【民間から公務員へ】市町村役場職員(キャリア4年)の仕事内容や給料などの現場体験レポート

役場で働く、キャリア4年の「市町村役場職員」によるキャリアレポートです。

今回は、その「市町村役場職員」の仕事内容や一日のスケジュール、年収(給料・ボーナス)や残業状況・職場恋愛などについてインタビューしたものを編集して掲載します。


はじめに

役場で働く、女性でキャリア4年の「市町村役場職員」によるキャリアレポートです。

なお、今回の方は、「小学校教諭一種、幼稚園教諭一種、特別支援学校一種、手話検定4級」の資格を持っているそうです。

この職業「市町村役場職員」を目指した理由

私は、もともとは企業で営業として働いていました。しかし、売り上げやノルマに追われる中で、本当に相手の立場に立ったサービスができなくなってしまいました。

周りの友達はほとんどが教員になっていて、子どものために頑張っているのに、自分はお金儲けをしていることが恥ずかしくなり、公務員を目指しました。

今となれば、お金を儲けたり売り上げを考えることは決して悪いことではないとわかるのですが、自分にとっては公務員が向いていたと思います。

「市町村役場職員」での仕事内容は健康保険の取り扱い

所属していた課では、主に健康保険を扱っていました。

国民健康保険や後期高齢者を対象として、資格の取得や喪失に伴う保険証の業務、また所得に応じて保険料を決定する賦課の業務、さらに、それを徴収する業務、そして高額療養費や葬祭費などの給付を行う業務があります。

また、健康管理の一環として、お年寄り相手に体操教室を開いたり、塩分控えめな料理について教えるような催しをしたり、全住民に対して血液年齢や骨年齢の測定会を開催したりしました。

土日にはボランティアとして、地域の清掃活動への参加もあります。そのような住民相手の仕事は、実は一部分で、窓口以外では都道府県や国に対する報告書の作成や補助金申請など、雑務が多いです。議会の前には資料作りもします。

「市町村役場職員」の1日の仕事の流れ

私の役場での1日についてご紹介します。

【午前】
7:30 自宅を出る
8:00 職場に到着、窓口清掃、お茶やポットの準備
8:30 窓口開始 窓口や電話対応、雑務など
12:00 お昼休み
※多くの職員は家に帰ってごはんを食べます。地方公務員の場合は自宅が近い場合が多く、小さな自治体ほどその傾向があります。
【午後】
13:00 お昼休み終わり 窓口や電話対応、雑務など
17:15 窓口終了
※窓口で提出された当日分の申請書類をまとめたり、高額療養費などの給付申請があれば早めに処理します。
※都道府県や国への報告書を書きます。
21:30頃 業務終了
※ただしシステムの入れ替えや保険証の切り替え年度など、繁忙期には24時を過ぎます。


「市町村役場職員」の給料・残業・有給休暇について

私の場合ですが、「市町村役場職員」の月給は20万円ほどで、毎年7千円ずつほどあがりました。

ただし保険や年金、組合費や厚生会費、互助会費などで引かれるので、手取りは13万です。自治体によりますが、小さな自治体では手取りが20万円を超えるのは、40歳を過ぎてからだと思います。

残業代は年間予算が決まっているので、ある繁忙期があった年では6月に全て使い切ってしまい、補正予算を議会にかけましたが承認されず、その年は残業代なしで働きました。

この仕事で、働いているときに困ったことは、1人でなんでもやること

小さな自治体なので、基本的に1人で業務を行います。

大きな自治体ではたくさんの人がいますが、小さな自治体は住民の数に合わせてかなり人員が削減されます。しかし、実は自治体の大小に関わらずやるべき業務の幅はどこも同じです。そのため、必然的に小さな自治体では、1人がかなり広い業務をこなすことになります。

本来ではきちんと法律や条例に則って業務をするべきですが、その場合では日々の業務をこなすことでいっぱいになり、広く浅くの知識しか得ることができません。もっときちんと勉強をしながら業務をしたかったです。

また、公務員は定時で帰れる楽な仕事という偏見もつらかったです。東日本大地震のあとは節電モードになり、電気をつけての業務が禁止されました。個人で買った電気スタンドで業務をするので、夜は誰もいないように見えるようですが、実は多くの人が無給で残業していました。

役場でよかったことは、安定・安心して働けること

手取りは少ないですが、額面ではやはり安定した収入が得られると思います。

特にボーナスでは、ある程度社会の経済を反映しているとはいえ、平均的な額は支給されるので恵まれていると思います。大企業に比べれば劣りますが、それでも中小企業よりは多いと思います。

個人的には、例えば保険料の徴収などでも100%を望まれないのもよかったです。以前、営業をしていたときは100%でないと怒鳴られていましたが、公金の場合は各々の事情に寄り添う必要があり、きちんと住民の目線に立ってサービスをすることができるので、私にとってはやりやすかったです。

「市町村役場職員」の仕事エピソード

基本的に窓口を閉めてからいろんな雑務をするので、定時で帰れないことは、わかった上でした。

また、ある年にシステムの入れ替えが行われ、それまで使っていたシステムではなく、全く新しい会社のものに移行するということになり、かなり不具合も出て本当に大変でした。そもそも、保険料の計算などは自治体によって違うので、他の自治体ではそのシステムがうまく稼働していたとしても、うちの自治体ではうまくいかなかったのです。

おまけに引っ張ってくる税金も少し違ったりと、とにかく検証にかなりの時間が割かれました。結局、全住民の1つ1つの賦課を全て見直すことになり、機械関係なく全部手計算となってしまい、新システムの導入は全く意味がなかったです。

市町村役場での恋愛について教えてください

自治体によりますが、小さな自治体ほど職場結婚は少ない印象です。

保育士と役場職員との結婚は多いです。また公務員は他の業界よりも結婚が早い傾向があり、学生時代から付き合っている人と、公務員になった時点で、結婚してしまうというパターンが多いです。


ローンが組みやすいというメリットがあるので、住宅取得も割と早いです。

もし職場結婚になった場合は、1人は必ず異動させられて、離れた部署にて業務をすることになります。離婚した場合も離されたままです。

まとめ -「市町村役場職員」を目指す方へメッセージ

もし公務員は楽な仕事だと思っていると、少しギャップがあるかも知れません。

しかし、もし公務員はあまりやりがいがなさそうと思っているなら、それはいい意味でギャップがあります。

難しい仕事もありますが、それをこなしたときは達成感がありますし、もし向いてない…と思うことがあったとしても、異動すれば全然違う分野なので、力を発揮できるかもしれません。

がんばってください。

本記事は、2018年7月6日時点調査または公開された情報です。
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