特集「中核市」シリーズ、第57回は「鹿児島市」です。

鹿児島県にある「鹿児島市」の人口は2020年4月1日時点で約59万5千人と、千葉県船橋市に次いで国内21番目です。そんな「鹿児島市」とはどんな都市なのか解説します。


※本記事は、2020年9月調査の内容です(今後更新予定です)。

「鹿児島市」について

「鹿児島市」は、九州の南端、鹿児島県本土のほぼ中央部に位置し、北は姶良市、西は日置市、南は指宿市などと接しています。

市街地は、鹿児島湾に流入している甲突川等の河川により形成された小平野部にあり、その周辺は、海抜100メートル~300メートルの丘陵地帯(シラス台地)となっています。

この「鹿児島市」は、宮崎県・鹿児島県の2県を範囲とする南九州地域の拠点都市で、政治・経済・文化・交通の中心地となっています。

鹿児島県中西部に位置し、古くから薩摩藩、90万石の城下町として栄え、1889年4月1日に日本で最初に市制を施行した31市の一つで、現在は福岡市、北九州市、熊本市に次ぐ九州第4位の人口を擁しています。

さらに、「鹿児島市」市は、県人口の約三分の一(約35パーセント)が集中している首位都市でもあり、周辺の自治体と鹿児島都市圏を構成しています。

「鹿児島市」の農業は、市民に安全・安心で、新鮮で良質な農畜産物を安定的に供給することを基本とし、60万市民の大消費地を控えている有利な条件の下で、生産性の高い農業が行われています。

林業は、森林面積が約3万ヘクタールで市域の約54パーセントを占めており、林産物の供給、山地災害の防止、水源のかん養、自然環境の保全等の多面的機能の発揮を通じて市民生活に恩恵をもたらしています。

水産業は、好漁場である錦江湾を主な漁場として、一本釣や刺網(さしあみ)、延縄(はえなわ)漁業などの漁船漁業や、カンパチ・ブリ等の海面養殖業が行われています。

そんな「鹿児島市」の気象は、温暖で多雨の太平洋側気候を呈し、年平均気温は18℃前後で、真夏日が年間80日前後、夏日は年間160日前後あるのに対し、冬日は年間数日程度ですが、郊外の丘陵地や山間部では明け方に0度を下回る事も少なくありません。

冬は、強い冬型の気圧配置となり、西回りで寒気が流れ込む時には東シナ海からの雪雲が入りやすく、雪が降ります。


積雪はほとんどありませんが、2011年1月1日に過去2番目の積雪25cmを記録するなど、九州の県庁所在地の中で最南端にありながら一度に積もる量は一番多い一方、南岸低気圧による降雪はまず無く、暖かい雨となります。

なお、大陸からの寒気の影響を受けやすいため、一時的に平年を5度以上も下回る寒さとなることもあります。

>鹿児島市のホームページ
http://www.city.kagoshima.lg.jp/

「鹿児島市」の成り立ち

「鹿児島市」の成り立ちは、市制町村制施行に伴い、旧鹿児島城下46町および鹿児島近在1町3村の区域によって、鹿児島市が発足した1889年(明治22年)4月1日にさかのぼります。

同年、現在の市域に相当する下記の12の各村が発足されました。

1)吉野村
2)中郡宇村
3)西武田村
4)伊敷村
5)吉田村
6)西桜島村
7)東桜島村
8)谷山村
9)上伊集院村
10)下伊集院村
11)郡山村
12)喜入村

1897年に郡の統廃合が行われ、1911年に伊敷村大字下伊敷字草牟田(草牟田)および西武田村大字武の一部(武、天保山)が鹿児島市に編入、1920年(大正9年)に伊敷村大字下伊敷字紙屋谷(玉里)および伊敷村大字永吉(永吉、原良)が鹿児島市に編入されました。

1924年に町制施行によって谷山村が谷山町となり、1934年に吉野村・中郡宇村・西武田村が鹿児島市に編入、1950年(昭和25年)に伊敷村・東桜島村が鹿児島市に編入、1956年に分割編入・町制施行によって郡山村・下伊集院村大字有屋田および大字嶽が郡山町となり、下伊集院村の残りの区域は伊集院町・東市来町および日吉町に編入されました。

1956年に町制施行によって喜入村が喜入町となり、1958年に市制施行によって谷山町が谷山市となり、1960年に町制施行・改称によって上伊集院村が松元町となり、1967年に新設合併によって鹿児島市・谷山市が鹿児島市となり、1972年に町制施行によって吉田村が吉田町となりました

1973年に町制施行・改称によって西桜島村が桜島町となり、1996年(平成8年)に中核市に指定、2004年に吉田町・桜島町・松元町・郡山町・喜入町が鹿児島市に編入されました。

鹿児島市長「森 博幸」(もり ひろゆき)さんはどんな人?

