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【119番の謎にせまれ】消防署や消防職員に関する豆知識まとめ

子どもの憧れの職業としても挙げられる「消防士(消防官)」。実は、大人の消防ファンも多いのです!今日は、消防ファンの人もそうでない人も知りたい、消防署や消防職員に関する豆知識をまとめてみました。いつも何気なく目にしている消防署や消防職員の見る目が変わるかもしれませんよ。

2018年03月01日更新

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目次
消防署の豆知識
消防職員に関する豆知識
その他の豆知識
まとめ
【119番の謎にせまれ】消防署や消防職員に関する豆知識まとめ

消防署の豆知識

かつての「すべり棒」 今はもうない

消防士を題材としたドラマなどに出てくることも多かった、出動時に消防士が棒から滑り落ちてくるシーン。あのシーンで移動手段として使われている棒を「すべり棒」と呼びます。

かつてどの消防署にも備え付けられていたすべり棒ですが、今ではすっかりその姿を消しました。その理由はふたつあり、ひとつめがすべり棒を使用した出動時、足を挫いてしまったり手を滑らせて落ちてしまったりと、怪我が多発したためです。そしてもうひとつが、実はすべり棒よりも普通に階段を使用して降りたほうが早かったからです。

今はすべり棒の代わりに階段の手すり中央に、降りる時の動線が膨らまないように握って回りながら降りれる棒を設置するなど、各消防署で色々な工夫が行われています。

消防署の入口にある「かけつけ電話」とは?

消防署によっては、玄関付近に「かけつけ電話」などの名称で受話器が備え付けられていることがあります。これは、夜間などで消防署が閉まっている時間帯に、消防署に用事があって訪れる市民と内部にいる消防職員が会話できるようになっている電話です。

かけつけ電話を使用した案件で、特に多いのが「指輪が抜けなくなったので切って欲しい」という申し出。他の火災や救助案件は119番通報が圧倒的に多くなっています。

消防職員に関する豆知識

出動がない時には何をしているの?

各自治体の消防署にて勤務する消防職員の主な任務といえば、火事や救助、救急案件が発生したら指令に従い出動し、鎮火や救助、救急活動を行うことです。それでは、これらの出動要請が全くなかった時には何をしているのでしょうか?

出動がない時にも、各消防署ごとに一日の勤務の中でやるべき事が時間で決まっています。朝の点呼やミーティングに始まり、消防車両や装備の点検や清掃、トレーニングや訓練などです。いつ出動要請が来ても迅速に対応できるように、万全の態勢を整えているのです。それ以外にもデスクワークもあります。

それ以外にも「署外活動」と言って、幼稚園や学校などに赴き防災教室を開く、地域住民のための防災訓練への参加をする、救急救命講習を開く、消防車両や救急車の展示や乗車体験ができるふれあい教室を開く、など防災や消防活動の啓もうのための活動も行っています。

逆に、出動要請が重なりトレーニングなどを行う時間が取れなかった時には、夕方のトレーニングの時間を早朝にずらすなどの工夫を行い、時間管理をしています。

返事は「はい」ではなくなぜ「良し!」なのか

消防職員の返事はどんな時でも「はい」ではなく「良し!」です。消防職員を描いた漫画やテレビドラマなどの作品で、隊長の命令に隊員が「良し!」と返事するシーンを見た事がある方も多いのではないでしょうか。これは、消防職員採用試験に合格し、消防学校へ入学するとすぐに「返事はいつでも良し」と習います。

これは、火災や救助、救急の現場では指揮官の命令が絶対であることと、返事が一瞬でも遅れたり、命令に対する返事をためらったりすることが、人の命に係わるからです。命令に対してすぐに「良し!」と返事し、ただちに行動を起こさなければいけません。現場で「要救助者の検索を実施しろ!」と言われた時から、消防署内で「訓練が終わったら昼食にしよう」と言われた時まで全て返事は「良し!」です。

勤務中の食事はどうしているの?

日本の消防職員は、勤務中に外食のために出かけたり、コンビニエンスストアやスーパーなどで食事を購入したりするのが禁止されています。これは、外出している時に緊急出動要請が入った時に初動が遅れること、消防職員が勤務中に食事をしている姿を見られるのは、「市民の手本」である地方公務員にあるまじき姿である、という意見があるから、という理由から来ています。なので、消防職員は勤務中全ての食事は消防署内で済ませます。

食事は、自分で作ったり奥さんに作ってもらったお弁当や、出勤前にコンビニなどに立ち寄って購入したものを持参したり、出前や宅配弁当を皆で注文したりします。中には食材購入のためのお金を出し合って、消防署内の台所を使用して自炊する消防署も少なくありません。実際に、消防署内には先輩から後輩に伝授される、消防署伝統のカレーや豚汁などの秘伝レシピがあることも。

女性職員は活躍しているのか?

女性の社会進出が進み、今では消防組織の中で活躍する女性の数も多くなりました。現在の消防組織全体を見ると女性職員は増加傾向にあり、火災現場で消火活動をしたり、消防車両の運転を担う機関員として活躍したりもしています。

とはいえ、体力的・体格的な面を見てみると女性はどうしても男性に劣ってしまうため、女性は消防組織の中でも予備課や司令部など、主に事務方を担う傾向にあります。

女性職員でも男性職員と同等に活躍できるように、消防署内には女性職員が当直勤務の時に利用できる鍵付きの個室を設ける、浴室やトイレは全て個室の中に完備している、などの工夫も行われています。

また総務省消防庁以下各自治体の消防本部では、消防職員を目指す女性のために門戸を広げる色々な取り組みを行っています。

参考:
総務省消防庁 女性消防吏員の活躍推進
http://www.fdma.go.jp/disaster/josei_souboriin_katuyaku_suisin/index.html

