【きれいな街をつくります!】地方自治体の公園課のお仕事とは?

街の憩いの場として、また子供たちの遊び場として利用される公園。この公園を始めとした街の環境整備に関する業務を行っているのが、自治体の公園課です。私たちの生活の中でも身近な存在となっている、公園課のお仕事について触れてみました。


市役所の公園課のお仕事内容を見てみよう

行政組織の建設に関する局に属している

市町村の行政組織は、業務内容によって様々な局や室に分かれています。例えば、市町村内の上下水道に関する事なら水道局、観光に関する事なら観光局が担当しています。また、行政組織の名前は各自治体によって異なりますし、市町村の規模によっても局や室の数は上下します。

公園課は、市町村の組織の中で「建設局」など、主に市町村内の設備の建設に関する部署に属している事が多いです。例えば、宮城県仙台市なら「建設局」内の「百年の杜推進部」の3つの部署の内のひとつが公園課です。建設局の中には、下水道設備の建設を担う下水道事業部や下水道管理部、道路建設の計画や管理を行う道路部などがあります。

公園課の主なお仕事とは?

大きく分けて「管理」と「建築」の2つの部署に分かれる

公園課の業務内容は、大きく分けて「公園緑地を始めとした市町村内の管理」と、「公園緑地の整備や建設」の2つに分かれます。前者は「施設管理係」後者は「整備係」「建設係」などの名称がついている事が多いです。

宮城県仙台市の例を挙げると、公園緑地などの管理は「公園課施設管理係」、公園緑地の建設や整備は「公園課建設係」が行っています。本項では、この名称で公園課のお仕事に就いて説明していきます。

公園課・施設管理係のお仕事を見てみよう

公園緑地の設置や変更、廃止、借用に関する事

新しく公園緑地を作る、区画変更をする、公園をなくすなど、公園緑地を増減させる時や変更する時に関する管理業務を行います。また、公園緑地として使用する土地の借用など、本来の土地の帰属に関する業務も行います。

公園緑地の維持管理

公園は多くの人が安心して利用できるように、いつでもきれいな状態にしておかなければいけません。公園内のごみの清掃、植木の剪定など、公園緑地に関する管理を行います。また、市民から公園内に不審物があったなどの通報があった時にも対応をします。

公園管理基準の制定

市町村内には大小さまざまな規模を持つ公園緑地があります。それぞれの公園の利用目的や規模によって管理基準は異なってきますが、その管理基準の総括も行います。

街路樹の維持管理

公園緑地だけでなく、街路樹に関する事も公園課のお仕事です。街路樹は街の景観だけでなくきれいな空気を排出してくれるエコの面でも重要な設備です。伸びてしまって道路や建物にかかってしまっている街路樹の剪定や、新しい街路樹の植栽を行います。また、街路樹に大量の落葉が出る秋の季節には、落葉の清掃も行います。また、街路樹の剪定に関する技術力の確保や外注業者を利用する場合の依頼なども行っています。

なお、道路管理や建設など、道路に関する事全般は道路局など他の部署のお仕事ですが、道路の植栽は公園課のお仕事となっています。

運動公園や海岸公園などの総括

市町村内には、スポーツ設備も併設されている運動公園、観光名所としても人気の海岸公園などがあります。これらの無料の規模の大きい公園に関する管理や総括も行います。施設内の管理はもちろん、公園を使用したイベント開催時に許可が欲しい時にも、公園課が窓口になります。

有料公園施設の総括

市町村内には、街の中にある公園の他にも有料の公園もあります。有料の公園は広大な敷地内にキャンプ設備があったり、アスレチックが楽しめたりなど、それぞれの公園で特色を持っています。有料公園設備の総括も、公園課が行っています。


公園課・建設係のお仕事を見てみよう

公園緑地の整備予算に関する業務

公園緑地の整備の予算管理や、予算に応じた整備計画の立案など、予算に関する業務を行います。

公園緑地に関する都市計画事業の認可や国庫補助事業の総括

各市町村には、どのような街づくりを行うかについて計画する「都市計画」があります。都市計画に基づいて公園緑地を設置する際の認可を行います。また、公園緑地に関する国庫補助事業の総括も行っています。

公園緑地の整備及び整備計画

公園緑地がいつでも安全に使える為に、管理と共に整備も行わなければいけません。管理を公園課・施設管理係が行い、整備は整備係が行います。

公園内の遊具やベンチが壊れていないか、汚れていないかなどを始めとした公園の整備を行う他にも、市町村の各公園を整備する計画の立案をします。また、公園設備に関する技術力の確保や、外注業者に委任する時の手配も行います。

大規模な公園の工事

公園内の設備の大幅なリニューアルなど、場合によっては大規模な公園の工事が必要になります。この公園の工事も整備係のお仕事です。

公園緑地の取得

新しく公園をつくる時や、区画変更による土地の取得が必要な時、土地の取得については整備係が行います。

その他の公園課

市町村によっては、施設管理係、整備篝だけでなく海岸公園係、代表的な公園がある時にはその公園の専用係がある事があります。

市町村の公園課職員になるには?