2004年12月23日から鹿児島市長を務める「森 博幸」さんは、1949年10月30日に生まれました。

経歴は、1974年(昭和49年)に横浜市立大学商学部を卒業、鹿児島市に勤務、1999年(平成11年)に鹿児島市財政部長に就任、2001年に鹿児島市総務部長に就任、2004年に鹿児島市総務局長、社団法人日本水道協会理事・鹿児島県支部長、九州国道協会常任理事、鹿児島市長(1期目)に就任しました。

2005年に鹿児島県市長会会長、全国市長会理事、社団法人日本下水道協会理事・鹿児島県支部長に就任、2008年に九州市長会理事、鹿児島市長(2期目)に就任、2010年に全国市長会副会長に就任、2011年に全国市長会相談役、鹿児島県下水道協会会長に就任しました。

2012年に鹿児島市長(3期目)に就任、2013年に公益社団法人日本水道協会鹿児島県支部長、九州国道協会副会長に就任2014年に税制調査会(内閣府)特別委員、九州市長会副会長に就任しました。

2015年に九州市長会会長、九州国道協会会長に就任、2016年に鹿児島市長(4期目)に就任、2018年に全国市長会副会長に就任、2020年(令和2年)に税制調査会(内閣府)特別委員に就任しました。


好きな言葉は、「誠心誠意、人事を尽くして天命を待つ」だそうです。

>鹿児島市長公式ホームページ
http://www.city.kagoshima.lg.jp/shise/shicho/

「鹿児島市」の行政プラン

「鹿児島市」は、「鹿児島市行政改革大綱」で掲げた具体的な推進方策に基づいて、「行政改革推進計画」を策定しました。

この計画は、2017年~2022年までの5年間の推進項目を示し、行財政環境の変化に応じて的確に対応し、内容の見直しを行うものです。

さらに、「鹿児島市」は、この計画を実現するため、下記の2つの改革とその推進項目を掲げました。

1)市民ニーズに対応した質の高い行政サービスの提供
・公務員倫理意識の高揚(コンプライアンスの推進)
・民間人の登用・任期付採用制度
・職員の社会貢献活動の支援
・人事評価制度の実施
・民間企業での職員研修および職員派遣
・職員の能力向上を図る研修の実施
・中堅職員マインドアップ研修の実施
・職員ストレスチェック等の実施
・業務改善運動の実施
・職員提案制度の実施
・職員のボランティア清掃活動
・わがまち市役所ボランティア隊の活動
・職員の地域イベント等への参加促進
・職員研修の充実
・認定看護師資格取得への支援
・上下水道技術の継承
・職員研修の充実

2)成果を意識した効率的な行財政運営の推進
・行政評価の実施
・事務事業の見直しの推進
・ふるさと納税の推進
・個人住民税徴収の強化
・市税収納率の向上対策
・市税および市債権の徴収対策の強化
・健全財政の維持
・統一的な基準による地方公会計の整備促進
・使用料・手数料の見直し
・ネーミングライツの導入可能性調査
・庁舎内広告掲載の導入可能性調査
・鹿児島市国民健康保険事業・財政健全化計画の推進
・国民健康保険税収納率の向上対策
・LED化の推進
・鹿児島市衛生公社のあり方指針の策定
・家庭ごみの減量化・資源化の推進
・介護保険料収納率の向上対策
・市営住宅使用料収納対策の強化
・鹿児島市病院事業経営計画の推進
・第二次鹿児島市交通事業経営健全化計画の推進
・鹿児島市上下水道事業経営計画の推進
・鹿児島市船舶事業経営計画の推進
・時代に即応した組織・機構の構築
・適正な定員管理の推進
・公共施設等総合管理計画の推進
・遊休市有財産利活用の推進
・公園施設の長寿命化
・下水道(雨水渠)の長寿命化
・港湾の長寿命化
・都市景観施設マネジメント事業の推進
・市営住宅の長寿命化
・公共建築物ストックマネジメントの推進
・橋りょうの長寿命化
・交通局施設の長寿命化
・上下水道の長寿命化
・水道施設能力適正化の取組
・下水処理場の統廃合
・指定管理者制度の効果的な運用
・公共施設等の整備等におけるPPP/PFI手法導入の優先的検討
・証明交付窓口業務の委託
・斎場への指定管理者制度の導入
・DBO方式による新南部清掃工場の整備・運営
・いしき園の民間移管
・観光農業公園への指定管理者制度の導入
・民間力を活用した公共掲示板のリニューアル
・市営住宅滞納家賃回収業務の委託
・給食調理業務の委託拡大
・上下水道料金の調定・収納業務等の委託

このように「鹿児島市」では、改革と推進項目を掲げ、その目標値を定めることによって、「行政改革推進計画」の実現を目指しています。

▼参考URL:鹿児島市|鹿児島市行政改革推進計画

まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第57回は鹿児島県の「鹿児島市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年12月27日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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