日本の三権分立のうち「行政」を担う「内閣」が持つ権利や役割とは?

日本の「内閣」は、三権分立のうち「行政」を担当している日本の政治において欠かせない組織です。そんな内閣では、どのような仕事が行われ、どのような職の人が働いているのでしょうか? 今回は、その役割や権利、内閣を組織する人物がどのようなものか解説していきます。

「内閣」とは三権分立のうち「行政」を担う機関

日本では国の権力を司法・立法・行政の3等分し、それぞれがチェックをしあう「三権分立」という仕組みを取り入れています。内閣は、三権分立のうち「行政」を担う国の最高機関で、1885年にヨーロッパで政治を学んだ伊藤博文によって組織されたのが始まりです。

「行政」は、「政治」を「行う」ということ、つまり、立法機関である「国会」で決められた法律や予算に基づき政治を行うことを意味しています。日本の政治システムにおいて、法を司る司法機関、法律をつくる立法機関とは異なり「法」に国家を運営する一番だ規模な国の運営組織として運用されています。行政を担う内閣は、国民にとって必要な法律案を検討国民が納めた税金の使い道を決める「予算案」を国会に提出する、外国と条約を結ぶなどの国の仕事を担っています。

また、日本の内閣は、行政の最高意思決定機関として国政に関わる重要な事柄を決定し、行政を担う中央官庁各省を統括しています。内閣のトップである内閣総理大臣は国会議員から選出され、行政の最高責任者となります。また、国会は内閣に対して連帯責任を負っています。この仕組みを「議院内閣制」といいます。

内閣は「国会」に対して連帯責任を持つ

三権分立のうち内閣は「行政」を担う最高機関ですが、国会は「立法」を担う国の最高機関として組織しています。三権分立において、内閣は国会に対し「衆議院の解散」の権利を持ち、国会は内閣に対し「内閣大臣の不信任」と「内閣総理大臣を指名」する権利があります。

内閣は「裁判所」に対して任命権を持つ

三権分立のうち裁判所は「司法」を担う最高機関です。内閣は裁判所に対して「裁判官の指名・任命」の権利を持ち、裁判所は内閣に対し「違憲審査」の権利があります。

詳しくは以下の「日本の政治システム「民主政治」とは? 民主主義や三権分立」をご覧ください。

日本の政治システム「民主政治」とは? 民主主義や三権分立

内閣は「内閣総理大臣」と「国務大臣」からなる組織

日本の内閣は、内閣総理大臣と国務大臣で構成されており、どちらも特別職国家公務員です。その下に、13の省庁と1府が存在します。

内閣総理大臣は、国会が国会議員のなかから指名し、天皇が任命します。指名される国会議員は、通常であれば衆議院議員の党首です。

国務大臣とは、一般的には「閣僚(かくりょう)」とも呼ばれ、内閣総理大臣が指名し、天皇が任命します。指名される国務大臣の多くは、各省庁の官庁が多く、過半数は国会議員でなければならないと定められています。また、国務大臣の数は14~17名までと決められています。

詳しくは以下の「【総理の仕事(2)】内閣総理大臣の仕事や給料、なる方法」をご覧ください。

【総理の仕事(2)】内閣総理大臣の仕事や給料、なる方法

内閣の主な仕事は6つ

日本の内閣は、「行政」の最高機関として、法律や予算にもとづいて政治を行うことが仕事です。

日本の内閣が行う政治に関する仕事は数多くありますが、そのなかでも主となる6つの仕事を解説します。

1つ目「条約の締結」

日本の内閣は、外国との交渉を行う外交権を持っており、外国と条約を締結する権利があります。ただし、条約を締結するには国会の承認を受けなければなりませんが、過去に国会が条約の締結を不承認したケースはありません。

2つ目「政令の制定」

日本の内閣が憲法や法律を規則として実施するためにする命令を「政令」といい、行政が命ずる命令のなかで最も優先されます。ただし、罰則や権利を制限することはできません。

政令は閣議によって決定したのち、内閣総理大臣と主任の国務大臣が連署したのち、天皇が発布することで制定されます。

3つ目「予算案の作成」

憲法により予算案は、内閣のみが作成することができます。予算案は各省庁の見積書を財務省がまとめ、内閣の閣議で決定したのちに国会に提出します。

4つ目「天皇の国事行為に対する助言と承認」

日本の内閣は、天皇が形式的に行う「国事行為」に助言と承認を行います。天皇は国の政治に関する権限を持っていないため、内閣が助言と承認を行うことで、その責任を負っています。

5つ目「裁判官の指名」

日本の内閣は、最高裁判所の長官の指名とその他の裁判官を任命する権利があります。これは三権分立にもとづいており、内閣が指名した後、天皇が任命します。

6つ目「衆議院の解散」

日本の内閣は、任期4年を前に衆議院議員を全員辞めさせる=解散する権利があります。解散を行うと総選挙が開催され、定数となる475人を選び直します。

衆議院総選挙後に行われることの多い「内閣改造」について

「内閣改造」という言葉を目にしたことがあっても、正しく意味を理解していない人も多いのではないでしょうか?

内閣改造とは、内閣総理大臣が国務大臣を総入れ替えすることで、入れ替わった後の内閣を「改造内閣」といいます。

内閣改造は、衆議院総選挙の後に行われるケースが多く、なぜそのタイミングで行われるかというと、内閣を一新することで国民の注目度を高める目的のほか、総選挙により集まった世論を反映さる、政権内の対抗勢力を味方につける目的で行われます。

内閣と各省庁の関わり

日本の内閣は、内閣官房や内閣府に加えて、文部科学省や農林水産省などの13の中央官庁で組織されており、1府12庁と呼ばれています。そして、各部門のトップを務めているのが閣僚とも呼ばれる「国務大臣」です。

ここでは日本の内閣を組織する各省庁を簡単に解説していきます。

内閣のサポートを行う「内閣官房」

内閣官房は、「内閣のサポートを行う機関」であり、閣議の準備や資料の作成をなどを行います。内閣官房のトップは「内閣官房長官」と呼ばれる国務大臣で、内閣の発表担当のため、内閣に関する情報がニュースで発表される際は内閣官房長官が行います。内閣官房長官は、内閣総理大臣のサポートをすることも多く、総理の右腕とよく表現されます。

他の省庁ができないことを担当する「内閣府」

各省庁は「教育」や「外交」など専門分野を扱っていますが、時に各省庁の分野ではない問題が生まれることがあります。そんな時に各省庁に代わって問題を解決に導くのが内閣府です。これまで原子力損害賠償や少子化対策、沖縄・北方領土対策、クールジャパン戦略などを行っており、それぞれに「内閣府特命大臣」という特別な国務大臣が置かれます。そのほかにも、内閣のサポートや各省庁の調整を行うのも内閣府の仕事です。

このほかにも、外交を行う「外務省」や教育や文化の推進を行う「文部科学省」などさまざまな省庁が存在します。

各省庁に関する詳細は「【公務員になりたい人保存版】日本の中央省庁一覧まとめ解説」をご覧ください。

【公務員になりたい人保存版】日本の中央省庁一覧まとめ解説

まとめ

今回は日本の政治を行う「内閣」について解説しました。内閣とはどんな組織であり、内閣と国家公務員の働く省庁との関係などについて理解できたでしょうか? 将来、内閣総理大臣や国会議員、官僚を目指す方は内閣の持つ権利と役割はしっかりと理解しておきましょう。

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