「チェコ共和国」ってどんな国?
「チェコ共和国」の正式名称はチェコ語で「Česká republika」、英語では「Czech Republic」です。漢字では「捷克」と表記し、その他「撒克」などとも表記されます。
「チェコ共和国」の広さ 面積・場所について
「チェコ共和国」の面積は約78,866平方キロメートルで日本の約5分の1ほどの大きさです。
「チェコ共和国」の場所は、央ヨーロッパにあり、国土は東西に細長い六角形をしており、北はポーランド、東はスロバキア、南はオーストリア、西はドイツと国境を接しています。
「チェコ共和国」の首都について
「チェコ共和国」の首都は「プラハ」で、「プラハ」は、北緯50度02分、東経14度45分に位置しています。
「プラハ」の人口は、約120万人です。
「チェコ共和国」の人口について
「チェコ共和国」の人口は、チェコ統計局が2019年に調べた時点で約1,069万人であり、人口密度は、約135.6人で、第63位です。
「チェコ共和国」の成り立ちについて
「チェコ共和国」は、9世紀に大モラビア帝国が成立、10世紀に大モラビア帝国が滅亡、ボヘミア王国が成立、1620年にハプスブルク帝国の支配下になりました。
1918年に第一次世界大戦後、チェコスロバキア共和国が成立、1938年にミュンヘン協定により、チェコスロバキア共和国が崩壊、1939年にボヘミア・モラビア地方はドイツの保護領になりました。
1945年に第二次世界大戦後、独立回復、1948年に共産主義体制が確立、1968年に「プラハの春」事件が発生、1989年に民主革命(「ビロード革命」)により共産主義体制が終結しました。
1993年にスロバキアと平和裡に分離・独立、1995年にOECDが加盟、1999年にNATOに加盟、2004年にEUに加盟しました。
「チェコ共和国」の国民・宗教・言語について
「チェコ共和国」の国民について
「チェコ共和国」の人種割合は、2016年時点で、チェコ人が約64.3パーセントと多数派で、次に多い人種は民族を主張しない人々で約25.3パーセントです。
また、少数派はモラヴィア人が約5パーセント、スロバキア人が約1.4パーセント、ウクライナ人が約1.0パーセントのほか、ポーランド人、ドイツ人、シレジア人、マジャル人、ロマその他の人々が合計約3パーセントを占めています。
なお、公認されている少数民族はベラルーシ人、ブルガリア人、クロアチア人、ハンガリー人、ドイツ人、ポーランド人、ロマ、ルシン人、ロシア人、ギリシャ人、スロバキア人、セルビア人、ウクライナ人、ベトナム人です。
「チェコ共和国」の宗教について
「チェコ共和国」の国家宗教は、前近代よりフス戦争などの熾烈な宗教戦争が戦われてきたチェコでは、その複雑な歴史的経緯から無宗教者が多く、約60%がこのグループに属しています。
そのほか、カトリックが約27.4パーセント、プロテスタント約1.2パーセント、フス派が約1パーセントです。
「チェコ共和国」の言語について
「チェコ共和国」の公用語は、チェコ語で、公的に認められた言語としては、スロバキア語、ドイツ語、ポーランド語、ギリシャ語、ハンガリー語、ロマ語、ロシア語、ルシン語、セルビア語、ウクライナ語があり、2013年以降に、ベトナム語とベラルーシ語が加わりました。
「チェコ共和国」の経済状況について
「チェコ共和国」の通貨はチェコ・コルナで、GDPは約2,470億米ドルで、世界48位です。そして、一人当たりのGDPは約22,578.83米ドルで、世界37位です。
「チェコ共和国」の貿易について
「チェコ共和国」の貿易相手は主に、輸出が、ドイツ、スロバキア、ポーランド、フランス、英国、オーストリア、オランダ、イタリア、日本で、輸入が、ドイツ、中国、ポーランド、スロバキア、イタリア、フランス、オランダ、ロシア、日本となっています。
「チェコ共和国」の主な輸出品目は、自動車および関連機器、電気機器、産業用機械類、化学製品、輸入品目は、自動車および関連機器、電気機器、産業用機械類、鉱物資源です。
「チェコ共和国」の政治・政策について
政治体制について
「チェコ共和国」は、共和制で、議会は、2院制で、下院は議席が200名、任期は4年、上院は議席が81名、任期は6年です。
「チェコ共和国」の政策
「チェコ共和国」は、1989年の民主革命後、与党市民民主党(ODS)のクラウス内閣下で、チェコは1993年1月スロバキアとの連邦国家を平和的に解消し独立しました。
その後、政治献金疑惑によるクラウス内閣の総辞職を受け、1998年に左派の社会民主党(CSSD)を中心とする政権が成立し、ゼマン、シュピドラ、グロス、パロウベクと4代続けて首相が輩出されました。
しかし、2006年6月の下院総選挙では市民民主党(ODS)が勝利し、トポラーネク内閣が発足されました。
2010年5月の任期満了にともなう下院選挙の結果、CSSDが第一党となったものの、左派のチェコ-モラビア共産党(KSCM)の議席数とあわせても過半数に達しないことから敗北が表明されました。
そのため、僅差で第二党となったODSを中心に連立政権を形成し、同年7月にネチャス内閣が発足されました。
