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【市役所職員に聞きました!】職場結婚のメリットとデメリット

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目次

はじめに

地方中核市の市役所で、事務職員として13年間働いていた時の経験をもとに、「市役所内の出会いのパターン」と、私が感じた「市役所の職員同士で結婚するメリットとデメリット」をレポートしたいと思います。

「市役所」内での出会いのパターンを4つ

市役所で働いていると日々の職務の忙しさに追われてなかなか新しい出会いがないため、市役所内で相手を見つける方も多いです。以下は、私が見てきたよくある出会いのパターンです。

その1:同期で結婚

結婚まで進む最も多いパターンが、同期どうしでのカップリングではないでしょうか。

採用1年目は、新人職員研修が長期間続いたり、泊まり込みの研修があったり、飲み会が頻繁に開催されたりと、同期どうしで仲良くなる機会が満載です。

若いうちの結婚を考えている場合は、同期の異性をチェックしておくと良いかもしれません。

その2:同僚(先輩・後輩)で結婚

仕事を教えてもらっていると頼れる先輩がかっこよく見えてきたり、残業中のたわいない話で盛り上がって気が合うことが分かったりと、長い時間を共に過ごす分恋愛関係になる可能性も高いです。

また職場では、歓送迎会、忘新年会と何かにつけて飲み会を開くので、こういった場でお酒の力を借りて(いろんな意味で)仲良くなるという場合もあるようです。

その3:友人を介しての紹介(合コン)で結婚

適齢期になると、市役所の同期や職場の同僚から紹介を受けることもあるでしょう。「結婚はしたいけど、いい人がいなくて…」と言っている職員は男女ともにたくさんいるので、紹介をお願いしてみるのもいいでしょう。

また、「その2:同僚(先輩・後輩)」のようなパターンで、職場内恋愛がばれた場合には、暗黙の了解としてどちらかが異動になるので、そういったことを避けたい人はこちらの方がおすすめです。

その4:組合活動での出会いからの結婚

組合活動なんてしないから関係ないと思われるかもしれませんが、私の勤めていた市では加入は任意とは名ばかりで、労働組合に加入し女性部(労働組合の女性組織)の役員をすることはほぼ強制でした。

知らない方のために補足すると、市の組合活動とは選挙活動をしたり待遇改善を求めたストライキを行なうものです。(どちらも法的にはグレーなのですが・・・)


組合の役員は役員未経験者の若手が担い、飲み会・深夜までの会合も多いため必然的にカップルも生まれていました。組合活動にはまってしまうのは仕事に支障をきたすのでおすすめできませんが、結婚相手を見つける場としては有効かもしれません。

「市役所」内で結婚相手をみつけることのメリット6点

その1:価値観が似ている

なんだそんなことか…と思われるかもしれませんが、結婚生活において、お金に関する価値観や生活習慣が似ていることは結婚前に考えているよりも重要です。

一緒に住んでいるうちに、お互いの違いを認め合ったり、悪習を直してくれるだろうと思っていると、長年染みついた習慣や考えというものはなかな変わらないものです。

もちろん、同じ「市役所職員」という職業を選んだ人だからと言って、必ずしも価値観が一致するとは限りません。

しかし、公務員という安定を重視する生き方や生まれ育った地域をで一生を過ごしたいという根本的な考え方は同じはずです。

その2:小さい子供がいるなどの家庭事情に配慮してもらいやすい

市民が見るのは市民課などの窓口業務であるせいか定時退庁できるイメージがある市役所勤務ですが、配属先の課や繁忙期によっては夜中まで仕事をしなければばらない場合も多いです。

市の人事課では両方の状況が分かるので、繁忙期が重ならないように考慮してくれたり、2人ともに忙しい課に行くことのないように配慮してくれる可能性が高いです。人事課としても、家庭と仕事の両立が出来ず職員が心を病んでしまったり、退職を希望されては困るのです。

その3:年収の把握が容易

結婚相手を探すときに、最初から相手の年収を聞くことには誰しも抵抗があると思います。しかし、職員同士なら相手の年収はもちろん生涯賃金の計算まで可能です。

その4:浮気の防止

私も実際に現場を見たわけでありませんが、職員間での不倫のうわさを聞くことは多かったです。市役所内での結婚であれば、自分の配偶者の課に知り合いがいる可能性は高いので、そういった状況で職場内不倫はしにくいのではないでしょうか。(よっぽど勇気のない限り・・・)

その5:仕事の愚痴や悩みを共有できる

仕事が煮詰まって誰かに相談したくなった時でも、市役所の仕事は部外者に口外できないものも多いですし、話せるものでも仕事内容の説明からはじめないといけないなど、簡単には相談できないのではないかと思います。

例えば、福祉系の業務などで「困っているのだからお金を給付すればよい」「助けてあげないとかわいそう」と一般的な価値観では思われるようなケースでも、「市」としての公平な立場で考えると自分の気持ちだけでは簡単には決められないことは多いものです。

こういった時に、同じ立場で率直に意見してくれる配偶者がいるのは大変心強いでしょう。

その6:人脈が広がる

市役所で働いてるときに、意外と役に立つのが人脈です。別に人脈がなくとも仕事はできるのですが、「知り合い」というだけで手間が半分になったり「サービス」で配慮してくれたりするものです。

