国際原子力機関(IAEA)の基本情報

国際連合の関連機関である「国際原子力機関(IAEA)」の組織について基本情報をまとめました。


はじめに

国連の関連機関には、原子力技術の平和的利用の促進、軍事転用の監視・防止を目的とするIAEA(国際原子力機関)というものがあります。

本ページでは、「IAEA」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

「IAEA」は国際原子力機関のこと

「IAEA」はInternational Atomic Energy Agencyの略で、日本語に訳すと「国際原子力機関」のことです。

「IAEA」は、国連、つまり国際連合の関連機関の一つで、1957年に「原子力技術の平和的利用の促進、軍事転用の監視・防止」を目的として設立されました。

なお、日本が「IAEA」に加盟したのは、1978年です。

「IAEA」の組織体制について

「IAEA」の本部は、オーストリアのウィーンにあり、総会、理事会、事務局、トロントと東京の2箇所に地域事務所、ニューヨークとジュネーヴに連絡室が設置されています。

総会

総会は、毎年開催され、全ての加盟国の代表者によって構成されており、理事国の選出・新規加盟の承認・予算の承認などが行われます。

理事会

理事会は、年4回開催され、35ヶ国の理事国によって構成されており、機関の任務を遂行します。

理事国は、前任の理事会が原子力に関する技術の最も進歩した13ヶ国を指定する指定理事国と、総会から選出される地域選出20カ国、付加選出2カ国の選出理事国とがあります。

日本は、機関の創立当時から指定理事国になっています。

事務局

事務局は、総会の承認を得て理事会が任命される機関の代表である事務局を長とし、事務局長の下に以下の6局が設置されています。


なお、各局長は、事務次長を兼ねており、専門職以上の事務局の正規職員の定員は約2,500人です。

1)管理局
2)原子力局
3)保障措置局
4)技術協力局
5)核安全・セキュリティ局
6)核科学・応用局

「IAEA」の役割

「IAEA」の主な役割は、原子力分野における科学的および技術的協力のための世界の機関として、核科学技術を安全・安心・平和な利用し、国際の平和と安全と国連の持続可能な開発目標に貢献することです。

具体的には、核兵器の拡散を防ぎ、すべての国、とくに開発途上国が原子力科学と技術を平和目的に、安全に安心して利用できるようにし、原子力の安全を強化するためのグローバルなプラットフォームとなることです。

さらに、「IAEA」は、国家が拡散防止の義務を順守しているかを検証する役割も担っています。

このため、査察官が、181カ国の1,200カ所以上の施設を訪れて現場検証を行い、核物質が平和利用の目的から転用されないように検証し、その知識や専門知識を168加盟国へ提供し、加盟国がエネルギーへのアクセスをさらに容易にして人間の健康を改善し、食糧を増産し、きれいな水を容易に入手し、環境を保護できるように支援を行っています。

▼参考URL:国際連合広報センター「国際原子力機関(IAEA)」(外部サイト)

「IAEA」の主な活動

「IAEA」の主な活動は、下記の3つのカテゴリーに細分化されています。

1)原子力技術とアプリケーション
2)原子力の安全とセキュリティー
3)安全対策と検証

原子力技術とアプリケーション

「IAEA」は、原子力技術とアプリケーションのカテゴリーにおいて、下記の6つの分野に関する活動を行っています。

1)エネルギー
2)健康
3)環境問題への取り組み
4)水
5)食と農
6)業界

原子力の安全とセキュリティ

「IAEA」は、原子力の安全とセキュリティのカテゴリーにおいて、下記の8つに関する活動を行っています。

1)人的および組織的要因
2)政府・法律・規制の枠組み
3)原子力施設の安全
4)放射線防護
5)核およびその他の放射性物質の安全保障
6)放射線廃棄物と使用済み燃料の管理
7)輸送
8)緊急時の準備と対応

安全対策と検証

「IAEA」は、安全対策と検証のカテゴリーにおいて、下記の4つに関する活動を行っています。

1)セーフガード
2)保障措置の実施
3)法的枠組みの保護
4)国家支援


まとめ

本ページでは、「IAEA」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

本記事は、2021年9月11日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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