※本記事は、2020年8月調査の内容です(今後更新予定です)。
「奈良市」について
「奈良市」は、奈良県北部一帯を占める広域市で、奈良盆地の北端にあたり、市の東部は大和高原の一部をなして標高300mから600m級の高地が続き、市街の北部は古代に平城山(ならやま)と呼ばれた丘陵地帯で京都府と接している中核市です。
この平城山を越えて山城と通じる奈良坂は、古くからの重要交通路の一つでした。
市域は東西に広く、同じ市内でも大きく分けて下記の3つの地域で異なる様相となっています。
1) 東部の山間地
2) 文化財を多数抱え国際観光文化都市としての顔を持つ中東部の市街地
3) 大阪の衛星都市としての性格を持ち住宅地として開発が行われてきた西部
「奈良市」の2020年6月1日時点での人口は約35万人で、古くは「奈良市」の市域を「添(そほり)」と呼び、市街地が広がる一帯が平坦な地形であることから、この均(なら)したような地形が「奈良市」の由来となったとの説が有力です。
平成17年4月1日に、「奈良市」は月瀬村・都祁村と合併し、新しい奈良市になりました。
そんな「奈良市」の気候は、瀬戸内海式気候と内陸性気候とを併せ持ち、市外は盆地に位置しているため、夏と冬、1日の気温差が大きいとの特徴があります。
>奈良市のホームページ
https://www.city.nara.lg.jp/
「奈良市」の成り立ち
「奈良市」の成り立ちは、1889年(明治22年)4月1日の町村制の施行までさかのぼります。
この町村制に基づき、下記の18の区域によって奈良町が発足されました。
1)添上郡奈良町
2)奈良坂村
3)般若寺村
4)川上村
5)雑司村
6)水門村
7)春日野村
8)紀寺村
9)高畑村
10)京終村
11)肘塚村
12)木辻村
13)城戸村
14)油坂村
15)杉ヶ村
16)三条村
17)芝辻村
18)畠中村
この後、1898年(明治31年)2月1日に添上郡奈良町が市制施行して「奈良市」となり、1903年に市章が制定され、1923年(大正12年)に添上郡佐保村が編入、1939年(昭和14年)に添上郡東市村の一部(大字白毫寺)が編入、1940年に生駒郡都跡村が編入されました。
1951年に添上郡大安寺村・東市村・生駒郡平城村が編入、1955年に添上郡辰市村・五ヶ谷村・帯解町・明治村・生駒郡富雄町・伏見町が編入、1957年に添上郡田原村・柳生村・大柳生村・東里村・狭川村が編入されました。
1977年に市旗が制定され、2002年(平成14年)に中核市に指定され、2005年に山辺郡都祁村・添上郡月ヶ瀬村が編入されました。
奈良市長「仲川 げん」(なかがわ げん)さんはどんな人?
2009年から奈良市長を務める「仲川 げん」さんは、1976年3月6日に奈良県で生まれました。立命館大学経済学部を卒業後は国際石油開発帝石株式会社に入社し、その後、2002年に奈良NPOセンターに勤務、2009年に脱利権・脱ムダを訴えて当時全国で2番目に若い33歳で奈良市長に初当選しました。
2013年に奈良市長選挙2期目に当選、2015年~2017年は中核市市長会会長に就任しました。
特技は、「写真撮影、料理、水泳」で、小学生時代は授業参観で行われた「リンゴの皮むきコンテスト」で優勝したそうです。
>奈良市長公式ホームページ
http://www.nakagawagen.net/about/
「奈良市」の行政プラン
「奈良市」では、都市の将来像として「市民が育む世界の古都奈良~豊かな自然と活力あふれるまち~」の実現を図るため、下記の3つのテーマーを掲げています。
1)個性豊かな“なら” 「美しく個性ある都市の実現」
2)暮らし豊かな“なら” 「安全・安心で暮らしよいまちづくり」
3)交流豊かな“なら” 「都市の競争力・連携の強化」
個性豊かな“なら” 「美しく個性ある都市の実現」
「奈良市」は、行政プランの一貫として、個性豊かな“なら” 「美しく個性ある都市の実現」のテーマをさらに3つの項目に細分化し、さまざまな活動を行っています。
1)歴史・文化と緑に育まれた「古都奈良」の顔づくり
・歴史・文化遺産の保全と活用
・街並みと緑が織りなす歴史的地区の景観の保全活用
・市街地背景となる緑の保全・育成
・眺望景観の保全
・良好な市街地景観の創造
2)水辺を守り・育て・ふれあう
・水辺がもたらすうるおい景観の創出
・水辺の保全・活用と適正管理
3)地球環境への配慮
・都市環境負荷の低減
・気候風土や生態系を活かした自然環境の保全・創出
暮らし豊かな“なら” 「安全・安心で暮らしよいまちづくり」
「奈良市」は、行政プランの一貫として、暮らし豊かな“なら” 「安全・安心で暮らしよいまちづくり」のテーマをさらに3つの項目に細分化し、さまざまな活動を行っています。
1)歴史・文化に根づいた快適で利便性の高い暮らしの創出
・生活の広がりに応じた都市構造の形成
・交通利便性の向上 ・交通体系の見直し
・生活道路の整備
・公共交通機関の充実及び利用促進
・質の高い生活環境の創出 ・計画的な土地利用及び市街地整備
・総合的な緑と水のネットワークの形成
・歴史・文化に配慮した各種都市施設の適正配置
・多様で良質な住宅づくり
2)歴史・文化に配慮した災害に強いまちづくり
・災害に強い都市基盤の創出
・市街地の防災機能の強化
3)人にやさしい思いやりのあるまちづくり
・高齢者・障がい者・妊産婦・けが人等への配慮
・子育て支援及び教育の充実
・暮らしの安全性向上
交流豊かな“なら” 「都市の競争力・連携の強化」
「奈良市」は、行政プランの一貫として、交流豊かな“なら” 「都市の競争力・連携の強化」のテーマを2つの項目に細分化し、さまざまな活動を行っています。
1)歴史・文化を活かした都市活動・産業基盤の形成
・歴史・文化や自然環境と共生する市街地構造の形成
・歴史・文化の産業化
2)交流基盤の整備
・広域交通基盤の整備
・観光交通の整備
・情報発信の強化
▼参考URL:奈良市|全体構想
まとめ
以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第41回は奈良県の「奈良市」についてご紹介させていただきました。
本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。
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