追い込まれたトランプ大統領!Xデーは12月14日

2020年12月も中旬に入りましたが、アメリカ大統領選挙の結果は未だあやふやなままです。日本では、「バイデン氏が勝った」と感じている人も多いですが、現大統領のトランプ氏は負けを認めてはいません。

そんな中、大統領選挙の結果を巡る法廷闘争に、大きな動きがありました。本記事では、選挙後の動向について、アメリカ在住の日本人にレポートいただきました。

はじめに - 法廷闘争に大きな動、追い込まれるトランプ陣営

2020年12月8日、アメリカの大統領選結果を巡る法廷闘争に大きな動きがありました。

連邦最高裁判所が共和党議員らによる訴えを退けたのです。共和党議員らが訴えた内容は「ペンシルベニア州の郵便投票の一部を無効にすべき」というもので、仮に最高裁が無効と判断すれば、おおよそ250万票が無効になって同州の結果が覆るほどの大きなインパクトがあるものでした。

トランプ陣営は選挙前から郵便投票による不正が行われる可能性を指摘し、裁判による決着を見越した下準備をしていました。その下準備こそが自分に有利になるよう「保守的な(共和党寄り)最高裁を作ること」です。

トランプ大統領としては入念に準備してきた訳ですが、最高裁が訴えを棄却したことで追い込まれる形になりました。

今回は、トランプ陣営に大きな打撃となった今回の最高裁の判決や、今後の展開について解説します。

アメリカ最高裁の判決について

今回の最高裁判決の概要について見てみましょう。

訴訟内容

今回訴えを起こしたのはペンシルベニア州の共和党議員です。訴訟の内容は「同州において郵便投票の利用拡大を認める制度が州法に違反する」というものです。

ごく簡単に言えば「同州の全員が郵便投票で投票できるようにしたことは違法」ということです。本来であれば病気や障害など特別な事情を持つ人だけに適応される郵便投票を、コロナウイルスを理由に対象者を全員に拡大したことが州法に違反するという訴えです。

トランプ陣営は、全員が郵便投票を利用できるようにしたことで、同一人物による複数回投票や、民主党支持者に複数の投票用紙を配布するなどの不正行為につながったと主張しています。一方で、これらの主張を裏付ける証拠を示せていないことも事実で、同州最高裁をはじめ他州でも訴えが退けられる事態が続いていました。

トランプ陣営にとって不利な状況が続く中で「下準備」してきた連邦最高裁がどのような判決を下すかに注目が集まっていましたが、トランプ陣営の思惑が外れる結果になってしまったのです。

アメリカ大統領選挙の結果への影響

今回の最高裁判決はトランプ陣営にとっては大きな痛手と言えるでしょう。対照的に、民主党のバイデン氏にしてみれば「王手をかける」と言ったところです。

トランプ陣営は選挙前から「裁判による決着」を目論んでいました。なかでも、連邦最高裁による判決に大きく依存していたと言っても過言ではありません。

それを示すように、トランプ大統領は在任期間中、9名の最高裁判事のうち3名を共和党の価値観にちかい保守系判事を任命しています。この結果、連邦最高裁は6名が保守系判事、3名がリベラル派判事というパワーバランスになりました。

このことは紛れもなく「共和党による政権運営を有利に運ぶため」であり、今回の大統領選についても最高裁にまでもつれれば共和党に有利になるという考えでした。(人事権を持つ大統領が自身の政党に有利な人事を実施することは普通)

しかし、トランプ陣営にとって「頼みの綱」とも言える最高裁が思惑通りに動かなかったことは、敗北にまた一歩近づいたことになります。

トランプ大統領の反応

今回の最高裁判決を受けてトランプ大統領はツイッター上に「不正選挙だ」と投稿しており、これまで通りの主張を続けています。

また、最高裁判決に先立って「最高裁判事にアメリカ人が思っている正しいことを実現できる気持ちがあるかどうか見てみよう」と記者団に向けて語っていましたが、今回の最高裁判決はわずか1文のみ「(選挙結果を巡る)差し止め請求を認めない」という冷たいものでした。

最高裁は今回の最高裁判事それぞれの賛否を明らかにしていませんが、6名の保守系判事のうち、2名の判事が共和党の訴えに反対したと見られており、トランプ大統領のショックは大きいと予想できます。

アメリカ大統領選挙、今後の展開は?