埼玉県央広域消防本部 女性消防職員からのメッセージ
http://www.ken-o.or.jp/firehead/information/recruit/message/jyosei.html

堺市消防本部 女性消防職員の活躍
https://www.city.sakai.lg.jp/smph/kurashi/bosai/shobo/shokai/joseisyoubousyokuinn.html

その他の豆知識

東京の消防組織だけなぜ東京「消防庁」なのか

消防組織で「消防庁」とつく組織は実は2つあります。国の消防組織のトップにあるのが「総務省消防庁」です。消防組織に関する省令制定を始め、消防組織を統括する存在です。

もうひとつ「東京消防庁」があります。東京消防庁は、東京都を管轄とする消防組織です。両方とも「消防庁」がつくのでふたつを混同してしまう方も多いかもしれませんが、全く別の組織です。厳密にいえば総務省消防庁の下に東京消防庁と他の自治体の消防局や消防本部があります。

では他の自治体は「○○市消防局」もしくは「○○市消防本部」などの名称ですが、なぜ東京のみ「東京消防庁」を名乗っているのでしょうか。これは2つの理由があります。ひとつは、東京消防庁が他の自治体の消防組織よりも規模が大きいため差別化を図っているからです。東京消防庁は日本で一番規模の大きな消防組織ですが、その規模は第二位の横浜市消防局の5倍にも及びます。

もうひとつの理由が、警察組織と同等に扱うべき、とされたからです。元々警察と消防組織は同一でしたが、警察組織から消防組織が後に分離します。当時に発足した東京の消防組織は「東京消防本部」という名称でした。ところが、戦後GHQからの「警察と消防は同格にすべき」という意見が寄せられました。国の警察組織トップは「警察庁」東京都の警察組織は「警視庁」です。これに従って、東京の消防組織も「庁」扱いにするべき、ということで「東京消防庁」の名称になりました。

ちなみに、警察組織のトップは「警視総監」ですが、これに合わせて消防組織のトップも「消防総監」です。

119番はなぜ119番になったのか?

火災や救急など、消防への緊急通報ができるダイヤルは119番です。それでは、なぜ119番になったのでしょうか。

元々、消防の緊急通報ダイヤル番号は112番でした。これは、消防の緊急通報ダイヤルが作られた当時、電話は指一本で番号を回してかけるダイヤル式だったことが関係しています。一番早く回せるのが「1」で、次に早く回せるのが「2」のダイヤルだったので、最初は112番としたのです。

ところが、1と2が隣り合っていたことに加えて、電話交換式からダイヤル式の電話にまだ慣れていなかった人も多かったことから、掛け間違いが多発しました。これに伴って、逆に2番目に遅く回る「9」を「2」の代わりに採用し、掛け間違いの防止をしたことから119番になりました。ちなみに、一番遅く回る番号は「0」で、すでに110番は警察の通報ダイヤル番号として採用されていたので、消防の通報ダイヤルは119番になったそうです。

また、中国や韓国、台湾など近隣アジア諸国の消防緊急通報ダイヤルも119番です。アメリカは日本と番号が逆の911番通報です。

消防組織に関する記念日について

消防に関する様々な記念日があります。それらを順に見てみましょう。

ひとつめが、毎年9月1日の「防災の日」です。これは、1923年9月1日に発生した関東大震災に由来しています。関東大震災クラスの地震がいつ起こっても対応できるように、心構えをしておくという気持ちを込めて、9月1日が防災の日となっています。毎年9月1日付近になると、自治体ごとに大規模な防災訓練が行われることが多いです。

ふたつめが11月9日の「119番の日」です。消防の通報ダイヤル119番の適正利用を含めた、消防全体の正しい知識を広めるために、1987年に制定されました。日付はもちろん119番から由来しています。

最後が3月7日の「消防記念日」です。世間的にはあまり知られていない記念日ですが、毎年3月7日の消防記念日には、東京消防庁で記念式典を催したり、消防活動において命を落とした殉職者の霊に対する黙とうを行ったり、消防業務に貢献した人への表彰が行われたりします。

3月7日の消防記念日は、1948年3月7日に消防組織法が施行されたことが由来になっています。消防組織法の施行によって消防組織は警察組織から分離、独立した組織となったことを記念し、消防組織法施行の2年後の1950年3月7日より、毎年3月7日が消防記念日として制定されました。

消防章のモチーフは「雪の結晶」

消防職員の帽子や消防車両の前面についているマークを消防章といいます。消防章は、全国すべての消防組織で共通のマークです。

消防章は、雪の結晶をかたどったデザインです、雪の結晶は純粋で結集しているイメージがあるので、消防職員も、「いつでも純粋な心を持ち、一致団結して任務にあたる」という心構えから雪の結晶が採用されました。また、雪は融ければ水になるので、消防活動の基本である「水」をモチーフにしているともいえるからです。

また、消防章の中心にある円は日章で、これは「消防組織が市民の太陽であり続けたい」という気持ちの表れです。日章からデザインの異なる線が6本ずつ、計12本飛び出していますが、これはホースと放水された水柱を象ったものです。

また、消防章は各消防組織だけでなく消防団にもあります。消防団の消防章は桜をかたどったデザインですが、これは桜が日本の象徴であり、地域の防災を司る消防団の郷土愛を表現する目的から、桜が採用されました。また、消防章の中心にはYのデザインがあり、江戸時代の消火活動に用いられたさす股をモチーフにした、など色々な説がありますが、理由は分かっていません。

まとめ

消防職員、消防署、そのほかの豆知識についてまとめてみました。お近くの消防署を通りかかった時や、消防職員と接する機会があれば、ちょっと思い出してチェックしてみると、より消防組織が身近に感じるかもしれません。

(文:千谷 麻理子)

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