はじめに
国連の関連機関には、移民個人への直接支援から関係国への技術支援、移住問題に関する地域協力の促進など、移住問題に対応する活動を行うことを目的とするIOM(国際移住機関)というものがあります。
本ページでは、「IOM」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
「IOM」は国際移住機関のこと
「IOM」はInternational Organization or Migrationの略で、日本語に訳すと「国際移住機関」のことです。
「IOM」は、国連、つまり国際連合の関連機関の一つで、1951年に主に欧州からラテンアメリカ諸国への移住を支援するため設立された「欧州移住政府間委員会」が前身で、1980年に「移住政府間委員会」に名称変更され、さらに1989年11月の憲章改正を経て、現在の名称「国際移住機関」となりました。
なお、日本が「IOM」に加盟したのは、1993年です。
「IOM」の組織体制について
「IOM」の本部は、スイスのジュネーヴにあり、事務局長が置かれ、職員数は9,000人で、そのうち国際専門職員はおよそ1割です。
事務局の法人専門職員は、21名で、そのうち幹部は2016年現在で1名です。
また、「IOM」は、再定住仕事や輸送計画を調整し、移行の危機と人道緊急事態の回復および移行の設定に関し、物流、準備と対応に関連した活動を監督する責任があるため、下記の3つの省および1つの局を設置しています。
1)緊急事態省
2)緊急事態局
3)移民管理省
4)国際協力パートナーシップ省
緊急事態省
「緊急事態省」では、主に下記の4つの業務が行われています。
1)政策と運用の両方の問題に関する戦略的提言の提供
2)プロジェクトの開発と実施
3)機関間の調整に関する現場運用のガイダンスの提供
4)人道主義・保護の主流化・性的虐待および搾取の防止に関連する個々の専門プロジェクトの監督
緊急事態局
緊急事態局では、主に下記の3つの業務が行われています。
1)人道的対応へのIOMの参加の調整
2)緊急事態や危機後の状況における移住サービスを提供
3)個人やコミュニティ全体のニーズへの対処および保護
また、緊急事態局は、4つの部門と1つのユニットで構成されています。
1)準備と対応部門
2)移行回復部門
3)土地、財産および賠償部門
4)第三国定住・移動管理課
5)統計および知識管理ユニット
移民管理省
移民管理省は、IOM開発基金を管理し、多地域およびグローバルプロジェクトのレビュー、承認、管理を担当しています。
この移民管理省は、5つの部門と1つのユニットで構成されています。
1)移住保健課
2)入国管理局
3)移民保護支援課
4)労働移動と人間開発課
5)移住・環境・気候変動課
6)IOM開発資金ユニット
4)国際協力パートナーシップ省
国際協力パートナーシップ省は、加盟国、政府間組織、市民社会、メディアとの
関係を支援・調整し、政府、多国間、および民間セクターのドナーとの関係に関するガイダンスをサポートします。
この国際協力パートナーシップ省は、6つの部門と2つの部門で構成されています。
1)統治体課
2)国際パートナーシップ課
3)メディア・コミュニケーション部門
4)ドナー関係課
5)移住政策研究課
6)多国間プロセス部
7)国際移住法ユニット
8)グローバル移行データ分析センター(GMDAC)
「IOM」の役割
「IOM」の主な役割は、サービスと助言を政府や移住者に与え、国際社会のパートナーとともに増大する運営上の課題に取り組み、移住問題についての理解を深め、移住を通して社会経済開発を進めることを奨励し、移住者の福祉と人権が守られるようにすることです。
▼参考URL:国際連合広報センター「国際移住機関(IOM)」(外部サイト)
「IOM」の主な活動
「IOM」は、人道的で秩序ある移住は移住者および社会に利益をもたらすとの原則に基づいて、下記の4つの分野で活動を行っています。
1)移住と開発分野
2)移住の促進
3)移住の管理行政
4)非自発的移住
移住と開発分野
「IOM」は、移住と開発分野に関し、専門家交流、移民や帰国者への小規模融資などの活動を行っています。
移住の促進
「IOM」は、移住の促進に関し、家族呼び寄せ、渡航手続、語学研修、文化紹介等の活動を行っています。
移住の管理行政
「IOM」は、移住の管理行政に関し、人身取引対策、出入国管理、不法入国対策などの活動を行っています。
非自発的移住
「IOM」は、非自発的移住に関し、難民・国内避難民支援、帰還・再定住支援、緊急人道援助、復興支援、除隊兵士の社会復帰、選挙と国民投票などの活動を行っています。
まとめ
本ページでは、「IOM」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。
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