政令指定都市シリーズ第12回「京都市」について

地方自治体特集「政令指定都市」シリーズ、第12回は「京都市」です。

京都府にある「京都市」の人口は2018年12月の時点で約147万人と、神奈川県川崎市に次いで国内8番目です。そんな「京都市」とはどんな都市なのか解説します。


「京都市」について

京都府の府庁所在地である「京都市」は、同府南部に位置する初代政令指定都市です。人口は2018年12月の時点で約147万人で、川崎市に次いで全国8番目の都市であり、京都府の人口の約57%を占める同府最大の都市です。都道府県全体の人口の過半数を占める年は、東京23区以外では京都市のみです。

市域面積は、約830平方キロメートルで、森林が市域の4分の3を覆っています。また、市内に1000年以上にわたり日本の首都であった平安京が置かれていたことから、古都として知られ、多くの神社仏閣をはじめ、古い町並みが残り、国内外から多くの観光客を集める「国際観光文化都市」に指定されています。同時に、市内には多数の大学が点在し、国内外から学生や研究者が集まる学園都市でもあり、「国際会議観光都市」にも指定されています。

政令指定都市の「京都市」には、現在11の行政区(北区、上京区、左京区、中京区、東山区、山科区、下京区、南区、右京区、西京区、伏見区)が置かれています。

また、「京都市」の気候は、瀬戸内海式気候、日本海側気候と内陸性気候を併せ持ち、夏と冬の寒暖差が激しく、1日の気温差も大きいのが特徴です。郊外は中心部に比べて冬の寒さが厳しく、中心部で降雪がなくても、北の左京区や北区では積雪が見られ、氷点下になることがあります。一方、夏は暑さがとても厳しく、平年の猛暑日日数は15.4日で47都道府県庁所在地で最も多いです。

>京都市のホームページ
http://www.city.kyoto.lg.jp/

「京都市」の成り立ち

「京都市」の成り立ちは、1898年(明治31年)9月末に市制特例が廃止され、同年10月に初代市長が就任し、市役所が開庁されたことに始まります。人口の増加と市街地の拡大に伴い、明治末期から大正初年にかけて都市基盤整備事業が行われ、都市計画道路事業や市電の敷設も進み、1932年(昭和7年)には人口が100万人を突破しました。1956年(昭和31年)9月1日に他の4市とと共に、初代の政令指定都市に移行しました。京都市設置時は、上京区・下京区の2区でしたが、度重なる分区・合併を経て、1976年(昭和51年)に現在の11区となりました。

歴史的には、794年に成立した日本の首都である平安京を基礎とする都市で、約1000年にわたって都として栄えたことから「千年の都」とも呼ばれています。平安・室町時代には唯一の政治の中心で、鎌倉時代以降、江戸時代の幕末期などにおいても日本の政治の中心地としての役割を果たしました。

京都市長「門川 大作」(かどかわ だいさく)さんはどんな人?

2008年2月から京都市長を務める「門川大作」さんは、1950年11月23日に京都市で生まれました。高校卒業後、京都市教育委員会に就職し、同時に大学にも通いました。2001年に京都市教育長を経て、第26代の京都市長となり3期目になります。市長就任後、Jリーグに加盟する京都サンガF.C.の顧問も務めています。

好きな言葉は「共汗」、信条は「心を込めて全てを大切に」だそうです。

>京都市長公式ホームページ
http://www.kyoto-daisakusen.jp/

「京都市」の行政プラン

「京都市」の行政プランは、2011年度から2020年度までの10年間の基本計画として、市民と行政が共に汗を流して協働する「共汗型計画」、政策の優先順位を明確にして、目標への筋道を示す「戦略的計画」であるとしています。


「生活者を基点に、参加と協働で地域主権時代を切り拓く」を都市経営の理念とし、10年後に目指すべき京都の姿として以下の6つの未来像を掲げています。

1) 地域環境にくらしが豊かに調和する「環境共生と低炭素のまち・京都」
2) 歴史・文化を創造的に活用し、継承する「日本の心が感じられる国際都市・京都」
3) 伝統と知恵を生かし、豊かな生活を支える「環境と社会に貢献する産業を育てるまち・京都」
4) だれもがともに学び成長し、未来を担う若者が育つ「学びのまち・京都」
5) いのちとくらしを守り、安心・安全で幸福を実感できる「支え合い自治が息づくまち・京都」
6) 人間らしくいきいきと働き,家庭・地域で心豊かに生活できる「真のワーク・ライフ・バランスを実現するまち・京都」

また、上記の未来像実現のために、下記の優先的に取り組むべき11の重点戦略を設定しています。

1) 市民ぐるみで,くらしやまちの変化を実現する「低炭素・循環型まちづくり戦略」
2) ひとと公共交通を優先する「歩いて楽しいまち・京都戦略」
3) 歴史都市の品格と魅力が国内外のひとびとを魅了する「歴史・文化都市創生戦略」
4) 魅力ある地域資源と既存の都市インフラを生かす「個性と活力あふれるまちづくり戦略」
5) 世界が共感する「旅の本質を追求する観光戦略」
6) 京都の知恵や価値観を生かした「新産業創造戦略」
7) 夢と希望がもてる「未来の担い手育成戦略」
8) 子どもと親と地域の笑顔があふれる「子どもを共に育む戦略」
9) 仕事と家庭,社会貢献が調和できる「真のワーク・ライフ・バランス戦略」
10) だれもが参加したくなる「地域コミュニティ活性化戦略」
11) 安心・安全と生きがいを実感できる「いのちとくらしを守る戦略」

まとめ

以上、地方自治体特集「政令指定都市」シリーズ、第12回は京都府の「京都市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年8月25日時点調査または公開された情報です。
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