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元・公務員が語る「公務員の給料や昇給」のアレコレについて

公務員といえば、給与が安定しているイメージが持たれているかと思います。また、年齢が上がるにつれて確実な昇給が見込める印象が強いのではないでしょうか。なかなか働いてみないと分からないお給料のアレコレ、元公務員がご紹介します。

2018年03月01日更新

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目次
公務員の給料の仕組みを理解しよう
公務員の給与は、安定している?
公務員の手当について
公務員の初任給について
公務員に転職を考えている場合の裏技
まとめ
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元・公務員が語る「公務員の給料」のアレコレについて

公務員の給料の仕組みを理解しよう

公務員と一言にいっても、国家公務員に地方公務員、事務職や土木職、医療職、研究職、現業職、そのほかいろいろな職種や採用のされ方があり、いい出したらきりがないほどです。

一般的にはどうでしょう。公務員といえば、採用されて、そこから毎年定期的に昇給していって、年2回必ずボーナスがあって、ゆくゆくは役職がついて、年齢が上がれば上がるほどいい給与がもらえるようになるとお考えではないでしょうか。

答えは正解です。

その理解で間違いはありませんが、具体的に初任給はどのように決まって、昇給は何に基づいてどのように行われているのか。そこまで詳しく知っている人はそう多くないと思います。またこれから公務員を目指す人にとっては、「初任給がどれくらいもらえるのか?」などが気になるところだと思います。

今回は、そんな「公務員の給与や昇給について」、元地方公務員が解説していきたいと思います。

公務員の給与は、安定している?

公務員の給与は「景気に関係なく安定している」、「ボーナスもしっかりしていて高給取り」そんなイメージがあるのではないでしょうか。

公務員のボーナス支給日になると、必ずと言っていいくらいテレビなどのマスメディアでボーナスの平均支給額だとか、民間との比較だとかをとりあげて報道します。

それもあってか、公務員の給与は世間ではものすごくいいイメージがあるように思いますし、実際数字として出てきていたりもするのでいた仕方ないかなとは思いますが、これを鵜呑みにして公務員になって拍子抜けするといった人も多々いると思います。実際に私がそうでした。

私が採用されたときはちょうどリーマンショック直後で世界的に不況の時代であり、その時代でも安定している公務員は特に人気があり、今より競争も激しかったように思います。小学校や中学校、高校時代の友人らが不況で就職活動で苦悩するなかであったので、地方公務員の採用を勝ち取った僕には家族や親族、一部の友人からはもてはやされたり、羨まれたりといったこともありました。

公務員になって・・・初任給手取り額は、12万円

さらに前述のとおりマスメディアでは公務員の好待遇を報道しますので、公務員というものにすごく期待をしたことを覚えています。どれだけいい給与がもらえるものなのかと期待に胸を膨らませて初めてもらった給与の手取り額が「12万円」でした。

これには正直目を疑いました。でもこれが現実なのです。どうにか民間企業に就職し。僕のことを羨んでいた友人らはというとこの2倍くらいの給与をもらっている人も多々いました。実際に公務員であった私が思うところ、公務員となって給与に期待することはやめたほうがいいと思っています。

マスメディアで報道されているようないわゆる「高給」には数字のカラクリがあり、それは現在の公務員の年齢構成が大きく影響していると思います。公的機関に勤める職員はどこも40代や50代の年配の職員比率が高い傾向にあります。

平均年収といった形で公務員の年収を表現することが多々あると思いますが、基本的に年功序列の公務員の給与形態で年配職員の比率が高ければおのずと平均年収は高くなります。

公務員の給与は、俸給表で定められている

また、公務員の昇給は各団体(国家公務員・地方自治体など)で運用する「俸給表」に基づいて決定されます。この表には「級」と「号」があり、基本的に毎年1月1日に4号昇給していきます。現在の級や号によって差はありますが、4号でおおむね5千円から9千円の昇給です。

そして、一定の期間や勤務成績によって4月1日に「級」が上がっていきます。この級が上がることによって役職がついたり、変わったりしていきます。

用語の整理、「給与」と「給料」の違い

給与は基本月給で、給料は、給与に加えて、地域手当などの支給されるものを加えた金額です。手取り額とは、支給される給料からさらに税金などが差し引かれて、実際に手元に入る実金額のことをいいます。税金や社会保険も民間企業と同様に給与から差し引かれます。

