経済効果1.8兆円規模!アメリカにおけるイースター(復活祭)とは?

トランプ大統領は、3月末に、「新型コロナウイルスをイースターまでには除去する」と発言しました。しかし、日本では「イースター」はあまり馴染み深い行事ではありません。

本記事では、アメリカにおいて経済効果の高い行事である「イースター」について、徹底解説します。

はじめに

みなさんはイースター(Easter)という言葉を聞いたことはありますか?

イースターは日本語にすると「復活祭」となり、イエス・キリストが復活したことをお祝いする日です。キリスト教にとってイースターは、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスと同じほどに重要とされています。

皮肉なことに、2020年のイースターは別の意味で注目されています。その理由は、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカで、トランプ大統領が「イースターまでには除去する」と発言したことがあり、事態の終息やアメリカ政府による対策の有効性を判断するひとつの「節目」とされているのです。

そこで今回は、いつもと違うイースターを迎えるアメリカから現在の様子やイースターの基礎知識、日本への影響や経済効果などをまとめてご紹介します。公務員を目指す方はアメリカの重要なイベントであるイースターのことを常識として学んでおいて下さい。

イースター(復活祭)の基礎知識

はじめにイースターとはどのようなものなのか基本的なことをご紹介します。

イースターの意味は?

イースターは、イエス・キリストが十字架にかけられて処刑された金曜日から3日目の日曜日に復活したという伝えをもとに、キリストが復活したことをお祝いする日のことです。

キリストの誕生(クリスマス)よりも復活したことの方が重要と考える人もいることから、イースターは宗教的に重要な意味を持つ日とされています。このことから、キリスト教徒の中ではクリスマスとイースターのふたつは特別な日と言えます。

英語のEasterは諸説あるものの、ゲルマン神話に出てくる春の女神「Estore」や、ゲルマン人が春の月を「Eostremonat」と呼んでいたことに由来しているともされています。日本語ではキリストが復活したことをお祝いすることから「復活祭」と呼ばれています。

イースターはいつ?

イースターの日は毎年変わります。その理由にはイースターは「毎年、春分の日以降、最初の満月の日の翌日曜日」という決まりがあるためです。この決まりがあるため、イースターは毎年異なります。

2020年のイースターは4月12日、2021年は4月4日、2022年は4月17日と決まっていますが、基本的には4月初旬から中旬と考えて良いでしょう。イースターは毎年4月ということもあり、春の訪れを告げるイベントとしても知られています。

ちなみに、イースターの日は同じキリスト教であってもカトリックやプロテスタントの西方教会と、ギリシャ正教などの東方教会で異なります。西方教会はグレゴリオ暦、東方教会はユリウス暦を用いているため両者でズレが生じるのです。

ただし、両者とも「毎年、春分の日以降、最初の満月の日の翌日曜日」という決まりは同じで、アメリカでは西方教会のグレゴリオ暦が主流です。

イースターでは何をするの?

現代のイースターは午前中に礼拝、午後は家族や友人と集まってパーティーをすることが一般的です。家庭によっては豪華な料理を用意したり、菓子パンやケーキなどスイーツを充実させる場合もあります。サンクスギビングデー(感謝祭)のように七面鳥を焼くというような定番の過ごし方はなく、あくまでもイースターの過ごし方は人それぞれです。

ちなみに、2020年のイースターは新型コロナウイルスの影響を受けて、教会で実施する礼拝が中止になっているところが多く、Zoomなどを利用した「オンライン礼拝」や「ストリーミング礼拝」などを実施する異例の事態になっています。(アメリカにある多くの教会は毎週末の礼拝も原則禁止されています)

イースターの象徴

イースターでは「卵」と「うさぎ」が象徴です。卵は生命の始まりを意味し、うさぎは多産であることから繁栄の象徴とされています。

卵にペイントを施した「イースターエッグ」や、卵形のチョコレートなどはイースターの名物です。また、うさぎが卵を庭に隠したという言い伝えから「エッグハント」という遊びが始まり、子どもがいる多くの家庭では、庭にイースターエッグを隠して見つけるという遊びが行われています。

ちなみに、筆者が暮らしているアリゾナ州では、エッグハントで遊んでいる子どもが庭に隠れていたガラガラヘビやサソリに襲われる事故が起きるため、毎年のように注意喚起がされています。

イースターによるアメリカへの経済効果

イースターはキリスト教にとって重要な日であることに違いありませんが、アメリカ経済に与える影響も大きいと言われています。人口のおおよそ70%がキリスト教徒とされるアメリカでは、イースターは毎年1.8兆円規模の経済効果があるとされています。

