【国際文化】アメリカ家庭の食事・食材の事情の体験エピソード

アメリカの食事と言えば、やはりピザと肉が食卓に上ることが多いですが、私の家では自炊がほとんどです。 自炊と言っても、日本と同じような食事を作る事は、時間的にも食材的にも大変です。そこで、今回はアメリカの食事情や、海外生活で学んだ自炊のコツなどを、ご紹介したいと思います。


アメリカで一番食べられているもの

アメリカ人が一番好きなアメリカの代表食は、やはりピザではないかと思います。

職場でも学校でも、人が集まれば巨大なピザとソフトドリンク、ポテトチップスが山ほど用意されるのが、定番になっていますし、一般家庭の冷蔵庫にも、前の晩にデリバリーした残りのピザや、スーパーで売っているピザ風のスナックなどが、冷凍庫にストックされている事がよくあります。

日本では、知名度が低いようですが、私が好きなデリバリーピザは、パパジョーンズのピザです。アメリカンピザの標準は、14インチ(36cm)か16インチ(40cm)で、クーポンを使えば、トッピングにもよりますが、1枚1,000円から1,500円位で頼めます。

デリバリーピザは、普段家で食べるには、サイズが大きいので、うちはお客様が3人以上来た時に頼みます。家でピザが食べたい時には、インド料理のナンを使って、トマトソースとシュレッドチーズ、ローストした野菜やハムやサラミなどをのせて、オーブンで焼き、一人前用ピザにして食べたりします。

肉の話

アメリカ人は、肉料理もよく食べます。肉別の使われている頻度は、やはり牛肉が一番で、その次が鶏肉、そして豚肉です。牛肉は、ステーキやローストビーフにする、塊のお肉よりも、挽肉が一番消費されています。

日本でよく見かける、牛豚合挽き肉をスーパーで売っているのを、見たことがありません。でも、合挽き肉が欲しい場合は、豚や鶏のひき肉と牛挽肉を買ってきて、自分で混ぜれば簡単に手に入ります。

アメリカの挽肉は、肉の種類だけではなく、特に牛挽き肉は、脂肪分の含まれる割合別でも売られていて、脂質20%、15%、10%、8%、4%など分類されています。もちろん、脂肪分が低ければ、値段は高くなります。

家では、料理によって、脂肪分の違う肉を使い分けます。例えば、ハンバーグなどは脂肪分が低めの8%とか、4%の方が美味しくできますが、ミートソースなど作る場合には、脂肪が多めの肉を使わないとコクが出ません。

鶏肉はそのままローストチキンにできるものと、胸肉、もも肉、足など、部位ごとパックされている物に、分かれて売っています。胸肉ともも肉は、皮付きだと骨つきで、骨なしだと皮もなく、日本の唐揚げ用の骨なし皮付き肉は、見たことがありません。

日本では、クリスマス限定料理に近いローストチキンも、アメリカでは普通のおかずとして、いつでもスーパーで売っています。日本では、1羽2,000円位するホールチキンも、アメリカでは生肉で1羽450円($3~4)、調理済みの温かい状態で売られている物でも、1羽800円位($6~7)と大変お手頃価格です。

アメリカ人は鶏手羽先も、とてもよく食べます。焼いたり揚げたりした後に、バーベキューソースを絡めたバッファローウイングは、とても美味しいです。


もちろん、スーパーの惣菜コーナーで、出来合いの物が売っていますが、近頃はバッファローウイングだけのレストランもあります。10本700円位($5~6)で、甘い照り焼きソースや、とても辛いハバネロソースなど、いろいろなソースでバッファローウイングを楽しむ亊ができます。

アメリカ人は、生の豚肉よりもソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉の方をよく買いますが、厚切りのロース肉は脂身も少なく、柔らかくてトンカツなど作ると抜群に美味しいです。ただ、日本でよく売られているような、超薄切りの切り落とし肉はアメリカのスーパーでは売っていないので、日本風の切り落とし肉を使った肉野菜炒めは、作れません。

生姜焼きに使える位の厚さに切った豚肉は売っていますが、同じ部位でも薄く切られた肉は、2割増し位値段が高かったりするので、薄切り肉が必要な場合は、一度凍らせてから半解凍して、よく研いだ包丁で自分でギリギリの薄さにスライスして、使っています。