公務員の手当について

公務員には必ずといっていいほど「手当」の支給があります。これは公務員にかかわらず、日本の就業先ではよくあるものではないかと思います。

通勤手当や住居手当、宿日直手当、寒冷地手当、地域手当他各所属や地域によってさまざまな手当があります。どこの所属にもある手当で、同じ公務員でも運用や支給の仕方に差がある手当である「時間外勤務手当」についてお話します。

この手当については、企業では就業規則で定められていますが、国家公務員では、一般職の職員の給与に関する法律(給与法)及びその他の法律・人事院規則に定められ、地方公務員は各地方自治体の条例で定められています。

手当の例

<職務関連手当 例>
・地域手当
・特殊勤務手当
・時間外勤務手当
・宿日直手当
・管理職員特別勤務手当
・夜間勤務手当
・休日勤務手当
・管理職手当
・期末手当
・勤勉手当
・義務教育等教員特別手当
・定時制通信教育手当
・産業教育手当
・農林漁業普及指導手当
・災害派遣手当

<生活関連手当 例>
・扶養手当
・住居手当
・単身赴任手当
・寒冷地手当
<人材確保手当 例>
・地域手当
・初任給調整手当
・特地勤務手当
・へき地手当
<その他の手当 例>
・通勤手当
・特定任期付職員業績手当
・任期付研究員業績手当
・退職手当

いわゆる「残業」について

時間外勤務手当とは、通常の勤務時間外に勤務命令を受けて勤務した際に支給される手当で、俗に言う「残業手当」です。これは職員の月額基本給を時給計算して得た単価と勤務時間を乗することによって算出して支給されます。

公務員というと一般的に朝8時30分に出勤して17時15分に退勤できると思われがちですが、そんな職場は本当にごく一部です。

ほとんどの事業所で時間外も勤務し、所属によっては土日祝、早朝に深夜まで仕事をしているなんてところもあります。

そんな場合に支給されるべき時間外手当ですが、これがきちんと支給されないといった事業所もあります。特に私が勤務していたような財政が非常に厳しい自治体などでは、これについて非常に厳しい取り扱いがされていました。

そもそも公務員の給与や手当というのは各事業所の予算の範囲内で支払われています。しかし、財政状況の厳しい自治体などでは人件費などを極力抑えようと、この時間外勤務手当も極限まで減らして予算化されています。すなわち、いくら残業をしても時間外勤務手当の予算が組まれていないので支払ってくれる財布がないのです。

かと思えば、比較的財政的に裕福な団体だと、潤沢にこれが予算化されていますから年収にすると大きな差となって表れてくるのです。

例えば月30時間の残業で時間外1時間あたりの単価が2,000円の場合〔30時間×2,000円×12カ月=720,000円〕となり、これだけで年間数十万円もの年収格差が発生することです。残業代未払いなどが社会問題となっていますが、公務員も例外ではないということです。

公務員の初任給について

公務員の手当について

公務員の初任給は、俸給表と職務経験および修学年数によって決定されます。各団体で若干の違いはあるとは思いますがおおむね同じといっていいと思います。

新卒入社 大卒と高卒について

公務員の受験要綱などにはよく高卒〇×円、大卒〇×円となっていることがあると思いますが、多くの場合これは高卒だからとか大卒だからというわけではありません。公務員は級が変わったり、役職が変わるタイミングの早い遅いかだったりによって同じ年齢での給与の差が発生してきます。

大卒者と高卒者ではこの昇格のスピードによって差別化しているのです。よって、高卒者も大卒者もある一定の役職に就くまでは基本的に同じ給与運用です。募集要項に記載されている大卒の給与は、高卒者が4年間その団体で勤務した時の給与が記載されています。

社会人入社

※国家公務員、地方公務員(各自治体ごと)で計算方法は変わります。ある地方自治体の一例として解説します。

最近では、学生を対象とした新卒者の試験に加え、社会人を対象とした試験も各団体において、盛んに実施されています。社会人採用者の初任給はというと、それまでの経歴によって大きく変わってきます。これは高卒、大卒の新卒者にも共通していえることですが、公務員の初任給は前歴によって大きく変わってきます。

