アメリカ旅行中、ロスバゲで戻ってこなかった荷物はどうなるのか?

空港のチェックインカウンターで預けた荷物が、旅行中に遅延あるいは紛失してしまうことをロストバゲージと言います。ほとんどの場合、多少時間はかかっても紛失した荷物は持ち主の元に戻ります。

しかし時にはどんなに探しても、持ち主が見つからない場合もあります。そこで今回はアメリカの空港でロストバゲージが発生した時の対処法と、完全に行方不明になってしまった荷物が最終的にどのように処理されるのかについてして解説したいと思います。


ロストバゲージが起こる原因

そもそもなぜロストバゲージが発生するのでしょうか?理由は様々ですが、

∙飛行機への積み忘れで飛行場に取り残されてしまった

∙預けた荷物が間違って別の飛行機に積み込まれ、目的地とは違う空港に運ばれてしまった

∙空港到着後、別の乗客が誤って持っていってしまった

などが原因として挙げられます。またそれ以外にも空港職員による窃盗で荷物が紛失してしまう事もあります。

このような盗難による被害を最小限に食い止めるには、高価な時計や宝飾品など、貴重品は手荷物に入れて機内に持ち込むようにしましょう。

アメリカでロストバゲージが発生した場合

どんなに注意してもロストバゲージに遭遇する確率はゼロでは無い以上、もしも自分の荷物がターンテーブルから出てこなかった時の対処法を考えておくのも重要ではないでしょうか。

荷物が届いていないのがわかったら、まず自分の乗ってきた航空会社の地上係員を探しましょう。預け入れされた荷物は、航空会社ごとバーコードでコンピューター管理されているので、荷物のチェックインの際に渡される手荷物預かり証(Baggage Claim Tag)と自分が乗ってきた飛行機の航空券があれば、荷物が今どこにあるのか探してもらえます。

日本ではあまり出番がない手荷物預かり証ですが、海外でロストバゲージが発生した際にタグのバーコードがスキャンできないと、荷物の発見は大変難しくなります。なので海外旅行中は特に、最終目的地で荷物を受け取るまで、手荷物預かり証を絶対無くさないように保管することをお勧めします。

航空会社によって多少違いがあるとは思いますが、ロストバゲージ申請の書類記入は非常に簡単です。自分の名前と連絡先(電話番号やEメールのアドレスなど)と現地滞在先の住所などを専用フォームに記載し、最後に手荷物預かり証のバーコードを係の人がスキャンすれば完了です。荷物が発見されると、申請書類に記載した連絡先に通知が来ます。通知にはリンクが貼ってあり、それをクリックすると荷物の配達状況がオンタイムで表示されます。

アメリカでロストバゲージの申請をする際に一つ注意しなければならないことがあります。それは手荷物紛失の手続きは、最終目的地着くまでできない点です。例えば日本からロサンゼルス経由でシアトルに行く場合、ロサンゼルスで入国審査を受け、税関を通過する前に荷物を一度ピックアップしなければなりません。もしその時自分の荷物が届いていない事に気付いて、地上係員に荷物が今どこにあるのか探すのを手伝ってもらえても、紛失のための書類手続きは最終目的地のシアトル空港で行わなくてはなりません。


アメリカでロストバゲージが起こる確率は?

近頃ロストバゲージの被害に遭った人の話をよく聞きますが、アメリカ国内でロストバゲージが起こる確率は意外にもとても低いです。

まず空港で預け入れられた約99.5%の手荷物は、目的地で何の問題もなく持ち主に引き取られます。

残りの0.5%がロストバゲージの対照になるわけですが、ほとんどの場合、荷物は完全に紛失したわけではなく、どこか別の場所に送られるなどして現地空港への到着が遅れてしまっただけなので、ロストバゲージの申請後、数日中には持ち主の手元に戻っていきます。

アメリカの航空会社はロストバゲージ発生から3ヶ月間、荷物の行方を探さなければならない決まりになっています。そして3ヶ月間探しても見つからなかった荷物は捜索が打ち切られ、今度は引き取り手いない荷物「アンクレイムドバゲージ」となり、荷物の持ち主に補償金が支払われます。

このアンクレイムドバゲージになる確率は、チェックインされた荷物全体の0.5%の更に0.03%という非常に少ない割合です。しかしいくら少ない確率だったとしても、アメリカ全土で発生するロストバゲージの数は年間数百万個も発生するそうなので、毎年少なくとも1000個以上は引き取り手のない荷物が発生しそうです。

引き取り手のない荷物は最終的にどうなるのか?

アメリカ国内で引き取り手のなくなった荷物は、アラバマ州北部にあるアンクレイムドバゲージセンター社に送られます。この会社はアメリカ国内で唯一の引き取り手の無い荷物を再利用できる会社で、国内全ての航空会社や運送会社と購入契約を結んでいます。(https://www.unclaimedbaggage.com/

アンクレイムドバゲージ社に送られた荷物は開封され、専門家の鑑定後、再販・再利用・リサイクルの3つのカテゴリーに分類されます。

∙再販されるのは全体の3分の1

未使用の衣類や貴金属やブランド品など、再販可能なものは全体の1/3くらいで、推定小売価格と状態に基づいて販売価格が決定されます。びっくりするのはウェディングドレスや結婚指輪の数の多い事。また新品同様でも型落ちのコンピューターなどは評定価格の80%オフと、格安で販売されている場合もあります。

∙新しい所有者に渡り良い方向に再利用されるもの

例えばノーブランドのTシャツや靴下など、状態が良くても再販には及ばない物は、ボランティア団体やホームレスシェルターなどの慈善団体に寄付されます。

∙リサイクル

荷物の中には使用済みの歯磨き粉、洗顔料や化粧品など、どうしても廃棄しなければならないものもあります。個人情報が載っている書類などをリサイクルする場合は、すべてシュレッダー処理しているそうなので、もし自分の荷物がアメリカ旅行中に紛失して、捜査の甲斐なくアンクレイムドバゲージとして処分されることになったとしても、個人情報が漏洩して悪用される心配はなさそうです。

まとめ

アンクレイムドバゲージ社はオンラインで商品の販売もしています。購入された商品は海外発送もされていて、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどに配送可能です。しかし残念ながら日本への海外発送はまだ予定されていないようなので、次の海外旅行先にアンクレイムドバゲージ社訪問を計画してみるのも楽しいかもしれません。

本記事は、2023年5月13日時点調査または公開された情報です。
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