まさかこのくらいで逮捕?アメリカ警察官の犯人逮捕に対する認識の違い

警察組織はどこの国にでもある、市民の安全を守るための組織ですが、国が違えば持っている権力や、逮捕に対する認識も違います。

アメリカの警察が行使する権力は、日本とは比較にならないほど大きく、日本国内ならさほど問題にならないような事でも、逮捕されるなど大問題が起こる事もあります。

本記事では、アメリカ警察官の犯人逮捕に対する日本との認識の違いについてまとめました。


はじめに - 日本とアメリカ、警察の権限の違い

日本の警察官が逮捕権を行使するためには、現行犯であるか、容疑者に逮捕状が出ているかなど、確実に罪を犯している保証が必要になります。

しかしアメリカでは、現場で対応している一人ひとりの警察官の判断で、犯罪を犯している十分な証拠がなくても、身柄を拘束する事ができます。そのため警察官に少しでも不信感を持たれたり、危険があると判断されると、たとえ無実の人でも逮捕される可能性があります。

ミネソタ州のミネアポリスで、警官に頸部を膝で押さえつけられ死亡した黒人男性、ジョージフロイドさんの事件でも、「何か薬物を使っているように見えた」とか、「コンビニエンスストアーで偽札を使って買い物したらしい」など、曖昧な理由や憶測で警察官に拘束され、窒息死してしまいました。

日本では考えられない逮捕理由

アメリカの警察官は、日本の警察官とは比べものにならない程、気が短くて、時によっては非常に暴力的になります。指示された通りにできなくて、厳しい顔の警官に大声で怒鳴られるなどと言うのは、ほんの序の口です。怒鳴られたことに納得がいかず、警察官の現場指示を不服に思って、非協力的な態度や言動をしただけで、逮捕されてしまう事もあります。

日本の警察官なら苦笑いで許してくれそうな、横断道路を通らず道路を渡ったなどでも、運が悪ければ道路交通法を守らなかったと言う理由で、逮捕される場合もあります。

アメリカでは警察に大人しく従うのが得策

もし自分の車のすぐ後ろで、パトカーが青色のランプを点滅させていたら、身に覚えがなくてもすぐ停車しましょう。たとえ自分に交通違反をした覚えがなくても、無意識にふらつき運転をしていたのかもしれません。自分に非がないからとそのまま走っていると、逃走を企てたとして逮捕されてしまいます。

日本なら過労か、もしくは飲酒運転が原因のふらつき運転も、アメリカでは麻薬や違法薬物中毒が原因の場合も数多くあり、職務質問の際、精神錯乱を起こし、いきなり殴りかかってくる運転手や、銃を撃って反撃してくる人もいるので、職務質問をする警察官も命がけです。

そのためすぐに車を止めない運転手は、質問に先立って、いきなり警官に銃を突きつけられ、手錠をかけられる可能性もあります。しかしもし、警察官が問題ないと判断した場合、開放してくれるはずなので、それまでは逆らったり文句を言ったりせず、大人しく従うのが得策です。

お酒を飲み過ぎて、繁華街の歩道や駅で座り込んでしまっている人に、警察官が肩を叩きながら声をかけている光景、日本ではよく見かけます。しかしアメリカでは、公衆で酔っ払って、正常な行動を取れなくなってしまうこと自体が、犯罪とみなされているので、もし声をかけてきた警察官を払い除けようとでもしたら、暴力的な行動をとったと思われ、間違いなく逮捕されます。

子どもへの躾や留守番でも逮捕の可能性あり

普通の生活の中にも、逮捕の危険は潜んでいます。子供に体罰を与えるのは、アメリカでは犯罪なので、スーパーやレストランの中でぐずる子供を、つい声を荒らげて怒ったのを店側から警察に通報されると、駆けつけた警察に幼児虐待で逮捕されます。

それ以外にも、もし子供が学校で「昨日親からお尻を叩かれたので、今日はあまり元気がない」などと担任の先生に言ったりすると確実に調査が入り、ことと次第によっては逮捕されてしまいます。


アメリカでは保護者なしで子供を放置した場合、たとえそれが大事に至らなくても、厳しく取り締まられます。日本では当たり前の子供だけでのお留守番やお使いなど、アメリカではとんでもない犯罪です。もし通報されると、大抵の場合、親は逮捕され子供は公的機関に保護されることになっています。

夫婦喧嘩で逮捕

日本でも、隣人に聞こえるほど大きな怒鳴り声や物音を立てると、警察に通報されてしまいますが、逮捕に至ることはまずないと思います。しかしアメリカでは、ただの夫婦喧嘩でも、どちらかが叩かれた跡や、手の跡が残るほど強く握ったりした、暴力の痕跡を警官が発見した場合、相手はまず間違いなく傷害容疑で現行犯逮捕されます。

ヘラヘラしてるように見えるだけで逮捕の場合も

警察官に車を止められたり、職務質問されたり、あるいは何かしらの事情を聴かれているときというは、非常に不安なものです。日本人の中には不安な時、つい笑ってしまう人がいると思いますが、そういったナーバスラフでさえ、運が悪ければ警察官を苛つかせ、逮捕の原因になる場合もあります。

アメリカでは、日本人特有のあいまいな笑みを「ヘラヘラしている」と取られてしまうこともあるので、注意が必要です。

逮捕された後はどうなるのか

もし警察に逮捕された場合、管轄内の警察署に連れて行かれ、留置所に拘束されるのは日本と同じです。しかしアメリカでは、保釈金を払えばすぐに留置所から出してもらえる事もあるので、保釈金の手続きを頼める相手、もしくは手続きを頼める相手に連絡をとってくれる人に連絡を取れるか取れないかで、運命が大きく変わります。

逮捕後、一度だけ電話で外部に連絡ができます。しかし相手に繋がらない場合でも1回は1回なので、確実に電話が繋がる所、または人に電話ができなければ、裁判までの約1ヶ月留置所から出られなくなる、などという事も起こります。

どんな理由でも警察官に逮捕されると、最終的には裁判所に召喚され、判決が下されます。大抵の場合、軽犯罪は司法取引(お金で解決)を提案されます。しかし司法取引をして有罪を認めてしまうと、アメリカでの犯罪逮捕歴がついてしまいます。

アメリカ市民に犯罪歴がある場合、将来の就職や進学に確実に影響します。外国に観光旅行に行きたくても、入国拒否される場合もあります。アメリカ市民でない場合は(永住権を持っている人も)ビザの更新ができなくなり、有効期限のあるビザも無効になり、強制送還や将来アメリカに入国拒否をされる事もありえます。そうならない為には、とにかく犯罪を起こさない事が一番ですが、もし万が一警察に逮捕された場合は裁判所に呼ばれる前に、自分の国の大使館や領事館に連絡をした方がいいと思います。

まとめ

以上、「まさかこのくらいで逮捕?アメリカ警察官の犯人逮捕に対する認識の違い」でした。

アメリカの警察官の住民に対する対応は、日本の警察官と比較にならないほど厳しいです。日本なら犯罪にならないような事でも、アメリカでは犯罪になってしまう事がたくさんあり、考えられないほど簡単に逮捕されてしまいます。

外国人だから知らなかった、などという理由は通用しません。逮捕後もし有罪になれば、将来を左右する大事件に発展してしまう事もあります。国としての体制や文化の違いと言える事かもしれませんが、被害を最小限に抑える為には、たとえ無実であっても警察官には絶対に逆らわないで、できるだけ穏便に礼儀正しく指示に従うことがとても重要になります。

本記事は、2020年9月22日時点調査または公開された情報です。
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