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日本の法律の基礎である「六法」とは何か?「六法」の基本入門

日本には膨大な数の「法律」があります。今回は数ある法律のうち、最も基本的な法律である「六法」について解説します。六法とは、憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の6種類の法律を意味しています。

2018年01月12日更新

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目次
六法とは法律の基礎となる6種類の法律
法律は大きく「公法と私法」に分類できる?
1)憲法について
2)民法について
3)刑法について
4)商法について
5)民事訴訟法について
6)刑事訴訟法について
まとめ
日本の法律の基礎である「六法」とは何か?「六法」の基本入門

六法とは法律の基礎となる6種類の法律

六法とは、日本において全ての法律の基礎となる「憲法」、「民法」、「刑法」、「商法」、「民事訴訟法」、「刑事訴訟法」という6種類の法律のことで、この六法を知らずして法律を語ることはできない基本法です。

「六法」というとぶ厚い「六法全書」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、六法全書にはこの六法が全て記されています。つまり、6種類しかないと思うと少なく感じてしまいますが、あの六法全書に記されていることを思うと膨大な数があり、それにともない知識が必要であることが分かりますよね。

ここでは六法とは、「どんな内容で」「どのような効力を持っているのか」という基本中の基本を解説していきます。

法律は大きく「公法と私法」に分類できる?

「法律」とは、社会のルールとなるもので、その数は総務省行政管理局のデータによるとおよそ8000もの法律があると言われています。

この膨大な数の法律が個人に適用されるものばかりではなく、会社に適用されるもの、国に適用されるものなど大きく以下の2種類に分類することができます。

公法(こうほう)

公法とは、国や公共団体などを規律するための法律で、公の機関が関わる法律のことです。憲法や刑法は公法にあたります。

私法(しほう)

私法とは、私たち日本国民について定められた法律であり、個人の権利や義務などが定められています。私法のなかでもより一般的なことを定めたものを「民法」、働くうえでの商事の基本を定めたものを「商法」として分類することができます。

1)憲法について

憲法とは?

憲法とは、日本における基本的人権や思想の自由など、国の仕組みを定めているものです。法律は国家権力が国民を律するものですが、憲法は国家権力を律することで国民の権利や自由を守るためにあります。

憲法は、言わば国の大黒柱のようなもので、憲法が存在することで、この日本という国が存在しているといっても過言ではない国の重要な指針です。

憲法は、厳密に言うと法律とは異なり、法律は憲法で定められている内容に沿ったものを作らなければならず、憲法で定められている内容に反する法律は無効とされます。つまり、全ての法律は憲法の上に成り立っているのです。

憲法を理解するための3つのキーワード

日本国憲法は、「基本的人権の尊重」「平和主義」「国民主権」を三原則としていて、その主な内容は以下の通りです。

キーワードその1:基本的人権の尊重

基本的人権は、日本国憲法の第13条にて「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定められています。

人間が人間らしく生活するための権利は、生まれた時から持っているものであり、それは永久に失われることはありません。奴隷的拘束を受けたり、思想の制限を設けられたり、働いて稼いだ金銭を奪われるなど、自由に生きるための権利も保障されています。憲法25条にはこうも定められています。「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と。これは日本国民として生きる限り、最低限の生活の保障(生活保護)と生存権を保障するというものです。

また、基本的人権の尊重のため、憲法に定められた権利が侵害されないように、司法機関である「裁判所」に「違憲立法審査権」が与えられています。

キーワードその2:国民主権

国民主権は、日本国憲法の第1条にて「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と定められています。

現在の日本では、国民が国の政治の主権者です。選挙で国の代表である国会議員を選出し、民意を反映することで国民も政治に参加しています。大日本帝国憲法では、主権が天皇にあると考えられており、国民は天皇の考えに賛同するだけの臣民とされていました。

また、国民主権を実現するために、国民の声を反映する国権の最高機関を「国会」とし、内閣は国会に対して連帯責任を持つ「議院内閣制」を採用しています。

キーワードその3:平和主義

平和主義とは、日本国憲法第9条にて、戦争の放棄と戦力の不保持することを定め、徹底して平和主義をとることを定められています。→主語述語ねじれ?

また、思想の自由や学問の自由などの「自由権」、選挙に参加するための「選挙権」、教育を受ける権利や労働する権利などの「社会権」など、私たち国民が日本という国で安心・安全に暮らすための権利が定められています。

憲法は「国家」を規制するための法律を越えたルールです。

日本の法律は、私たち国民の権利や自由を制限することで社会の秩序を守るためのルールです。

憲法も同じく国民のためのものと考える方が多いかもしれませんが、根本的には、国家権力者の横暴を制限するためのルールであり、このルールがあることで私たち国民の権利や自由が守られているのです。

2)民法について

民法とは?

民法とは、「民」、いわゆる市民を主体として、生活に関する法律の基本を定めたものです。

私たちが社会で生活するためには基本的なルールが存在しています。

例えばあなたが購入した本はあなたの所有物となり、他の人が無断で使用することはできませんよね?

