幼稚園では、降園時間の前に『帰りの会』をしているところが多いのではないでしょうか。
『帰りの会』と呼ぶのか、『帰りの集まり』と呼ぶのか等名称の違いや、会の細かい流れや順番については、幼稚園によってそれぞれだと思います。
私が幼稚園で勤務していた頃はずっと『帰りの会』と呼んでいたので、今回の記事では『帰りの会』にしていきたいと思います。
初めて学級担任を持った初任の先生や幼稚園教諭を目指す学生さんの中には、「帰りの会って何するの?」「どんな話をしたら良いの?」と思う方もいるかもしれません。
今回は、帰りの会とは何か、帰りの会の流れの一例やポイントについてご紹介していきたいと思います。
帰りの会とは?
帰りの会とは、幼稚園の1日の生活の終わりに学級全員で集まって、保育者の話を聞いたり、子ども達の話を学級全体で共有したりする時間です。
帰りの会の中で、その日1日の振り返りをすることで「今日1日楽しかったな!こんなことできたな!」と楽しさの余韻を感じながら、明日の予定を確認することで「明日も幼稚園に行くのが楽しみだな!」「早くまた来たいな」という思いを、子ども達に持ってもらうために行います。
帰りの会の流れ
帰りの会のやり方や、流れについては、勤める幼稚園によって細かな違いはあると思いますが、一例として私が受け持っていた学級の帰りの会の流れについてご紹介します。
1)身支度を済ませて座る
子ども達は、制服に着替え、タオルやコップ等自分の所持品を鞄に入れ、身支度が済んだら、自分のグループの列に並んで座って待ちます。
帰りの会では、後々小学校での生活に結び付けていくためにも、『椅子に座る』という習慣を身につけていけると良いでしょう。
週末は上履きやカラー帽子、上履きなど持ち帰るものも多いため、遊びの時間を早めに切り上げて身支度に取り掛かることができるようにしてあげると、子ども達も余裕をもって身支度することができます。
また、身支度には個人差がありますが、せっかく早く身支度できた子達が『ただ待たされるだけ』の時間にならないよう、手遊びをしたり、歌を歌ったりして待てるようにしましょう。
『やらねばならないことを早く終えると、楽しいことが待っている』となれば、子ども達もてきぱきと身支度を進めていくことができます。
身支度に補助が必要な子がいる場合はフリーの先生にお願いしたり、お願いできる先生がいない場合は身支度が始まった早めの段階で担任がフォローに入っておくと良いです。
2)配布物をしまう
子ども達は、幼稚園からの配布物を自分の鞄にしまいます。
年少や年中であれば、保育者が折った手紙を入れるだけでも良いですが、年長になったら自分で『手紙を折る』ことができるようにしていくのがオススメです。
『紙の角と角を合わせて半分に折る』ということを日々の生活の中で繰り返し行うことで、指先を使う機会を作ることができます。
3)その日1日の振り返りをする
子ども達は保育者の話を聞きながら、「今日1日の中でみんなでしたこと・楽しかったこと」を振り返っていきます。
また、保育者だけが一方的に話をするのではなく「今日嬉しかったことがあった人?」「友達の良いところを見つけた人?」「何か頑張ったことがある人?」などを子ども達に聞き、子どもが学級の友達の前で自分の言葉で話をする機会も設けると良いでしょう。
人前で話すことに少しずつ慣れていくことができると共に『自分の話したことが周りの人に伝わった嬉しさ』も感じることができます。
4)明日の予定を聞く
子ども達は、保育者から明日の活動の予定を聞くことで、明日への期待感をもつことができます。
1日の流れを、年少・年中クラスであれば絵カードと文字で、年長クラスは文字だけでホワイトボードなどに書き、話を耳で聞くだけでなく、目で見ながら確認することで、見通しをもつこともできます。
特に、普段と異なる生活の流れがある日、行事がある日に関しては、子ども達が不安にならないよう、前もって予告しておくことが特に大切です。
5)明日の当番を知る
年中・年長の頃になると時期と学級の実態によって、当番活動がある幼稚園も多いと思います。
『明日の当番が誰か』を確認しておくことで、当番に該当する子どもは、自分の役割を意識し、『明日は当番がんばろう!』というモチベーションに繋げることができます。
帰りの会の中で、その日の当番の子どもが当番カード(名前や顔写真・顔の絵が書かれたもの)をめくり、次の当番をみんなの前で発表するという方法をとっている幼稚園が多いかもしれません。
ただ私が年長クラスを受け持っていた時には、『子ども同士の伝えあい』を大切にしたかったので、帰りの会が始まる前までに、その日の当番が翌日の当番の子どもに「明日当番よろしくね」と個人的に声をかけ知らせていくことを習慣づけるようにしていました。
そのため、帰りの会の中で私が「明日の当番さんは誰ですか?」と聞いた時に、翌日の当番の子ども達が手をあげられると『当番同士で伝えあって引継ぎができた』ということになります。
逆に、誰の手もあがらない場合には、『当番同士の伝えあいができていなかった』ということになります。
当番の引継ぎ1つをとっても『相手に伝えないと分かってはもらえない』ということを、子ども達は生活の中で学んでいくことができます。
6)絵本や紙芝居を見る
季節の絵本や行事に関わる紙芝居など、その時期にあったものや子ども達に伝えたいものを中心に複数冊選んでおきましょう。
帰りの会の進み具合によって、時間が余れば2冊程読めるかもしれません。
また、日々の遊びのきっかけになるような絵本もオススメです。
7)帰りの歌
帰りの歌とあわせて、時間に余裕があれば季節の歌も一緒に歌うこともあります。
『歌う時にはフラフラしない』『優しい声で歌う』等、歌う時の姿勢についても日々の中で伝えていくと良いでしょう。
8)挨拶
挨拶の際は、『気をつけをする』『相手の目を見る』など、基本的なことも子ども達に日々の生活の中で伝えていきましょう。
9)降園
帰りの会が終わったら、グループごとに椅子を片づける、バス便ごとに移動を始める等、子ども達が一斉に動きだして怪我等に繋がらないよう、また椅子置き場が混雑しないように順番に子どもを誘導していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、帰りの会とは何か、帰りの会の流れの一例やポイントについてご紹介してきました。
帰りの会は、子ども達の幼稚園で過ごす1日のまとめになる大切な時間です。
子ども達が落ち着いて参加できるように時間を組み、子ども達の成長や明日への活動の期待に繋がるような時間にできると良いですね。
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