はじめに
国連の関連機関には、加盟国の経常収支が著しく悪化した場合などに融資などを実施することで、国際貿易の促進、加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、為替の安定などに寄与することを目的とするIMF(国際通貨基金)というものがあります。
本ページでは、「IMF」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
「IMF」は国際通貨基金のこと
「IMF」はInternational Monetary Fundの略で、日本語に訳すと「国際通貨基金」のことです。
「IMF」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1945年に「加盟国の経常収支が著しく悪化した場合などに融資などを実施することで、国際貿易の促進、加盟国の高水準の雇用と国民所得の増大、為替の安定、などに寄与すること」を目的として設立されました。
なお、日本が「IMF」に加盟したのは、1952年8月です。
「IMF」の組織体制について
「IMF」の本部は、アメリカ合衆国のワシントンD.C.にあり、意思決定機関として総務会と理事会があります。
「IMF」の総務会について
総務会は、各国につき、財務大臣や中央銀行総裁などの1人の総務と1人の総務代理で構成される最高意思決定機関で、年1回開催されます。
総務会の投票権は、出資金の支払い比率に応じて与えられ、この出資金がIMFの財源であり、経済規模に応じて定められています。
「IMF」の理事会について
理事会は、24名の理事による「IMF」の通常業務に関する執行機関で、投票権の少ない国は複数国で一つの理事室が形成されています。
なお、理事は、2016年現在、24名で構成されており、すべての加盟国によって選出されます。
以前は、「IMF」のアメリカ合衆国・イギリス・フランス・ドイツ・日本の上位出資国五か国が任命理事を各国一人ずつ選任し、残りの加盟国が選出理事を投票で19名を選出していましたが、機構改革の一環として任命理事を廃止し、2016年より24名すべての理事を加盟国によって選出することに改正されました。
理事のなかで、専務理事は、理事会の議長と国際通貨基金の代表を務め、理事会によって選出されます。
世界銀行の総裁に米国出身者が選出されていることと同様に、国際通貨基金の専務理事は欧州出身者の就任が慣例となっており、理事が任命する副専務理事のうち、筆頭副専務理事は、これまで常に米国出身者が務めています。
「IMF」の役割
「IMF」の主な役割は、国とその国民が相互に取引できるようにする為替レートと国際支払いにおける国際通貨システムの安定性を確保し、国際収支問題を抱える加盟国に一時的に信用を供与することです。
この財政支援によって、外貨準備高を再建して通貨の安定を図り、輸入の支払いを継続させ、経済をより成長させるために必要な条件を回復することができます。
なお、「IMF」は、割当額に比例する限度額に基づいて加盟国に割当を行い、低所得加盟国に対しては譲許的な支援を行います。
▼参考URL:国際連合広報センター「国際通貨基金(IMF)」(外部サイト)
「IMF」の主な活動
「IMF」の主な活動は、国際資金システムの安定を確保するため、具体的には、主に下記の3つの活動を行っています。
1)経済監視
2)貸出
3)能力開発
経済監視
「IMF」は、国際通貨システムおよび189の加盟国の経済および金融政策を監視し、グローバル・レベルで各国で行われるているプロセスについて、安定性に対するリスクの可能性を強調し、必要な政策や調整について助言を行います。
貸出
「IMF」は、実際、または潜在的に国際収支問題が発生している加盟国に対し、融資を行って国際政策を再構築し、通貨を安定させて輸入の支払いを継続させ、根本的な問題を修正しながら経済を回復させます。
能力開発
「IMF」は、世界中の政府と協力して経済政策や制度を近代化します。これによって各国の経済をより強化させ、その成長を改善し、雇用を創出させます。
まとめ
本ページでは、「IMF」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
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