2013年1月、任期満了に伴う大統領選挙が、初めて直接選挙により実施され、2回にわたる投票を経てゼマン元首相が選出され、3月8日に正式に就任しました。
2013年6月にネチャス内閣が政治的スキャンダル等により辞任したことを受け、同年10月に下院繰り上げ総選挙が行われました。
この結果、第一党となったCSSD、同選挙で初めて議席を獲得した新政党ANO、キリスト教民主同盟-人民党(KDU-CSL)の3党からなる連立政権が樹立され、2014年2月に下院による信任を受け、ソボトカ内閣が発足されました。
2017年10月に実施された下院総選挙において、ANOが第一党となり、ゼマン大統領により12月、同党のバビシュ党首が首相に任命されましたが、2018年1月16日、下院の信任が得られず翌17日辞職しました。
同年6月にバビシュ内閣は再度任命され、7月12日、下院の信任を得てバビシュ内閣が発足しました。
また、2018年1月には大統領選挙が実施され、決選投票を経て現職のゼマン大統領が再選されました。
「チェコ共和国」の元首・首相・外相について
「チェコ共和国」の元首・について
「チェコ共和国」の元首は、ミロシュ・ゼマン大統領です。
「チェコ共和国」の首相・外相について
「チェコ共和国」の首相は、アンドレイ・バビシュで、外相は、ヤクブ・クルハーネクです。
「チェコ共和国」の国防・軍事制度・兵役について
「チェコ共和国」は、1995年12月には、いわゆる移行経済国として初めてOECD加盟を実現しました。
その後、1999年3月にNATOに正式加盟、1998年3月からEU加盟交渉を開始、2004年5月1日に正式加盟し、2009年1月から6月までEU議長国を務めました。
チェコの外交・安全保障政策は、EU及びNATOにおける連帯を基本としつつ、ヴィシェグラード諸国(V4)との協力や国連等の場におけるマルチ外交も積極的に展開されています。
投資誘致等のため経済外交を重視しており、近年ではアジア諸国等欧米以外との関係も強化されています。
軍事力は、予算は、2019年現在、約27.5億ドル、兵力は、約23,200名で、徴兵制度は2004年で廃止され、職業軍人化されています。
「チェコ共和国」と「日本」の関係は?
「チェコ共和国」と「日本」の関係は、旧チェコスロバキア時代から良好で、1989年末の民主革命後、両国関係は急速に拡大し、日本は、1993年1月1日のチェコ独立と同時に同国を承認し、同1月29日に外交関係が開設されました。
2017年に両国の国交回復60周年を迎え、同年1月に日本の外務大臣として16年振りに岸田外務大臣がチェコを、同年6月にチェコの首相として12年振りにソボトカ首相が日本を訪問しました。
経済関係は、日本の対チェコ貿易において、2020年現在、貿易額は、輸出が約1,594億円、輸入が約1,174億円で、主要品目は、輸出が電気機器、一般機械、輸送機械、輸入が一般機械、金属材料、電気機器となっています。
日本からの直接投資は、2020年現在、累計で約3,782百万米ドルで、主要事例は、TV製造、自動車製造などで、進出日系企業数は、2021年現在、276社です。
文化関係は、両国の文化交流は、伝統的に盛んでしたが、近年では茶道、生け花などの伝統文化に加え、アニメ等を始めとするポップカルチャーの人気が非常に高まってきています。
チェコの大学では、現在、3つの国立大学に日本学科/日本学専攻が設けられています。
自治体間交流に関しては、現在、ピルゼン市と高崎市(1990年)、カルロヴィ・ヴァリ市と群馬県草津町(1992年)、プラハ市と京都市(1996年)が姉妹都市関係を結んでいます。
2016年、京都市とプラハ市が関係樹立20周年を迎え、京都市長及び京都市会議員団のプラハ市訪問とともに「プラハにおける京都文化の日々」と題する記念文化行事が行われました。
また、2017年は草津町・カルロヴィ・ヴァリ市が関係樹立25周年を迎え、カルロヴィ・ヴァリ市において記念行事が行われたほか、2020年には、高崎市とプルゼン市が関係樹立30周年を迎え、プルゼン市で記念の展覧会等が行われました。
日・チェコ国交回復60周年を迎えた2017年には、両国において、「チェコにおける日本文化年」、「日本におけるチェコ文化年」と題して、様々な記念事業が実施っされました。
その中の主な事業として、3月8日から6月5日までアルフォンス・ムハ(ミュシャ)代表作「スラブ叙事詩」全20点を海外で初めて日本の国立新美術館にて公開され、多くの反響を呼びました。
本年、日本とチェコは交流100周年を祝い、両国で様々な記念事業を実施しています。
9月23日には、チェコ共和国上院において狂言公演が実施され、ヴィストルチル上院議長、ペトシーチェク外務大臣等の政府要人が出席したほか、オンラインでライブ中継が行われい、多数の視聴者を得ました。
在留邦人数は、2020年10月現在、2,465人、在日当該国人数は、2019年12月現在で、476人です。
まとめ
以上、国特集「チェコ共和国」でした。
ちなみに、「チェコ共和国」の男子サッカーFIFAランキングでは、2020年11月の時点では「40位」でした。
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