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幼稚園における週案の立て方と書き方のポイント

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目次

そもそも週案とは?

週案とは、短期の指導計画のうち1週間の指導計画のことです。

週案は各幼稚園の教育課程や長期の指導計画に基づいて、自分の受け持つクラスの子ども達の実態や前週の姿などの連続性も踏まえて立てられます。

同じ学年で複数の学級があった場合も、子どもの実態が全クラス一緒ということはないので、隣のクラスと全く同じ指導計画になるということはありません。
(大きく目指す方向性は変わりませんが)

週案は、園生活の中で子ども達にとって必要な体験 が得られるように配慮して作成することが必要です。

週案にはどのようなことを書くのか?

まず週案にはどのようなことを書くのか、基本的な項目を挙げておきたいと思います。

1)先週の子どもの姿 (学期はじめは予想される子どもの姿を書く)

2)ねらい

3)内容

4)行事予定

5)子どもの活動

6)環境構成と教師が子どもの援助するにあたって配慮すること


7)評価・反省

それでは具体的に週案の立て方についてこれから紹介していきたいと思います。

週案をたてるにあたって最初にすること

週案を考える際に最初にすることは、子どもの姿の読み取りから実態を整理し、『ねらい』と『内容』を考えていくことです。

とくに『ねらい』と『内容』はその違いが曖昧になっている方も多いのではないでしょうか。

ここでは『ねらい』と『内容』の違いについても、東京都の公立幼稚園園長をしていた先生からうけた指導も含めて解説しておきます。

そもそも、『ねらい』と『内容』とは?

幼稚園教育要領の第2章「ねらい及び内容」では、「この章に示すねらいは、幼稚園修了までに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情、意欲、態度などであり、内容は、ねらいを達成するために指導する事項である」と述べられています。

私自身、勤務して間もない頃は保育の参考本でも『ねらい』『内容』の文脈がほとんど一緒で『ねらい』と『内容』の違いが明確に分かりませんでした。

そんな中、東京都の公立幼稚園園長だった講師の先生から、『ねらい』と『内容』の違いの話を聞いてとてもしっくりきたので紹介しておきますね。

1)『ねらい』とは、子ども達に「このような姿になってほしい」という教師の願いをこめた、子どもの目指す姿や方向性を書いたもの

2)『内容』とは、ねらいで考えたような姿に子ども達が近づくためには、どのような心情・技能・友達関係の体験をできるようにしていくとよいのかについて書いたもの

週案をたてるにあたって最初にすること その1:子どもの姿を読み取る

『ねらい』をたてるためには、まず、前週までの子どもの姿から発達の姿を読み取る必要があります。

子ども達の遊び、友達との人間関係、生活の仕方、集団活動の参加の視点から、子ども達の姿を振り返り、学級全体の実態を把握し、整理します。

週案をたてるにあたって最初にすること その2:『ねらい』を考える

学級の子ども達の実態が明らかになると、教育課程や長期の指導計画と照らし合わせながら、「学級の子ども達から今こんな姿が出てきている、だから来週はこんな姿になっていくと良いな・・・!」と考えていくことがポイントです。

「こんな姿に成長してほしいな」と保育者がイメージした子どもの姿が、『ねらい』ですが、子ども達の実態からあまりにもかけ離れている『ねらい』をたてても、急に目指す姿に近づけることなんてできませんよね。

そのため、幼児の実態に応じたねらいを明らかにしておくことが大切です。


週案をたてるにあたって最初にすること その3:『内容』を考える

目指す子ども達の方向性や姿が見えたら、次に考えていくことは『内容』についてです。

『ねらい』の姿に向かう過程で、具体的に「子ども達がどのような感情体験ができると良いのかな?」「どんなことに興味や関心を持てると良いのかな?」「どんなことに親しんでほしいのかな?」と保育者が具体的に子ども達が経験することを『内容』として考えていきます。

