幼稚園教諭と保育士、どちらが家庭と両立しやすい?



私は公立幼稚園教諭として11年勤務し、その後民間の託児所でパートとして勤務をしています。

働き方を変えたのは、「自分の子育てに悔いのないよう我が子と過ごす時間も十分に確保したい」という思いがきっかけでした。

そもそも私が保育士ではなく幼稚園教諭になろうと思った理由は『自分も幼稚園出身だったから・幼児教育の視点で子ども達と関わりたいから・夏休みがあるから(笑)』でした。

ただ、現在は幼稚園教諭としてパートをしているわけではなく、保育士としてパートをしています。

今回は私の考えや体験談もまじえながら、『幼稚園教諭と保育士、どちらが家庭と両立しやすいか』についてご紹介していきたいと思います。

幼稚園・保育園に共通した『家庭との両立』の視点で辞めてしまう理由は?

幼稚園教諭でも保育士でも、出産をして子育てが始まると家庭との両立をすることに困難さを感じ、辞めてしまう方がいるのが現実です。

では具体的にどのような理由が、家庭との両立を難しくしているのでしょうか。

1)持ち帰りの業務が多い

幼稚園や保育園は日中子ども達の保育をしながら、幼稚園では子ども達の降園後、保育園では子ども達の午睡中に、掃除、行事の企画、教材準備、職員会議など様々な業務を行っています。

ただ、業務量の多さから勤務時間内に仕事を終えることができず、持ち帰って仕事をしている方も多くいます。

持ち帰って仕事をするということは、家庭で家族とゆっくり過ごす時間を削っているということに繋がるのです。

2)休みが取りにくい

幼稚園では4歳児・5歳児クラスは1人担任を任され、保育園でも4歳児・5歳児を受け持つと1人担任になります。


(保育園では3~5歳児が1つのクラスで幼児組として過ごす場合には複数の先生で見ているところもあるようです)

自分の体調不良や我が子の体調不良で休みを取ると、代わりに誰か他の先生にクラスに入ってもらう必要が出てきます。

保育士の数が足りていないと言われている昨今、「代わりがいないから休むわけにはいかない」「休みずらい」と思うことは当たり前のようにあるところも多いのではないでしょうか。

家庭と両立しやすい環境ってどんな職場?

では、保育士・幼稚園教諭自身に小さい子どもがいても、働きやすい環境・家庭と両立しやすい職場とはどのような環境になるのでしょうか。

1)産休育休など子育てしやすい制度が整っている

産休育休の制度がしっかり整っているところは、出産を控える方にとっても安心できる職場ですね。

育休から復帰した後も、看護休暇や子どもの通う園での行事に参加するための休みなど、休みが取りやすいかどうかも大事なポイントです。

その点は公立幼稚園や公立保育園であれば、間違いなく制度的には充実しています。

2)職員間でサポートしあえる環境がある

職場で子育てに対して理解してくれている先生達が多いか、子育て中の先生達が多いかもポイントです。

子育てをしている先生達が多いということは、家庭をもっていても働きやすい環境であることの証拠の1つになりますね。

業務を職員間で分担したり、手が空いている先生がすぐにサポートに入ったりすることができるチームワークがあるかも大切です。

3)突発的な休みにも柔軟に対応できる

小さい子どもがいると、頻繁に熱を出したり、保育園から呼び出しの電話がかかってくることも増えます。

予期せぬタイミングで、仕事を休まなくてはならないこともしばしば。

そんな時には、申し訳ないと思いつつも休むことができる環境かどうかは大事です。

代わりに保育を担当してくれる職員がいない園に勤務していると、自分がなんとかして出勤しなくてはならないと思い無理をします。

結果、我が子が辛い時にも側にいてあげられず申し訳ない気持ちになったり、休みの取りにくさから辞めたい気持ちに繋がったります。


総合的に見て幼稚園教諭と保育士どちらの方が家庭と両立しやすいか?

