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バイデン氏のアキレス腱?息子ハンター氏にアメリカ当局が調査開始

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目次

はじめに - バイデン氏の息子に税務問題

2020年11月7日、民主党のバイデン氏は地元デラウェア州で大統領選の勝利宣言演説を実施しました。

トランプ大統領は依然として敗北を認めずに不正選挙を訴えていますが、バイデン陣営は次期政権に向けて人事を中心にして着々と準備を進めています。

バイデン新政権誕生までは時間の問題とされている中、ここにきて「バイデン氏のアキレス腱」である息子(ロバート・ハンター・バイデン)に、税務問題が浮上し、司法当局が調査を始めたとの報道がありました。

バイデン氏の家族に疑惑が生じたことは言うまでもなくバイデン氏にとってマイナス要因ですが、このタイミングで操作が始まったことには別の意味もありそうです。

今回はハンター氏を巡る調査や目的、バイデン氏やトランプ大統領への影響などについて解説します。

アメリカ民主党バイデン氏の息子「ロバート・ハンター・バイデン氏」について

はじめにロバート・ハンター・バイデン氏の生い立ちや実業家としての活動を見てみましょう。

ロバート・ハンター・バイデン氏の生い立ち

ハンター氏は次期大統領候補であるジョー・バイデン氏の次男です。1970年生まれで、弁護士や実業家として活躍しています。(長男のボー氏は2015年に病死)

1992年にアメリカの名門ジョージタウン大学で芸術史を専攻、1996年にはイェール大学ロースクールを卒業しました。ロースクール卒業後はジョー・バイデン氏の政治活動を支援していた銀行(副頭取まで昇進)や、アメリカ商務省などに在籍しています。

初期のキャリアでは、民主党の重鎮として活動していたジョー・バイデン氏の力もあり、政界や財界との結びつきが強い場所で活動していたことがよく分かります。

ロバート・ハンター・バイデン氏は、実業家として活動している

ハンター氏には実業家としての側面もあります。2006年には叔父と共同してヘッジファンド会社立ち上げたり、2009年には資産家で大学時代の友人と一緒に投資会社ローズモント・セネカ・パートナーズを起業しています。

2013年、ジョー・バイデン氏が副大統領として中国を訪れた際にはハンター氏も同行しており、この訪問後にハンター氏の会社に中国の銀行から1,650億円相当の出資金が振り込まれていることが発覚しています。


2014年には不動産投資ファンドの売り込みで訪れたウクライナで、ガス会社の「ブリスマ」の幹部と接触し、月収550万円という好条件で同社の役員として名を連ねることになりました。

トランプ大統領はハンター氏のこの行為を問題視し、ウクライナの大統領との電話会談の際にバイデン親子の調査を依頼しました。しかし、バイデン親子を守ろうとする民主党議員らが、大統領宣誓に違反する越権行為と非難し、トランプ大統領の弾劾手続きにまで進展しています。
この一件についてハンター氏は「いま思えば(役員就任は)まずい行為だった」と述べており、自身の軽率な行為を振り返っています。

ロバート・ハンター・バイデン氏は、父バイデン氏の「アキレス腱」

ハンター氏は実業家として活動する一方で、ウクライナや中国の企業と密接な関係を築いていることが問題視されています。また、ジョー・バイデン氏も間接的に関与していると疑われていることから、ハンター氏は「バイデン氏のアキレス腱」と揶揄されているのです。

大統領選では、トランプ陣営がハンター氏の疑惑を追及することでバイデン氏の印象を悪く見せようとしましたが、バイデン氏は疑惑を一蹴し、トランプ大統領の所得税未払い問題でやり返しています。

この際、バイデン氏は息子の行為に違法性はないと断言しましたが、ここにきて当局による調査が実施されることになったため、信頼性に大きな傷がつくと懸念されています。

今回のアメリカ司法当局の調査の概要

次に、今回対象となったハンター氏の疑惑について見てみましょう。

中国企業からダイヤモンドを享受

今回の調査について司法当局は詳細内容を示していません。CNNの報道によると「ハンター氏と中国企業の間で生じた税法や資金洗浄に関する違反行為」が対象になっていると見られます。

