幼稚園・保育園・こども園での先生が担当する個人面談とは?
個人面談の実施にあたっては、大きく以下の4つのような目的があります。
1)子どもの成長や園での様子を伝え、保護者に安心・理解してもらう
2)家庭での子どもの様子をヒアリングし、保護者の悩み等があれば引き出す
3)園に対する質問や要望があれば聞く
4)保護者との信頼関係を築く
事前に準備しておくこと
個人面談の実施にあたり、当日急に雑談のように話すようでは伝えたいこともうまく伝えられず、失敗に終わってしまいます。
個人面談の前から、丁寧な準備をしておくことで、保育者自身も伝えたいことが整理でき、落ち着いて個人面談に臨むことができます。
事前に準備しておくこととしては以下のような事になります。
事前に準備しておくこと その1:個人記録を通して保護者に話したいことを整理する
子どもの日々の様子については個人記録としてまとめている方も多いかと思います。
日々の個人記録はメモ書き程度でも良いのですが、学期ごとに『個人記録』として、まとめておくことで、一定期間に子どもがどう成長したかを振り返ることができます。
(そうすることで、年度末に書く指導要録もとても書きやすくなります♪)
主に『遊び』『友達関係』『生活』『一斉活動』の観点で、記録をつけておくと良いでしょう。
記録を振り返り、「ここは保護者に伝えておきたい!」というところを成長した点、課題になる点を整理しておくことが大切です。
事前に準備しておくこと その2:個人面談の日程調整
学級の子どもの人数が多いほど、個人面談の枠も多くなり実施日も増えていきます。
幼稚園であれば、バス通園なのか、徒歩通園なのか、また、幼稚園や保育園で共通して兄弟関係、小さな下の子がいるか等にも配慮しながら個人面談の日程表を作成します。
日程表を保護者に渡して日程確認をしてもらうと、中には都合が悪いことを申し出てくる保護者もいるかと思います。
日程表作成の段階で予備日や予備枠の時間帯を事前に設けておくと、日程調整をしやすくなります。
事前に準備しておくこと その3:個人面談の事前アンケートを用意・目を通しておく
園によっては、個人面談の実施にあたり事前アンケートを配布しているところもあります。
私が勤めていた幼稚園でも個人面談の事前アンケートを配布していました。
項目としては『お子さんが成長したと感じているところ』『お子さんについて気になること、悩み』『園に質問しておきいたいこと』の3点にし、保護者に記入してもらっていました。
事前アンケートを記入してもらうことで、保育者は「~くんのお母さん、友達関係が気になっているんだな」→「面談の日までに~くんの友達関係の様子を注意深く見ておこう」と事前準備をすることができます。
また園に対する質問事項に関しては、園長等にも報告し確認しておくことで、面談当日回答することができます。
個人面談の流れ
個人面談は、全員実施のところもあれば、希望する保護者に対してのみ面談を行うところもあります。
保育者の日々の業務の中で時間を設けて行うため、だいたい1人あたりにかける時間は10~15分程度になるところが多いかと思います。
個人面談の一般的な流れについては以下の通りです。
1)挨拶
2)保育者が子どもの園生活の様子を伝える
3)保護者から家庭での子どもの様子を聞く
4)保護者が悩んでいることや不安に思っていることを聞く
5)保護者の悩みに対する回答
6)保護者からの質問
7)連絡事項等で伝えておくことがあれば最後に伝える
8)お礼の挨拶
個人面談で保育者が話をする内容
どの保護者も知りたいことは『園での子どもの様子』です。
子ども自ら、家に帰ってから保護者に園でしたことを話す子もいますが、園での様子を全く話さないという子もいます。
保育者が園生活の様子を保護者に伝える際、内容としては大きく以下の4つの観点で話をすると園生活の内容に漏れなく伝えることができると思います。
1)子どもが一定期間で大きく成長したこと
2)普段どのようなことをして遊ぶことが好きであるか
3)誰と一緒に過ごしていることが多いか等の友達関係
4)子どもに関して気になっていること、課題等
個人面談で保育者がおさえておくと良いポイント
個人面談実施にあたり、保育者が意識したり気をつけたりするポイントについて紹介していきたいと思います。
個人面談のポイントその1:話しやすい位置で座る
人は相手と座る位置が近すぎたり、真正面に座られると圧迫感を感じやすいと言われています。
私が勤めていた園では幼児用机を2つ用意し、幼児椅子をL字になる位置に置いて、保育者と保護者が斜めになるような位置関係で場を設定していました。
(その際、保育者側から時計が見える位置に保育者の席を設定しておくと、面談中もさりげなく時間確認をすることができるのでオススメです!)