実際に、名札を見て「〇〇くんの奥さんなの?」や「旦那さん元気にやってる?」などの軽い口調とともに印鑑をさくっと押してくれたり、めんどうな仕事の依頼がある時に口利きしてくれたりと言うことは多くなるはずです。

「市役所」内で結婚相手をみつけることのデメリット5点

上記に挙げたようなメリットがある反面、デメリットもあります。


その1:離婚したとき

「市役所内結婚」最大のデメリットはなんといっても「離婚」でしょう。

結婚するときから離婚を意識する方はいないかもしれませんが、「市役所内離婚」の可能性があることはこれまでお伝えしたメリットは軽く吹っ飛んでしまうくらいの大きなリスクです。

普通は離婚してしまえばそこで縁が切れる思うのですが、勤務先が同じということは離婚後にすぱっと縁が切れるというわけにはいきません。

私の勤めていた市は中核市で職員数も多かったので、人事課が配慮して、支所と本庁に分けてくれたり、同じ階にはならないようにと配慮してくれたのですが、小さな市であればワンフロアしかなかったりするので、離婚後も毎日顔をあわせることになります。

他にも、結婚式の出席者はもちろん職場の同僚・上司なので、「あんなに仲が良かったのに」などと陰で噂されたり、直接からかわれたりとことあるごとに話題にだされることは間違いありません。

平均をとっていないので分かりませんが、60人程度の課でも職場に1人は市役所カップル同士での離婚経験者がいたことから、離婚者はかなり多い印象でした。

その2:市の破綻リスク

可能性は低いのかもしれませんが、「北海道夕張市」が2007年に財政破綻してしまったときのように、2人ともに給与が半減したり、退職を余儀なくされるということもありえるので、場合によっては2人で就職活動をすることになるかもしれません。

最近は地方財政の問題はあまりニュースにならないので心配されていないかもしれませんが、一部をのぞいてほとんどの市町村が大きな財政赤字を抱えているため、今後ますます少子高齢化を迎える日本では決して他人事ではありません。

また、財政破綻とまでいかなくても、財政難の時にはボーナスや給与を一部カットするので(夕張市が話題になったころに私の市でも実際に2年間カットされました)、その痛みも2倍となります。住宅ローンなどを2人分の給与をあてにして出しているときには、大きな誤算になるかもしれません。

その3:配偶者の評価に影響を受ける

もちろん良い方と結婚出来ればなんの問題もないのですが、相手が職場の問題児・嫌われ者だったりした場合には、自分の評価にも影響してくる可能性があります。

過去に配偶者が険悪な関係になった相手が、自分の上司になった場合などには不当に低い評価を与えられるかもしれません。

私が周りで見た中で一番きついなと感じたのは、市職員の夫が性的な軽犯罪を犯して懲戒処分となった時に奥様が離婚も退職もはせずに職員として留まったケースです。夫婦2人で無職となることを避けた苦渋の決断でしょうが、周りの好機の目もあってかなりつらかったことは容易に想像できます。

その4:配偶者に行動を把握される

働き方改革で早く帰れるようになったサラリーマンがふらふらとお店によったり、お茶を飲んだりしてから帰宅することを「フラリーマン」というらしいのですが、こういったことするのはちょっと難しいかもしれません。

なぜなら、配偶者は帰りにあなたがまだ残っているか見ているかもしれませんし、課内にいる配偶者の友人から毎日定時帰宅している情報をえているかもしれないからです。

同様に、メリットの「その4:浮気の防止」の裏返しになりますが、女性職員にちょっかいをかけていたとか、2人の仲が怪しいとか、そういった勤務先が別なら知られないことを配偶者に把握されてしまうことになります。

これは、ごく個人的な見解ですが、公務員になろうという保守的な思考回路のわりに市役所内カップルで離婚する人が多いのは、この「全てを把握される=浮気などがばれてしまう」ことが原因ではないかと思っています。浮気した本人にとっては軽い火遊びのつもりでも、それを知ってしまった配偶者は裏切りを許せないことは多いでしょう。

その5:出世

これは勤めていた時に感じたことなのですが、夫婦両方が出世することはないように感じました。

実際に、同じく公務員の教師同士の結婚では、両方とも校長まで出世することはなくどちらかが早期退職するケースもあると聞きました。権力が一か所に集中することのないようにとの配慮なのかもしれませんが、両方ともに優秀で出世欲がある方にとっては望ましくないことでしょう。

まとめ

以上、「市役所」内で結婚相手をみつけることのメリットとデメリットについてお伝えしました。


「離婚」に関するリスクなどネガティブな意見も多く述べたので、ここまで読んで「市役所内で結婚」することに躊躇する方もいるかもしれません。

しかし、デメリットのほとんどは、良い相手とめぐり合えればまったく問題ないものばかりなのもご理解いただけるのではないでしょうか。なにより、安定した職場で2馬力の収入を得ながら働けるというのは大きな魅力だと思います。

ぜひ、お互いの仕事を尊重し合える理解あるパートナーを見つけて幸せな結婚生活を送ってくださいね。

本記事は、2020年3月2日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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