CNNは、2017年にハンター氏が中国企業の幹部から2.8カラットのダイアモンドを受け取ったことが問題視されていると報道しています。また、ハンター氏は同企業のアメリカ投資部門に関与していたことから贈賄の可能性も拭えません。

ハンター氏は、受け取ったダイアモンドについて「100万円相当の物」と説明していますが、元妻の弁護士は「800万円相当の物」と述べており、食い違いが生じています。この件について司法当局は、確定申告が適切だったかを調査したと見られます。

父であるジョー・バイデン氏の関与

ハンター氏への調査はジョー・バイデン氏に対する印象操作とも言えます。

司法当局はハンター氏への調査は2018年頃から始めていますが、この背景にあるのが「ハンター氏の会社へ中国企業から多額の出資金が振り込まれた」ことがあります。

また、ハンター氏に出資した企業や中国政府関係者に対し、当時副大統領だったバイデン氏が「口利き」をしたとの疑いが持たれているのです。(今回の調査ではジョー・バイデン氏は対象外)

2013年、バイデン氏が副大統領時代に公式訪中した際に同行したハンター氏は、同じ時期に中国の投資ファンド企業の役員に就任しており、これは出資金を受け取ったタイミングとほぼ一致しています。

対中強硬路線を強めるトランプ政権とは対照的に、親中路線のバイデン氏の息子が中国から金品を受け取り、正しく税務処理していなかったとなると、バイデン氏の関与や責任も問われかねません。

トランプ大統領の息がかかった司法当局がこれらの点を追及することで、ハンター氏の疑惑、そしてバイデン氏の関与を明るみにさせる狙いがあると見られます。


今回の調査は大統領選の結果を覆すような事態にはならないとされていますが、かねてから親中路線と言われてきたバイデン氏の信頼失墜を狙った意図が透けて見えます。

ロバート・ハンター・バイデン氏の疑惑に対する周囲の反応

この一件を巡る周囲の反応です。

トランプ大統領の反応

ハンター氏に対する調査が明るみに出た翌日、トランプ大統領はツイッターで「ハンター氏の疑惑を知っていれば、大統領選で10%の有権者が投票先を変えていたはずだ」という内容を引用付きで投稿しました。

トランプ大統領は大統領候補者討論会の時からバイデン一家が中国企業と密接な関係を持っていることを公に批判してきました。また、ハンター氏については「薬物中毒で軍隊から除名されたようだな」とジョー・バイデン氏に対して発言しており、厳しい目を向けています。(2013年に除隊処分)

ハンター・バイデンの反応

調査対象になったハンター氏は9日、動画メッセージを投稿し「当局による調査を重く受け止めている」としたうえで「専門的、客観的な検証によって、合法的に対処したことが証明されるよう確信している」と述べました。

違法行為はなかったという認識を示しているものの、何かと疑惑がつきまとうハンター氏に対する世間の目は冷たい印象です。父親が大統領就任を目前に控えているなか、冷水を浴びせた状態と言えます。

バイデン陣営の反応

ジョー・バイデン政権移行チームは「ジョーは数ヶ月にわたって悪意がある攻撃を受けながら困難を乗り越えている息子(ハンター)のことを誇りに思っている」との声明を発表しました。

今回の調査をトランプ陣営による「悪意ある個人攻撃」とみなしているようです。一方、これまでのところジョー・バイデン氏は調査についてコメントしていません。

まとめ

以上、「バイデン氏のアキレス腱?息子ハンター氏にアメリカ当局が調査開始」でした。

ジョー・バイデン氏の息子ハンター氏に対する司法当局の調査が公になったことで、バイデン氏への政治不信が強まることが懸念されます。アメリカ国内では「反中路線」の機運が高まっているだけに、親中派という印象はバイデン政権にとっては不利になるかもしれません。

また、大統領選の結果がもつれているこの時期に、バイデン陣営に打撃を与える要素が明るみに出たことは、トランプ陣営による印象操作の狙いもあると見られます。ハンター氏が立件されるか否か、そしてバイデン氏が責任追及を受けるか否かの2点が今後の焦点です。

参考URL

CNN|Federal criminal investigation into Hunter Biden focuses on his business dealings in China
https://edition.cnn.com/2020/12/09/politics/hunter-biden-tax-investigtation/

本記事は、2020年12月12日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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