アメリカでは、2019年のハロウィンによる経済効果は約9,000億円ですので、いかにイースターによる経済効果が大きいかが分かると思います。ちなみに、クリスマスは約1兆ドル(108兆円)規模の経済効果があるとされていますが、アメリカではクリスマスが1ヶ月程度続くことから、イースターやハロウィンと比較するのは適していません。

直近のイースターではアメリカ人の81%が何かしらのお祝いをし、平均して一人当たり150ドル程度の支出をした計算になります。内訳では衣類、食べ物、お菓子、ギフト、お花、デコレーションなどが占めています。

イースターはキリスト教徒が少ない日本ではあまり馴染みがないため、ここまでの経済効果を生み出すものと認識している人は少ないようです。しかし、アメリカではハロウィンよりも遥かに大きな経済効果をもたらすイベントであることを覚えておくと良いでしょう。

イースターは日本で受け入れられるのか?

イースターはアメリカだけで経済効果を生んでいる訳ではありません。実はキリスト教が少ない日本でも着実に受け入れられつつあります。

イースターは経済の成長分野

日本では直近10年ほどでハロウィンが定着してきました。ハロウィンによる経済効果は昇り調子で、ビジネスチャンスと捉える企業も増えています。その証拠に、2015年の時点でハロウィンによる経済効果が1,220億円に達し、前年度のバレンタインデーの経済効果1,080億円を抜いています。

このことは、宗教や文化も異なる日本でもアメリカの伝統的な文化が受け入れられることを示しており、ハロウィンの次はイースターがビジネスチャンスになると色めく企業も出始めています。

事実、日本のイースター市場は着実に成長しており、2012年からの4年間で373.9%の成長率を記録しています。調査によると、イースターによる日本での経済効果はおおよそ8億円になるとされています。(市場調査会社・富士経済調べ)このような傾向から、日本でも将来的にはイースターによる新たな経済効果が生まれる需要は十分にあると言えます。

イースターが日本で受け入れられる理由

日本ではほとんど知られていなかったイースターが広まりつつある背景には、2010年から始まったディズニーによる「ディズニー・イースター」があるとされています。イースター専用のパレードや、卵やうさぎのグッズなどをモチーフにした物販戦略が定着してきたことから若者層を中心にイースターが浸透したのです。

また、イースターはインスタ映えしやすい可愛らしいカラフルな卵やうさぎが象徴であることや、定番の過ごし方が決まっておらず楽しみ方が自由という点も受け入れられている理由とされています。卵にペイントするイースターエッグや、エッグハントなど子ども受けしやすい楽しみ方があることも魅力と言えるでしょう。

2020年のイースターはどうなる?

アメリカのトランプ大統領は3月25日時点で新型コロナウイルスはイースター(4月12日)までに除去し、アメリカは通常の状態に戻ると発言しました。また、イースター当日にはアメリカ中の教会が満員になると意気込みました。

しかし、予想に反してニューヨーク州を中心にした感染は拡大し、ニューヨーク州では1日の死亡者数が連日700名を超える事態になっています。教会は満員になるどころか、アメリカ中の教会が閉鎖される事態が続いており、トランプ大統領の強気で楽観的な見方が露呈しました。

イースターはキリスト教にとって非常に重要な日であり、アメリカ経済にも大きな影響を与える日ですが、2020年のイースターは例年とは全く異なる日になりそうです。いつもなら飛ぶように売れるイースターのお菓子が売れず、早い時期から半額セールを実施するお店や、自治体がイースターを理由に集団で集まることを警告する事態になっています。

他にも、イースターの際に売れる衣類やお花、デコレーション、ギフトショップなどは必要不可欠なサービスでないためほとんどのお店が閉鎖しており、経済的な損失は計り知れないものになるでしょう。

イースターまでに通常のアメリカが戻ると発言したトランプ大統領は、コロナウイルス対策で再び失態を踏むことになりそうです。

まとめ

アメリカではイースターは宗教的な面でも経済的な面でも非常に重要な日です。日本でも着実に浸透しつつあるイースターですが、2020年のイースターに関しては新型コロナウイルス問題が終息するひとつの目安とされているため、トランプ政権にとっては気まずいイースターになるかもしれません。初期対応から楽観視が続いているトランプ大統領にアメリカ国民の厳しい目が向けられています。

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本記事は、2020年4月15日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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