調理器具

日本では、魚焼用グリルが付いたガスコンロと、オーブン機能のついたレンジで調理するのが一般的だと思います。アメリカでは、4、5口のコイルがガラス台の下に埋め込まれたIH式のコンロと、その下に七面鳥が丸ごと 1羽余裕で入る、巨大なオーブンがついているのが一般的です。

オーブンが大きいので、ローストビーフやマカロニ&チーズ、コーンブレッドやグラタン、キャセロールやラザニアなど、大きな耐熱皿を使って2段ラックになったオーブンで、一気に3、4品仕上げます。

オーブン料理は、材料をオーブンの中に入れてしまえば、出来上がりを待っている間に、掃除や洗濯ができるので、簡単なうえに家事時間の短縮にもなります。余った料理は、作り置きとして冷蔵や冷凍保存します。

忙しくて料理の手を抜きたい時

アメリカの女性は、未婚既婚に関わらず大変忙しく、専業主婦はほとんど見かけませんし、出産しても産後直ぐ、職場に復帰する人達も沢山います。子供が学校に行くようになれば、保護者同士のお付き合いも積極的に参加します。

そんな忙しい主婦のために、スーパーにはビンや缶に入ったパスタソースやドレッシング、水を混ぜて電子レンジでチンすると、マッシュポテトやマカロニチーズになる、インスタントの副菜などが棚に並んでいます。外食と比べると割安な惣菜もスーパーで量り売りしいて、好きな物を好きな量だけ購入できます。

私も疲れて、夕飯の支度がしたくない時は、パスタを茹でてソーセージと野菜を炒めて、トマト味の市販のパスタソースで和えるだけの時もあります。それすらもしたくない時は、スーパーの惣菜コーナーでフライドチキンと量り売りのサラダと副菜で済ませることもあります。

日本食材

私の住んでいるアリゾナ州のフェニックスでは、アジア系のマーケットが沢山あるので、日本食材が比較的簡単に手に入ります。ただ、値段が日本で買う3倍位するので、味噌や醤油、だしの素やちょっとしたお菓子など、スーパーの白いポリ袋2つ分位買物をすると、軽く1万円はかかります。

日本で特売では、約70円で買える缶コーヒーも、フェニックスで買うと、約250円になります。輸送費が上乗せされていると、言われればそれまでですが、値段の割に、あまり美味しくない海外製の日本食材も沢山あります。

例えば、あきたこまちやササニシキと書いてあるお米も、アメリカ産のカリフォルニア米なので、炊きたての時は美味しくても、冷めた物を再加熱すると、パサついてかなり食感が悪くなります。

過去に鳥や豚インフルエンザが発生したことのある国の肉類ベース調味料は、アメリカに輸入できないため、日本の調味料でも使用禁止の調味ベースが抜かれているからか、自宅で美味しい中華料理ができるはずの、レトルト入り某有名中華調味料を使って調理しても、日本で食べる物とは微妙に味が違います。

高価な日本食材とは反対に、最近アメリカでは有機栽培マーケットが拡大してきて、味も良く、値段的にもお手頃価格で、オーガニックの物が買えます。普通の物より10~15%程割高になりますが、元々の野菜や肉が日本より安いので、アメリカで買う有機食材は、日本のスーパーで売っている、普通の野菜より安いと思います。ただ、日本と気候も食文化も大きく異なるので、日本の調理法に向いていない野菜があります。

例えば、茄子や胡瓜等は日本の品種と違い、種がとても多くて皮が厚くて堅いので、日本風に調理しても、あまり美味しくありません。しかし、反対にズッキーニやパプリカなど、日本の食卓ではあまり馴染みのない野菜も、バター醤油味でフライパンで炒めると、一気に日本食になります。


フレッシュチーズなどは、日本よりずっとお安くてとても美味しいです。ミランダカーが実践しているような、アサイーやキヌア、チアシードなどのスーパーフード食材も、日本で買うよりずっと安価で簡単に手に入ります。青汁の元のケールやモロヘイヤも、普通にスーパーの野菜コーナーで買う事ができます。

まとめ

アメリカのスーパーで売っている食材が、日本の物とは品種が違うため、日本で食べていた食事と同じ物は、食べられないというデメリットもありますが、日本であまり手に入れる事のできない食材を、日常的に食べる事ができるというメリットもあります。

ときどき失敗はありますが、新しい食材で新しい美味しさの発見を楽しみながら、日本では高価なレア食材を、気軽に日本風にアレンジして試す事ができるのも、アメリカ生活の醍醐味の一つなのではないかと、私は考えています。

本記事は、2018年12月17日時点調査または公開された情報です。
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