これまでの話をふまえて、幼稚園教諭と保育士、どちらが家庭と両立しやすいかというと、私個人的には『保育士』の方が家庭との両立はしやすいと考えます。

幼稚園と保育園とを分けた視点で、その理由についてみていきたいと思います。

幼稚園教諭はなぜ家庭との両立がしにくいと考えるのか?

やはり幼稚園教諭は年中・年長になると基本的に1人で30人近い子ども達を受け持つことになります。

どんなに周りの職員に助けてもらったとしても、学級担任として自分しか考えられないことも多く、年度末の指導要録を始めクラスの子ども達に関わる書類作成は他の先生に頼んで任せることは基本的には難しいでしょう。

また、子ども達の年齢的にもできることが増え、行事も多くなり、準備に費やす時間も多くなりがちです。

行事や発表会の際に、クラス担任が突発的な休みをとるのはほぼ無理だと思います。

保育士の方が家庭との両立をしやすいと考えるのはなぜか?

その点、保育士は乳児クラスだと複数担任で子ども達を見ていくので、一緒に組んだ先生と分担して教材準備をしたり、企画したりしていけるので、業務を分け合って仕事をすることができます。

また、行事といってもそこまで大きなことはまだ子ども達の年齢的にもできないので、保育時間以外の先生の負担も比較的少なめでしょう。

(もちろん、乳児なので怪我の面や誤飲の面など保育中に注意しなければならないことは多いので、乳児クラスが楽と言っているわけではありません)

また、保育園はシフト制の園も多いと思うので、平日に休みを取りたい人や、夫と協力して早番遅番がある方が働きやすいという方もいるかもしれません。

また、乳児クラスは子ども達の動きもそこまで激しくないので、体力的に厳しくなってくる年齢でも子ども達を見守りやすいと思います。

(実際、子育てを終えられた年齢の方達が乳児クラス担任をされているところも多いです)

働き方を見直してみるという方法もある

私も子どもができるまでは正職員で残業しながらフルタイムで働いていましたし、育休明けもフルタイムで復帰をしました。

公立幼稚園勤務でしたので『時短勤務』が制度としては存在していたものの、正職員なので『学級担任』はほぼ避けられないような環境の中、現実的に時短勤務という制度を使うことはできませんでした。

また、通勤時間も1時間以上かかっていたので、フルタイムで同じ場所で働き続けることは難しく、結局公立幼稚園を退職しました。

(長く勤務していたところで、正職員のまま時短勤務に変えることができるのならベストだと思います!)

今は、自宅から近くの民間託児所で保育士としてパートをしているので、時間も短く、立場的にも正職員よりかは休みも取りやすく、家庭との両立のしやすさという面では満足する働き方だと思います。

保育士や幼稚園教諭は資格職なので、子どもが小さいうちはパートという働き方に変え、子どもが大きくなったら正職員としてまた働くという選択もありなのかなと個人的には思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。


今回は幼稚園教諭と保育士、どちらが家庭と両立しやすいか?というテーマで私の体験談から個人的な考えも含めて紹介しました。

保育士の方が、担当する子ども達の年齢によって体力面的にも働きやすいので、年齢的にも長く勤めることができると思います。

また、複数の担任で学級の子ども達を見ていくことができることから仕事を分担して業務量を軽くすることが可能という点から、家庭との両立はしやすいのではないかと個人的には思います。

ただし、子育てしやすい制度が十分に整っていたり、職員同士で十分にサポートしあえる環境、休みが取りやすい環境であれば、保育士でも幼稚園教諭でも、子育てとの両立は可能かと思います。

自分の家庭を大切に、自分の子育てに後悔のないよう、パートや時短勤務という働き方を選択するのも1つの方法かと思います。

自分のライフスタイルや考え方を踏まえて、幼稚園教諭か保育士かどちらになろうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。

本記事は、2024年2月27日時点調査または公開された情報です。
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