イギリスの税制と日本の税制比較(2022年4月まとめ)

税金とはその国を運営していくのに必要なお金です。それはその国に住む人たちの支払いによって負担されています。皆さんも日本に住んでいることで知らず知らずに支払っているかもしれませんが、消費税も国の大きな税収入の一つです。

国によって徴収の方法も種類も違う税金ですが、イギリスと日本ではどのように違うのか調べてみました。


イギリスと日本の主な税の種類

イギリス

1.法人税(法人が支払う税金)
2.VAT(日本の消費税に相当)
3.カウンシルタックス(固定資産税に類似)
4.個人所得税(個人の所得に対して課せられる税金)
5.土地印紙税(不動産購入の際に課せられる税品)
6.銀行税(金融機関が支払う税金)

日本

1. 法人税
2. 消費税
3. 住民税
4. 所得税
5. 自動車税
6. たばこ税
7. 酒税

イギリスと日本での所得税と消費税の比較

この中で一番身近な所得税と消費税について比較してみましょう。

イギリスと日本の所得税の課税率の違い

所得税とは所得に応じて課せられる税金です。加算される税率の違いをみてみましょう。

イギリスの所得税率 (£1=150円換算)2020-2021年度

税率 収入
個人控除額 0% £12,500(1,875千円)まで
基礎税率 20% ~£35,500(5,325千円)
高税率 40% £35,501~150,000(22,500千円)
追加税率45% £150,001~

※ただし、£100,000を超える所得£2に対し£1の控除額が減少します。

<例>
10万ポンドの収入の場合の所得税の徴収額は下記の通りになります。
(£100,000-£12,500)x20%=£97,500

日本の所得税率(令和3年9月1日現在法令)

所得金額から控除額を引いた所得が課税対象になります。

課税される所得税金 税率 控除額
130万円まで 0%
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,00,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

<例>
「課税される所得金額」が7,000,000円の場合には、求める税額は次のようになります。7,000,000円×0.23 – 636,000円= 974,000円

*1千万円の所得があった場合のイギリスと日本の課税金額をみてみましょう。(£1=150円換算)

イギリス:(£66,667-£12,500)x0.4=£21,667(3,250,050円)
日本:10,000,000円x0.33-1,536,000=1,764,000円

イギリスで同じ金額の所得場合った場合には日本の2倍弱の税金を支払うことになります。


イギリスと日本の消費税率と課税対象品の違い

イギリスの消費税率 20%

イギリスでは消費税に相当するものをVATと呼び、すべての価格は内税で表示しなければいけません。

イギリスの課税、低課税、非課税対象品の区分

イギリスでは商品やサービス別に消費税が課税、低課税、非課税かが下記のように分かれます。その判断基準は生活に最低限必要である商品やサービスであるか否かで決まります。

    課税(20%)対象商品およびサービス

●食料品
アルコール飲料
チョコレートビスケット(チョコレートが付かなければ非課税)
チョコレート
アイスクリーム
ジュース
ポテトチップス
キャンディ類
テイクアウト商品(ホット商品)
レストラン・カフェ向け食料品

●衣料品
14歳児以上の衣料品

●雑貨
文房具
CD/DVD

●サービス
郵便
ガソリン
タクシー料金

    低課税(5%)が適応される対象商品およびサービス

●日用雑貨品
チャイルドシート
女性用衛生商品

●サービス
光熱費(個人・家族向け)

    非課税対象商品およびサービス

●食料品(課税対象以外の食料品すべて)

●雑貨
切手
美術品、アンティーク品

●サービス
美術館等入館料
教育関連
テレビライセンス
医療関連(診察料、薬代など)
金融関連
商業地の購入またはリース
ギャンブル

日本の消費税率 日本:10%

日本は2021年4月1日から税込み価格の表示が義務付けられています。

日本の課税、低課税、非課税対象品の区分

2019年10月の消費税率10%への引上げと同時に、所得の低い方々への配慮の観点から、飲食料品(お酒・外食を除く)等の購入に係る税率については8%とする軽減税率制度が実施されています。

    課税(10%)対象商品およびサービス

●お酒や外食

    8%対象の商品およびサービス

●飲食料品(お酒・外食を除く)
●新聞(定期購読契約された週2回以上発行されるもの)


まとめ

イギリスと日本の身近な税金、税率を見てきましたが、イギリスの課税率が日本に比べると高いことがわかります。

参考資料サイト

uk9C010_personal_incometax.pdf (jetro.go.jp)(外部サイト)

No.2260 所得税の税率|国税庁 (nta.go.jp)(外部サイト)

所得税が非課税になる限度額っていくら? (mri.or.jp)(外部サイト)

イギリスの消費税は何%?何が不課税になる? | 留学スクエア (lieugaksquare.com)(外部サイト)

消費税率引上げについて : 財務省 (mof.go.jp)(外部サイト)

本記事は、2022年5月18日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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