今後の展開について見てみましょう。

トランプ陣営は、あくまで法廷闘争を継続

今回の最高裁判決を受けてトランプ陣営は厳しい状況に追い込まれたことは間違いありません。しかし、トランプ陣営は法廷闘争を継続する姿勢を見せています。

今回ペンシルベニア州で訴えを起こした共和党議員らは、バイデン氏が僅差で勝利したジョージア州、ミシガン州、ウィスコンシン州でも不正選挙を理由に不服申立てを行っています。

また、テキサス州のケン・パクストン州司法長官(共和党)は、各州の州議会による「点検と批准がない不正選挙による結果を認めない」ように連邦最高裁に訴えています。

今後も法廷闘争を続ける姿勢を見せているものの、結果を覆すことは難しいでしょう。

これまでにトランプ大統領の側近であるバー司法長官や、解任されたサイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁(CISA)長官であるクリス・クレブス氏は「証拠は見つかっていない」や「アメリカ史上最も信頼できる選挙だった」と発言しており、身内からの援護も受けられない状態です。

また、連邦最高裁が各州の選挙人確定期日である12月8日に、理由や反対意見も付けずに判決文を発表したこと自体が「各州で結果を認定し、すみやかに次の行程に進むべき」ということを意味しているのです。

トランプ大統領は12月14日の選挙人投票によってバイデン氏が選ばれれば退任する意向を示していますが、それまでに法廷闘争で結果を覆すことはこれまでの事例から現実的に不可能と言えます。

アメリカ大統領選挙における、選挙人の確定

選挙人確定期日である12月8日時点で大半の州が選挙人を認定し、バイデン氏306人、トランプ大統領232人が確定しています。この時点でバイデン氏は当選に必要な選挙人過半数である270名を獲得していることから、12月14日の選挙人投票でも勝利することはほぼ確実です。

各州において選挙人が確定した時点で、その州の結果は「最終結論」となります。つまり、バイデン氏は各州の最終結論においても勝利に必要な条件を満たしたことになるのです。

12月9日以降に各州の結果が覆ることはこれまで以上に難しくなります。なぜなら、州法と連邦法の両方において結果を認定したことになり、連邦最高裁さえも関与する余地が残されていないためです。

アメリカ大統領選挙における、造反選挙人による投票

トランプ陣営は法廷闘争による勝負は難しいと判断し、自身に有利な選挙人を選ぶように各州の議会に働きかけています。

事実、ペンシルベニア州やジョージア州の共和党指導部に連絡し、自身を支援する選挙人を選ぶように促したとされています。しかし、選挙人はあらかじめ公言した候補者に投票することが通例であることから「造反選挙人」による投票で結果が覆ることは極めて難しいと言えます。

2016年の大統領選では、造反選挙人が過去最多で7名でした。2020年の大統領選の結果を覆すためには最低でも70名以上の造反選挙人が必要ですので逆転は難しいでしょう。

まとめ

以上、「追い込まれたトランプ大統領!Xデーは12月14日」でした。

今回の最高裁判決はトランプ陣営を敗北に追い込む結果になりました。また、判決文に理由や反対意見が添えられていなかったことで、暗に「これ以上の抵抗は止めよ」というメッセージも込められていると見られます。

トランプ陣営は法廷闘争や造反選挙人などのわずかな可能性に賭けて最後まで戦う姿勢です。12月14日の選挙人投票が焦点ですので注目しましょう。

本記事は、2020年12月12日時点調査または公開された情報です。
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