地方自治体特集「中核市」シリーズ

中核市シリーズ第37回「大津市」について(2020年8月情報)

地方自治体特集「中核市」シリーズ、第37回は「大津市」です。

滋賀県にある「大津市」の人口は2019年9月時点で約34万人と、福島県いわき市に次いで国内60番目です。そんな「大津市」とはどんな都市なのか解説します。


※本記事は、2020年8月調査の内容です(今後更新予定です)。

「大津市」について

「大津市」は、滋賀県の南西端に位置し、大津市の市域は、琵琶湖の南西岸から南岸にかけて南北に細長く広がり、古代から琵琶湖の水上交通の要で、滋賀県の県庁所在地で最大の人口を抱える市です。

また、西隣の京都市との境には南北に比叡山があることもあって京都市との関係が深く、その衛星都市としても発展してきました。

この「大津市」は、天智天皇が近江大津宮に遷都してから1350年以上の歴史を有する古都で、戦時中の被災や自然災害が少なかったため、世界文化遺産の延暦寺や園城寺(三井寺)、日吉大社、石山寺などの古社寺などの多くの文化財や史跡・名勝が現存しています。

ちなみに、国指定文化財保有件数は、市町村単位で京都市・奈良市に続いて全国で3番目で、おごと温泉や日本三名橋の一つである瀬田の唐橋、かるたの聖地として知られる近江神宮や松尾芭蕉の墓(義仲寺)、明智光秀一族の墓(西教寺)、都市近郊型高原リゾートびわ湖バレイなどもあり、夏はウォータースポーツやトレッキング、冬はスキーなどのアウトドアが盛んに行われています。

さらに、「大津市」は、近江八景に描かれたり、古くから多くの和歌や俳句に詠まれるなど風光明媚な地としても知られています。

湖畔エリアは、比叡山と琵琶湖に囲まれて自然と都市が融合した景観で、そのなかでも、特に大津湖岸なぎさ公園は、都市景観100選および関西自然に親しむ風景100選に選定されています。

そんな「大津市」の産業は、東レ創業の地で、現在も主要な研究開発および生産拠点となっており、伝統産業には、大津絵・大津算盤・松本瓦(桟瓦、簡略瓦)・膳所焼・湖南焼などがあるほか、湯葉・鮒寿司・湖魚の佃煮・瀬田しじみ・食用菊・膳所茶などがあります。

「大津市」の気候は、市域の多くが近江盆地に位置するため、全般的に内陸性気候で、市南部は瀬戸内海式気候、市北部は日本海側気候で、旧堅田町区域は豪雪地帯に指定されています。

>大津市のホームページ
https://www.city.otsu.lg.jp

「大津市」の成り立ち

「大津市」の成り立ちは、町村制施行によって、滋賀郡大津町 ・ 馬場町 ・ 松本村 ・ 東浦村 ・ 藤尾村 ・ 別所村 ・ 神出村の区域をもって大津町が発足された1889年(明治22年)4月1日までさかのぼります。


1898年に市制施行によって滋賀郡大津町が大津市となり、1932年(昭和7年)に滋賀郡滋賀村が編入、1933年に滋賀郡膳所町・石山町と合併し、改めて大津市が発足され、1951年に滋賀郡坂本村 ・ 雄琴村 ・ 下阪本村 ・ 栗太郡大石村 ・ 下田上村が編入されました。

1967年に滋賀郡堅田町・栗太郡瀬田町が編入、2006年(平成18年)に滋賀郡志賀町が編入、2008年9月2日に中核市に移行されました。

大津市長「佐藤 健司」(さとう けんじ)さんはどんな人?

2020年1月25日から市長を務める第24代の「佐藤 健司」さんは、1973年3月24日に愛知県岩倉市に生まれました。

経歴は、1996年に同志社大学法学部法律学科を卒業、日本放送協会(NHK)に記者として入局、2004年に大津市議会議員に初当選し、2007年の市議会議員選挙で再選、2010年5月から翌年3月まで市議会副議長を務めました。

2011年に滋賀県議会議員選挙に初当選、2015年の同選挙で再選、2019年の同選挙で3選、2020年に大津市長に初当選しました。

>大津市長公式ホームページ
(https://satou-kenji.com/about/)

「大津市」の行政プラン

「大津市」は、少子高齢化および人口減少社会の到来に備え、暮らしの質を保ちながら持続可能なまちづくりに取り組むため、平成29年度に「大津市総合計画」を策定しました。

この計画は、将来都市像を「ひと、自然、歴史の縁で織りなす住み続けたいまち“大津再生”」とし、下記の3つの基本理念を示しました。

1)持続可能な都市経営
2)共助社会の確立
3)自然、歴史、文化の保全、再生、活用

さらに、「大津市」では、この基本理念を基に下記の3つの基本方針とその基本政策を掲げました。

1)基本方針:子どもから高齢者までが輝いて、魅力あふれるまちを創ります
・子どもの未来が輝くまちにします
・心豊かに暮らせ宇、福祉が充実したまちにします
・生き生きと健康に過ごせるまちにします
・つながりを大切にし、共にささえあうまちにします

2)基本方針:自然、歴史、文化、スポーツを重視し、多くの人が集うまちを創ります
・インバウンド観光で人が集い、にぎわうまちにします
・自然豊かな慶館を守り育て、自然と共生するまちにします
・悠久の歴史と文化を大切にし、次代に継承します
・スポーツと文化で、生き生きと楽しむまちにします

3)基本方針:安心、快適に住み続けることのできる活力のあるまちを創ります
・安心、安全に暮らすことのできるまちにします
・コンパクトで質の高い持続可能なまちにします
・経済が活性化し、元気なまちにします
・再生可能エネルギーの活用とごみの適正処理でクリーンなまちにします
・徹底した行財政改革を進め、確かな都市経営を進めます

このように「大津市」は、徹底した行財政改革を計画し、確実な都市経営を推進しています。

参考URL:
https://www.city.otsu.lg.jp/shisei/sokei/otsusokei/1490864391456.html
https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/53/sokei2017_gaiyo.pdf


まとめ

以上、地方自治体特集「中核市」シリーズ、第37回は滋賀県の「大津市」についてご紹介させていただきました。

本シリーズの他の都市は下記よりご覧いただけます。

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本記事は、2020年10月7日時点調査または公開された情報です。
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