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私が公立幼稚園教諭になろうと思ったきっかけ

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私は公立幼稚園に11年正規職員として勤務していましたが、公立幼稚園教諭になる前は私立幼稚園にも3年程勤務していたことがあります。

その時は新卒で正規職員として勤めていたので、まだ年齢的にも若かったのです。

勤務して数年してからは、自分の勤務先に対して疑問を抱くようになることも多々ありました。

その中で私は『他の幼稚園も同じようなものなのだろうか?』『もっと自分が成長できる場があるのではないか?』と考えるようになりました。

また、転職する幼稚園の中でも『公立幼稚園』であれば、文部科学省の幼稚園教育指導要領に沿った『保育が展開されているのではないか』『子どもの発達や育ちに合わせた保育の勉強をしたい』『質の高い先生達も多いのではないか』と思い、公立幼稚園教諭を目指すようになりました。

では、今回は私が私立幼稚園職員として働いていた時に、どのようなことに対して不満や疑問を抱くようになったのか、公立幼稚園教諭への転職を考えるきっかけになったことについて紹介していきたいと思います。

目次

保育業務に関する疑問

私立幼稚園は、各園で経営されているので、それぞれの幼稚園の特色やカラーが出されており、園によって保育の方針や指導方法も様々だと思います。

ここでは私が公立幼稚園への転職を考え始めたきっかけとなる『私が勤務していた私立幼稚園の保育に関する疑問・不信感』について紹介していきます。

子ども達への指導の方向性に対する疑問

保育の中で年間で決まっている行事に関しては、検討の余地なく「この時期になったから〇〇をやる」ということが毎年100%決まっていたように思います。

その年の子どもの実態に合わせるということがなく、意味があるのかな?と若手ながらに思っていました。

子ども達の経験の差やグレーゾーンのお子さんが増えているように感じるこの時代、昭和から続くやり方を変えないことに疑問を抱きました。


例えば、運動会で行う年長の鼓笛隊。

運動会当日は、子ども達の完成度も仕上がっており、見栄えもするので保護者からは評判の良い競技でした。

私は当時、他学年の担当だったので客観的に見ていましたが、指導の過程は子どもの実態やスキルに合わせたものを考えるというよりは、先生達が考えるレベルに無理やり子ども達を引き上げようとしていたように思います。

そのため、強く叱るベテラン先生の姿や子どもが『覚えさせられている感』『やらされている感』を感じました。

それは、『子どもにとって意味のある活動になっているのかな?』と疑問を抱いていました。

反省会・職員会議がない

私が勤務してた私立幼稚園は、長年勤めている先生も多い幼稚園でした。

また、グループ園などもない幼稚園でしたので、異動もなく、毎年若手~中堅の先生が数名入れ替わり、残り半分は長年同じメンバーでした。

長年同じメンバーで同じところで働いていると、年間の行事の流れや保育の仕方などもある程度決まっているものがあり『だいたい皆分かっているよね、若い人達は見ながらついてきてくれたら良いから』みたいな風潮がありました。

そのため、新たに『見直しをしていこう』という考え方があまりなかったように思います。

行事をしても職員全体での反省会などはなく、『行事を終えれば良し』といったような雰囲気でした。

当時の私は若手ながらに、「ここを変えればもっとやりやすくなるのにな…」と思ったことが多々ありましたが、反省会という場がないと余計にその考えを周囲の職員やベテラン教諭達に伝えられるようなタイミングはなかったと思います。

全て手書きの非効率さ

私が勤務していた私立幼稚園は、週案、日案、個人記録は全て手書きでした。

パソコンの操作できる人達にとって、この手書きの作業というのはとてもアナログで、頭の中にある文章を手書きで書くのと、パソコンで打ち込むのとでは大きな時間の差が生じてきます。

同じ内容の文章を書くのにも、余計に莫大な時間を要し、間違えた時の訂正にも一手間かかり、非効率な時間であると日々考えていました。

毎年同じことの繰り返し・教材研究の不十分さ

年間で決まっている季節ものの製作は、毎年ほぼ同じようなものを作っていました。


こどもの日が近づいたから、「年長はビニールの大きなこいのぼりを作ろう!」と毎年同じものが、空を泳いでいた記憶があります。(15年経った今も同じものを作っているみたいです)