このように民法では、私たち日本国民の個人的な身分や財産について定めています。私たちが社会で安心・安全に暮らすためには、人と人との間に秩序が必要です。

民法を理解するための3つのキーワード

民法では、「権利能力平等の原則」「私的自治の原則」「所有権絶対」を三原則として、以下のような内容が定められています。

キーワードその1:権利能力平等の原則

「権利能力平等の原則」とは、日本国民は国籍や階級、職業、性別などにかかわらず、すべての人は等しく権利を持つという意味です。

キーワードその2:私的自治の原則

「私的自治の原則」とは、個人の指摘法律に国家は口だしをせず、個人の意思を尊重するというものです。契約をするか否かを決める権利や契約の相手を自由に決められる権利を含めた「契約自由の原則」、他人に損害を与えてしまった時の責任の有無を決める「過失責任の原則」などです。

キーワードその3:所有権絶対の原則

「所有権絶対の原則」とは、公共の福祉を反さなければ、自分の所有物を自由に使用したり処分することができるという原則です。かつては貴族や武将などが、力の強さで土地の所有権を奪うことができましたが、そういったことは一切なくし、土地の所有権は保持しているものに帰属すると定めています。反対に手放すことも自由です。

3)刑法について

刑法とは?

「刑法」は、どのようなことが犯罪になるのか、また犯罪に対してどのような刑罰を下すのかを定めた法律です。

ただし、刑法に記されている犯罪を犯した人が居たとしても、個人が刑罰を下すことは認められていません。刑法は、国民が犯した罪に対して、国家がその罪を裁くという関係性があって成り立っています。

刑法では「日本国内で犯罪を犯した者に適用する」と定められているので、国内で外国人が罪を犯した場合でも刑法は適用されるうえに、日本の船舶や航空で犯罪が起きた場合でも適用されることになっているため、イギリス上空を飛ぶ航空内で外国人が犯罪を犯した場合も日本の刑法が適用されます。

刑法を理解するための2つのキーワード

刑法には、「犯罪」と「犯罪を犯した者への刑罰」について記載しています。

キーワードその1:「犯罪」について

「殺人をしてはいけない」「窃盗をしてはいけない」という私たちにとっては当たり前のものとなっていて「犯罪」についての記載がされています。

殺人も窃盗も普通であれば言われずとも「やってはいけない」と自制できるものですが、法律としてはっきり明記することで、「犯罪」と「犯罪でないもの」を区別しています。この区別があることで私たちは活発に活動できるとも捉えることができます。

キーワードその2:「刑罰」について

「刑罰」とは、刑法で定められた「犯罪」を犯してしまった者を裁くための法律です。

刑罰には、犯してしまった犯罪を罰するという目的と、刑罰があることによって犯罪を抑制する狙いがあります。

刑罰にはいくつか種類があり、一番重いものは重大な犯罪を犯したものを処刑によって罰する「死刑」です。

先日も 年ぶりに死刑が行われたことで多くの人々の関心を集めましたが、死刑は「死刑である」と確定した犯罪者であれど簡単には執行できるものではありません。「冤罪の可能性はないか?」「死刑ではなく無期懲役に減罰する可能性はないか?」などあらゆる可能性を考慮し、執行されます。

このほかにも、「懲役」と呼ばれる一定の期間刑務所に収容される刑罰や「罰金」と呼ばれる違反した行為に相当する金額を支払う刑罰もあります。

4)商法について

商法とは?

「商法」は、株式会社などの企業や商取引について定められていて、民法のなかでも特別な法律です。

商売を行う商売人や企業に適用される法律で、どのようなことが「商行為」なのかなどが定められています。

5)民事訴訟法について

民事訴訟法とは?

「民事訴訟法」とは、民事訴訟について定めた法律です。民事訴訟とは、個人間のトラブルを訴訟することで裁判所で解決する行為です。民事訴訟には「給付」「確認」「形成」という3つの訴えがあります。

例えば「知人にお金を貸したのに返してもらえない」などの損害賠償請求は、「お金を返してほしい」という「給付」の訴えです。とある土地の持ち主をAとBが競った場合、「どちらがその土地の持ち主なのか確認したい」のは「確認」の訴えであり、妻が離婚を願い出るも夫がその願いを却下した際に、妻が「離婚したいことを公的な場所で発言する」ことは「形成」の訴えです。

6)刑事訴訟法について

刑事訴訟法とは?

刑事法の「刑罰」は、犯罪者へ実行する刑罰の種類について定めていましたが、「刑事訴訟法」は、犯罪を犯した者へ刑罰を与えるための手順が記載されています。

犯罪を犯したものを逮捕するためにはあらかじめ発した逮捕状が必要である、現行犯である場合は逮捕状は必要ではないといった「逮捕のための条件」だけでなく、起訴されたっ被告人は黙秘する権利がある、拷問や脅迫によって強要された被告人の自白は証拠とすることができないなど「被告人の権利」についても記載されています。

まとめ

今回は全ての法律の基盤となる「六法」について解説しました。

六法に記載されている内容は、日本で生きる上で私たち国民も理解しておくべき大切なものです。なんとなく理解していた「六法」について、今一度理解を深めておきましょう。

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