個人面談のポイントその2:時間が延長しそうなら日を改める
要点をまとめながら話をしていくと、10分くらいでちょうど良いのですが、中にはお話が好きな保護者もいたり、発達に関する課題等があるお子さんの面談だったりすると、設定された時間を越えてしまいそうな時があります。
時間が延びると、次の時間枠の保護者を待たせてしまうことになり、時間が延びることで、その後の面談の時間も少しずつ延びていってしまいます。
そのため、『時間が延びそうだな・・・でも保護者はまだ話したいことがたくさんありそう・・・』という時には、保護者の話のタイミングを見て、「お話聞かせてくださりありがとうございました。もしよろしければ、もう少し具体的にお話伺いたいのでお日にち改めて聞かせていただけますか??」と、別日に話をする日を設けることを提案しておきましょう。
そうすることで保護者も「先生、話を最後まで聞いてくれなかった」「面談切り上げられた」と思わず、その日の面談を気持ちよく終えてもらえると思います。
個人面談のポイントその3:答えられない質問に対しては確認してから後日回答する
保護者の中には、こちらから想定していなかった範囲の質問や、専門的な内容に関する質問をされる方もいます。
保育者は、その場で曖昧な回答や咄嗟に適当な回答をするのではなく、「確認しておきますので、後日お知らせします」と伝えておきましょう。
ただし、気を付けることは『必ず伝え忘れのないようにする』ことと、回答日の目安(「明日までには」「来週までには」等)を伝えておくようにすることです。
個人面談のポイントその4:子どもの気になる姿や課題があれば、保護者の様子も見ながら伝えておく
普段の園での子どもの様子を見ていると、子どもに関することで発達や生活面で気になることがあるお子さんもいますよね。
保育者としては「これは保護者にも伝えておきたい・・・」ということもあるでしょう。
そんな時は、まず家庭での子どもの様子を聞きながら、保護者自身も同じように気になったり、心配している部分があるかどうか探ってみます。
保護者も気になることがあるようでしたら、話を進めていきやすくなります。
また、伝え方のポイントとして気をつけなくてはならないのは、「保育者や周りが困っている」ような言い方にならないようにすることです。
あくまでも『子どものために』伝えることになりますから、「~くん自身が困っている→だから一緒に援助の方法を考えていきたい」というスタンスで、保育者の子どもを思う気持ちが伝わるように話をしましょう。
また、子どもに対する援助方法が明確になっていることであれば、「~くんこんな姿が最近見られるのですが、園ではこういう風に対応していきますね」と保護者が安心して園に子どもを任せられるような話し方ができると良いですね。
保護者自身の性格や態度によって、気になる姿に関する話を切り出しにくいような雰囲気の方の場合には事前に園長等に伝え方を相談しておくと良いですね。
個人面談のポイントその5:笑顔で保護者の目を見て話をする
保護者にも色々な性格の方がいますが、やはり担任の先生が笑顔でよく話を聞いてくれるような先生だと保護者も安心でき、保護者自身も話しやすくなると思います。
保育者は面談の参考にしようと手元に置いてある紙ばかりに視線をおとさず、保護者の目を見て、よく頷き、保護者の言ったことをリピートして『先生は聞いてくれている・分かってくれている』という信頼感につなげていけると良いですね。
》参考URL:傾聴スキルの5つのポイント|カウンセリングの方法とやり方 (mental-web.net)
まとめ
今回は個人面談の目的や進め方・ポイントについて紹介してきました。
話をするのが苦手な人も、担任を持つと必ずといって良いほど経験する保護者との関わり、個人面談。
保育者も保護者も貴重な時間を合わせて話をするのですから、お互いに有意義な時間となるように、子どもの成長を分かち合っていけると良いですね。
個人面談の流れやポイントについて、何か参考にしていただけるものがあったら嬉しいです。
》参考URL:保育園の個人面談の準備をしよう!保護者に聞くことや進め方のポイントをご紹介 – 保育・介護・看護で働く人を応援するメディア【キラライク】 (kirara-support.jp)
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