ねらい・内容を踏まえて1週間の具体的な計画を考え、作成していく

子どもの実態から『ねらい』と『内容』を考えたら、次に具体的に1週間でどのような活動を計画していくか考えていきます。

予定されている行事をおさえる

幼稚園の年間計画や月の行事予定等で既に決まっている行事もあるかと思います。

週案をたてる際には行事の日程を確認しておくことで、逆算して保育計画をたてることが必要なこともあるので、行事の確認漏れがないようにおさえておきましょう。

保育の中で具体的にどのような活動を行うか計画する

子ども達の実態や発達の時期、季節に合わせて経験してほしい遊びや集団遊び等を考えていきます。

特に好きな遊びの時間(自由遊びの時間)に経験できるようにしたい遊びに関しては、「1週間を通して遊びのコーナーを設定していこう」と計画しておくものもあります。

子どもによっては、「今日は別にやりたい遊びがあるから、保育者が意図して設定したコーナー遊びを選んでやらない」という日もありますので、数日にわたって経験して欲しいコーナーを設定しておくようにし、子どもの気持ちが向いたタイミングで経験できるようにしていきます。

(子どもが保育者から一方的にやらされるのではなく、子どもの自主性を大切にできると良いですよね♪)

学級のみんなで一緒に経験する一斉活動に関しては、ある程度「この日にちに製作を入れよう・この集団ゲームをしよう」と決めておきます。

ただ、あくまでも計画なので、子どもの実態や出席人数によって予定を入れ替えたり、翌週に変更することもあるので、柔軟に対応すること、計画の変更があったら、週案に訂正を入れておくようにしましょう。

環境構成や保育者が子どもに援助する際の配慮を考える

活動の計画をしたら、次に週の『ねらい』『内容』に対して、教師は子どもに対してどのような援助や配慮をしていけばよいか意識することについて考えていきます。

最初のうちはどのように書けば迷うことも多いかと思いますので、幼稚園で作成されている長期の指導計画や参考本から文面を参考にし、記入していくと書きやすいかと思います。

1日1日の具体的な活動の環境設定の仕方や配置等の環境構成については日案で考えるレベルのことになるので、週案では1週間を通した環境構成のポイントについて考えます。

絵本や歌を考えておくと目安になる

この絵本や歌については、週案に記入する園としない園があるところかと思いますが、時期や活動に合ったものでどのような絵本を読もうかな?何の歌を子ども達に伝えていこうかな・・・とあらかじめ考えておくことで、保育者自身も準備をすることができます。

また、ここは学年会議で学年共通にしておいてもよいところですね。

最後に大切な『評価・反省』

週案の計画の段階(週の始め)では、この『評価・反省』欄には何も書かれていません。

日々の保育を振り返り、教師の援助がどうだったか?適切であったか?という視点で評価・反省を記録しておくことが大切です。

よく、「子どもが~だった」という視点だけで子どもの様子だけを日記にしたような反省を書いている方がいますが、ここは子どもの評価を書くところではありません。


子どもの姿から、保育者自身の指導を振り返り、次の保育に活かしていくための『反省・評価』になります。

例えば「子どもの姿が~だった・・・」だから、「次は〇〇〇の環境を用意するようにしてみよう」「明日は△△△のように関わっていきた」と保育者自身の次に繋がる方向性を書いていくようにしましょう。

まとめ

今回は幼稚園における週案の立て方と書き方のポイントについて紹介しました。

週案は子どもの実態を捉えること、長期の指導計画としっかり関連させながら、実態に合った『ねらい』と『内容』を考えること、子ども達の発達において必要な経験になる活動を考えることが大切です。

また最も大切なのが週案で計画したことを実施して終わりではなく、保育者の援助がどうであったかを振り返り、翌週の保育・今後の保育に活かしていくことです。

子ども1人ひとりの発達を踏まえながらも、学級全体を見る視点で作成する週案ですが、具体的な指導では、一人ひとりの状況に応じて、子ども達が発達に必要な体験が得られるような援助を心がけていきたいものですね。

参考資料

幼稚園教育要領

幼児の思いをつなぐ指導計画の作成と保育の展開(令和3年2月) (mext.go.jp)

伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容の違いを自信をもって説明する】 | 保育塾 (hoiku-support.info)

本記事は、2023年8月9日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研チーム Maruです。主に公務員や行政関係のニュース記事をお届けします。

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