高校や短期大学や4年制大学やそれに準ずる教育機関に所属して学業に励んでいた場合や、他の地方公共団体や採用された職種に直接関係のある業務に従事していた場合だと10割で前歴の俸給計算が考慮されます。

どういうことかというと、5年間そういった団体などに所属して学業や職業についていた場合だと5年間新たに就職する団体で働いたのと同じ扱いが適用されます。これが一般の企業や直接業務に結びつかない職業についていた場合だと7割で前歴が加算されます。

すなわち、5年働いていても〔5年×0.7=3.5年〕となり、3.5年間新たに就職する団体で働いたのと同じ扱いが適用されます。ここでひとつ注意が必要なのが、前歴年数の小数点以下は切り捨てとなるので、この場合3年間新たに就職する団体で働いたのと同じ扱いです。

また、フリーターやニートといった場合だと3割での前歴加算となり、5年過ごしても1年のみ新たに就業する団体で働いたという取り扱いです。このように公務員の初任給は採用までにどのような経歴を積んできたかによって大きく左右されるのです。さらにいうと、大学入試で1年浪人した大卒者23歳よりも、浪人なく高卒を迎え、5年間就業した職員23歳の方が、役職がつくまでの給与は高いということです。
※自治体
今の公務員の初任給決定方法によると、高卒にしても大卒にしても、現役で公務員に就職するのがもっとも高い方法になるといえ、社会人などの中途採用者にとっては厳しい決定方法となっているのが現状です。

例)浪人なく大学卒業し、現役で一般企業に就職して14年間勤めて公務員に転職した37歳の場合。

14年×0.7+大学卒業までの年数22年=31.8
となり、小数点以下切り捨てなので、31年です。よって、高卒あるいは大卒現役で公務員となった31歳の職員と同じ給与ということです。

各団体によりますが私の勤めていた役所だと、月額基本給がおおむね23万円程度です。37歳で23万円の基本給ですから、一般企業と比較したらお世辞にも高給とは言えないですよね。公務員に転職を考える人はこういった大幅な収入減となることも往々にしてあることですので、そういったことも勘案して判断する必要があります。

公務員に転職を考えている場合の裏技

これまで述べたとおり、公務員の初任給は前歴によって決定されます。その前歴を10割にする裏技をご紹介します。あくまでも将来的に公務員に転職を考える人のためのものです。それはどこでもいいので、大学や短期大学に籍を置くということです。これらに所属すると10割で前歴が加算されることはこれまでも述べてきたとおりです。

「でも、大学に進学したら、学費とかで全然、割りに合わないのじゃないか」とお考えでしょうがここからが盲点です。

大学や短期大学の科目等履修生や通信制大学だとこの費用が大幅に圧縮でき、実際に単位を取得しなくても、在学していれば10割で加算されますので、所属するために必要なお金だけでいいということです。実際に私が所属した通信制大学だと年額3千円の登録料だけで所属できます。いったんは一般企業等に就職しても、ゆくゆくは公務員になりたいとお考えの人には、初任給を下げないという点において、考える余地があります。

まとめ

世間からの公務員を見る目は厳しい世の中です。不祥事があればこれでもかというほど叩かれますし、マスメディアが誇張して待遇を報道すれば、妬まれます・・・

さて、最後に、話題になったジョークをご紹介します。

ベッカムが叱咤激励にコーヒーを差し入れてもらえるのがイギリスの消防士、市民から火災現場に感謝の念を込めてスターバックスコーヒーを差し入れてもらえるのがアメリカの消防士、市民から火災現場に「がんばれ消防士」の横断幕を掲げられるのが香港の消防士、消防車両に乗ってコーヒーを飲んでいたら119番に市民から抗議のクレームが入るのが日本の消防士・・・

これを聞いて感慨深く思いました。

それくらい日本という国は公務員に対しての見方が特異のように私は感じています。

そんななかで、決して高いとは言えない、特に若年時には気の毒なほどに安い給与で、地域住民の期待に応えなくてはならない大変な職業ですが、税金で事業を遂行して責任ある業務を担う唯一無二の職業で、やりがいは計り知れない職業、それが公務員だと思います。

※付記

本記事について、公務員に対するネガティブな表現が見受けられますが、本人の体験談をまじえての内容であり、公務員という職を応援したいというメッセージが込められている記事として、公務員総研では、解釈し配信しています。

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