また、節分の時期になったら年長組は「和紙と風船で作る張り子面を作ろう!」と同じものを作っていました。

私は「何故毎年こいのぼりを作るのに、全員同じ色のビニール袋にこだわるのだろう?」「なぜ毎年同じ鬼のお面なの?」と思っていたことを覚えています。

その年の学年の先生達で、『その年の子ども達の実態からどのような経験をさせたいのか?』を話し合い『何のためにその活動をするか』・『ねらい』を明確にした上で、様々な素材の経験ができれば良いと思うのです。

毎年毎年ある時期がきたら、先生達が当たり前のように同じものの教材準備をし、前年度までの子ども達と全く同じものを作らせるのは、先生達にとっては『教材研究を通して考える』ということをしないので、ある意味楽なのかもしれません。

ただ、若手の私にとっては学年で教材研究の時間をしないことによって、保育の引き出しを年々増やしていけるという気が全くしませんでした。

給料の低さ

私立幼稚園は給料がとても低かったように思います。

2010年頃でしたが、当時の初任給は手取り13万程だったと思います。

13年前ではありますが、昭和の時代でもないのでそこまでお金の価値も現在と大きく変わっていない頃です。

賞与や手当もささいな額で、実際のところ給料の低さも気になっていました。

公立幼稚園教諭は公務員なので同じ幼稚園教諭の仕事をしても地方公務員として定められた給料が支払われることから、これから長く幼稚園教諭の仕事を続けていく上では、その差は大きく開いていくであろうと感じました。

まだ独身でしたので、将来どんな相手と結婚できるかも分からず、自分である程度の収入も得ておきたいという思いも増し、公立幼稚園教諭を視野に入れるようになりました。

業務に関係のないイベントのわずらわしさ

私が勤務していた私立幼稚園は家族経営の幼稚園でした。

それもあってか、どこから経費を落としているのか不明な業務とは関係ないプライベートの時間を削られるようなイベントも多々ありました。

一昔前は職員間の仲を深めるためという意義のある親睦会だったかもしれませんが、現代は世間一般的にも昔に比べてそういった親睦会は減ってきていると思われます。

当時の私もわずらわしさを感じていましたが、具体的にどのようなイベントがあったのか参考程度にご紹介します。

職員旅行

年に1回、幼稚園が夏休みの時期に職員旅行を実施していました。

ベテラン教諭で断る勇気のある先生以外は、半強制的なイベントでした。

若手が交代で幹事をさせられ、夕飯のあと若手の先生達による出し物や、バスでの移動中にはバスガイド的役割を任されました。


正直、若者にとっては苦痛でしかありませんでした。

毎学期の反省会という名の無駄に高級なお食事会

学期の終わりのたびに、反省会という名前のお食事会もありました。

経費は全部幼稚園持ちでしたが、高級フランス料理に毎回連れていかれ、理事長達は『先生達にふるまってあげている』というような態度でした。

その分このコース料理の代金を手当として支給してほしいという思いの方がはるかに強かったです。(笑)

お中元・お歳暮

小さな幼稚園でしたが、お中元やお歳暮もありました。

若手は学年主任・園長・理事長にお中元とお歳暮を送っていました。

1人あたり3000円程度のものでしたが、3人となると10000円程度。

それを夏と冬の年2回、年間20000円の出費でした。

月13万の低月給で20000円の出費は痛すぎるものでした。

学年主任にお中元・お歳暮を贈っているところは、果たしてどのくらいあるのでしょうか…。

でも、もちろん誰も『やめよう』なんて言い出せる雰囲気ではありませんでした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

保育に関する中で抱いた不満や疑問から『私はここでは成長できない』『私の20代この職場で終わってよいのか?』『一般的な幼児教育の世界を見ておきたい』と考えるようになりました。

また、給料の低さや業務に関係のないイベント、必要あるのかと思う文化のわずらわしさもあって、私は私立幼稚園から公立幼稚園教諭になると決意するに至りました。

私の場合人間関係で悩んでいることはありませんでしたが、自分が『何に不満があって何を求めて転職したいのか』を明確にしていたことで、転職への後悔は全くありませんでした。

公立幼稚園に転職して、本当に良かったと思っています。

みなさん、それぞれ自分が勤務している園での不満や疑問を抱えているかと思いますが、自分の考え方と似ている価値観の人達の中で気持ちよく仕事ができると良いですね。

本記事は、2024年2月23日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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