常勤職員の場合

公園課職員は、自治体の役所に所属する地方公務員です。その為、常勤職員の場合地方公務員試験を受けて採用されなければいけません。

公園課職員も含めて、常勤職員の採用時期は自治体によってまちまちです。退職する職員が大量にいる時には、臨時採用が行われる事もあります。自分が働きたい自治体の常勤職員採用については、市町村のホームページ内の、職員採用に関するページにアナウンスがされていますので、常にチェックするようにしましょう。

学歴によって受験する公務員試験が異なる

地方公務員試験は大学卒業程度、短大卒業程度、高校卒業程度の3つの難易度に分かれています。募集要項に書かれている公務員試験の内容は、上から「Ⅰ種」、「Ⅱ種」、「Ⅲ種」と呼ぶ事もありますし、そのまま「大学卒業程度」「短大卒業程度」「高校卒業程度」と記している事もあります。

受験する試験の難易度を学歴で示しているので、その学歴を修了していなくても大丈夫です。例えば、高卒の人が大学卒業程度(もしくはⅠ種)の採用試験を受験する事もできます。

また、難易度によってその後の給料額など待遇が変わる事が多いです。

公園課は、事務系と技術系の募集がある

市町村の公園課の業務は、大きく分けて事務系と技術系があります。

事務系は、公園課の窓口業務など事務作業が主になります。正確さが求められる職種でパソコンスキルやコミュニケーションスキルも必要になります。また、毎日同じ業務をこなす事もあるので、コツコツと同じ作業をする事が苦にならない人にも向いています。

一方で、技術系は土木や重機の操作などが必要になる、肉体労働系の職種です。公園課のお仕事の中には、直接公園の設備を修繕したり、樹木や街路樹の剪定を行ったりする事もあります。ですので、技術系の常勤職員募集に応募すると、公園課に配属になる事もあります。


事務系の常勤職員募集の場合には、一般教養試験や論述試験、作文の他に面接が行われます。技術系の常勤職員募集には、数学や測量などの専門的な技術力や知識が測られる試験や作文、面接が行われます。

非常勤職員採用の場合

公園課の職員採用は、任期付きで非常勤職員の採用が出る事も多いです。なぜなら、新しい都市計画に沿って公園の増設や廃止が決まった時には、それに伴った人員が必要になるからです。また、公園課の常勤職員が産休育休を取得した場合、その産休育休の間だけ非常勤職員として働く人を募集する事もあります。

任期付きの為、限定的な働き方となりますが公園課のお仕事に興味のある人は、非常勤職員募集に応募するのも有効です。非常勤職員採用も、常勤職員採用と同じく自治体のホームページの職員募集に関するページに記載されます。また、ハローワークや求人サイトなどでも募集される事があります。

いずれの場合でも、行政の職員である公園課の職員は人気となっていますので、募集を見逃さないようにしましょう。

採用後、公園課に配属になるチャンスはたくさんある

地方公務員採用試験に合格して行政の職員になっても、公園課に最初に配属になるとは限りません。けれども、行政の職員はだいたい3年から5年のサイクルで、色々な部署に人事異動になるようになっています。なぜなら、同じ部署に同じ人員が固まるのではなく、色々な部署を経験する事によって色々な対応ができる行政の職員の能力を身に付ける事、内部組織の風邪通りを良くする事などを目的としているからです。

行政の職員として働き続ければ、公園課に配属になるチャンスはいずれやってきます。逆に、公園課に配属になっても定年まで公園課にいる、という事はないのも覚えておきましょう。

公園課の職員、こんな人が向いている!

地域の為に貢献したい人

公園課の職員を含め、行政の職員を目指す人は「生まれた街に貢献したい」「地元の為に役に立つ仕事がしたい」という志望動機を持っている事が多いです。地元で安定した職業に就きたい人や、地域の為の貢献がしたい人にも人気です。

これに加えて、公園課はより市民との距離が近い部署です。公園緑地や街路樹など、市民の生活のすぐそばにある設備を管理もしくは整備する仕事ですので、地域の為に働きたい!という方にはうってつけと言えます。

培った技術力や経験を仕事として生かしたい人

公園課は、事務系だけでなく技術系の職員も求められている部署です。高校や大学で建設や土木に関する事を学んだので、それを生かして働きたい人や、重機や土木作業を行う一般企業で働いていた人が、その経験を生かして働きたい時にも向いています。

残業も苦にならない人

公園課も含めて行政職員の仕事は、9時から17時までの定時出勤・定時退社が当たり前と思っている方も多いですが、部署によって差はあるものの、行政職員は残業が全くないという訳ではありません。多少の残業があるのは当たり前と思っておいた方が良いでしょう。

仕事と家庭を両立したい人

女性で、結婚してもずっと働きたい人や、子供を育てながらも活躍したい人に、公園課も含めた行政職員は向いています。産休育休制度や時短制度もきちんと整備されています。

幅広い年齢層の人とコミュニケーションが取れる人

公園課の職員は、設備の点検や管理状態の把握の為の公園を訪れる事も沢山あります。その時に、公園を利用している市民から話しかけられる事も多いです。学校を終わって遊ぶ小学生たちや、小さい子供を遊ばせるお母さん、散歩や会話を楽しむシニア世代の方まで様々です。幅広い年齢層の方と分け隔てなく話せる、コミュニケーションスキルがあるとなお良いでしょう。

まとめ

私たちの住む街の公園や道路、街路樹がいつでもきれいな状態になっているのは、公園課の職員の方々の活躍によるものである事が分かりました。意外と知られていない公園課のお仕事を通じて、地域の環境整備を考えてみるのも良いかもしれませんね。

(文:千谷 麻理子)

本記事は、2017年11月22日時点調査または公開された情報です。
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