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悔しさと経験 中高一貫校に教育実習に行ってきた【実習編】前編

実習の準備を経て、いよいよ母校での教育実習がスタートしました。私が実習させていただいたのは高校2年生の英語と学級で、期間は3週間でした。人生の上でとても貴重な経験にもなった教育実習の体験談の前編です。

2018年01月03日更新

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目次
教育実習1日のスケジュール
実習1日目でいきなり「授業をやってみる?」
反省を踏まえながら、どんどん自信もついていくように
生徒たちと打ち解けるには、どうしたら? こうしてみた!
悔しさと経験 中高一貫校に教育実習に行ってきた【実習編】前編

中高一貫校に教育実習に行ってきた3部作の第2部「悔しさと経験 中高一貫校に教育実習に行ってきた【実習編】前編」です。

教育実習1日のスケジュール

5:00  家を出発、5:20分くらいの電車に乗っていました
(母校までの移動時間が長かったため)

7:30 学校に到着 実習生控室でその日の準備

8:30 ホームルーム開始

8:50~9:35 1時間目授業

9:45~10:30 2時間目授業

10:40~11:25 3時間目授業

11:35~12:20 4時間目授業

12:20~13:45 昼休み

13:40~14:25 5時間目

14:35~15:20 6時間目

15:30~16:15 7時間目

16:20~ ホームルーム、終了後掃除の指導など

16:45~ 明日やる事をまとめておく。ここまでに実習日誌を書いておく。

17:00 実習日誌を提出後、挨拶をして帰宅

19:30 家に帰宅後、教材作成などをしてできるだけ早く寝る

教育実習の手引
教育実習の手引

校内での具体的な一日の流れ

授業時間に、実習を行ったり他の先生の授業を見学させていただいたりします。

一日に1時間は空き時間を作り、教材研究や授業の準備、後述する日誌のコメント返しなどの学級事務の時間に充てました。

他の先生と同じく、実習生も17時には帰宅して良い事になっていました。他の実習生たちは遅くまで残って教材研究や指導を受ける事もあったようですが、私はとにかく自宅から母校までの移動時間が長かったので、できるだけ早く帰宅できるように、効率よく準備やその日やらなければいけない事を学校にいる間に消化するようにしました。

プリントなど授業で使う教材の作成は、学校に残ってするのではなく、家で作ってきた上で先生に確認していただき、修正などは学校のパソコンで行い、その後すぐ学校でプリントして配布できるようにしていました。

当時は既に社会人として働きながら大学に行っていたからか、効率よく仕事を進める事には慣れていましたので、それが教育実習にもプラスになりました。

実習1日目でいきなり「授業をやってみる?」

緊張しながらも実習がスタート

実習1日目は、実習控室にて主任の先生から教育実習に関する説明を改めて受けた後、実習生それぞれで担当の先生のもとについて指導を受けたり、自分でスケジュールを立てて授業を見学させてもらったりしました。

最初は学級担任のF先生と一緒にお世話になる高2-6へ向かいました。ホームルームの後で、F先生から自己紹介を促され、初めて生徒の前に立つと、私の方を生徒たち全員がじっと見つめていました。緊張感が足の先からブワッと這い出て全身を駆け上がり、最後に手先の震えとなって出ていく感覚が分かりました。

緊張しながらも、ふと全体を見回して気が付いたのは、私がイメージしていた高校生よりは皆大人びていなく、まだあどけなさが残る感じがした事、そして全員が静かに私の話を聞く態勢に入ってくれていた事です。そして、担任のF先生は、失礼ながら威圧感や迫力はなく、どちらかと言えば親戚のお姉さんのような親しみのあるタイプの先生です。けれども、学級の生徒全員が素直にF先生の指示に従い、一教育実習生である私に対しても真剣に向きあってくれている姿勢がとても嬉しく思い、緊張しながらも自己紹介をしました。

午後の1時間をいただき、実習させてもらう事になりました

1日目は1時間目控室での説明、2時間目に午後実習を行うクラスとは別のクラスの、O先生の高2の英語の授業を見学、3時間目は学級担任のF先生の中学校(一貫校の為、中学・高校で教えている先生もいらっしゃる)の英語の授業を見学、4時間目は空き時間にして控室で5時間目の実習に向けての準備、昼休みを挟み、5時間目に初めて実習を行いました。

他の実習生は、1日目はまず見学や説明などで終わったのですが、私は教科担当のO先生が「午後に1時間あるから、授業やってみる?」と持ち掛けて下さいました。私は準備も何もしていなかったので、ちょっと戸惑ったのですが、せっかくのチャンスだと思い「やらせて下さい!」と申し出て、いきなり午後の5時間目、高2の英語の授業で実習の為の時間をいただける事になりました。

板書って難しい…! 生徒からも先生からもダメ出しを食らった初めての実習

午前中に私が実習予定の箇所をあらかじめO先生の授業を見学させていただき、それを踏まえて、自分でこうやってみよう、と考えて4時間目と昼休みを使って案をまとめ、緊張しながらO先生と一緒に実習をさせていただく高2-1の教室へ入りました。

教壇に立つと、生徒たちが真剣な顔でこちらを見つめています。改めてホームルームでの自己紹介とは違った緊張が走ります。それでも、貴重な一時間を私の実習デビューに使わせていただく事に感謝しつつ、考えた通りの授業をとにかく必死になって展開しました。

特に戸惑ったのが、黒板への板書でした。残念ながら私は元々の字もあまりきれいな方ではないのですが、普段書き慣れていない板書はそれ以上に難しく、自分でも書いている時に「やばい!汚い!」と思いました。初めての実習、そして板書、そして授業展開に悪戦苦闘しつつも、授業を終わりました。

一番悔しかったのが、授業の後に生徒たちから「字、汚いねー」や、「(教えた内容に対して)こんな事知ってるしー」という声が聞こえた事です。教育実習生は生徒に軽く見られがちですが、私も見事にその洗礼を受けました。

実習日誌をつけて先生に提出してから、17時に帰宅

6時間目は実習後指導として、O先生から板書は正確にする事、授業が一方的なので段階的な展開ができるようにする事、など厳しくもありがたいダメ出しやご意見を賜りました。7時間目は、空き時間にしていたのですが、やはりもっと多くの先生の授業を見たい!と思い職員室で別の英語の先生にお願いをし、英語の授業の見学をさせていただきました。

1日目の最後は、実習日誌に一日の内容と反省、見学した授業の参観記録を付け、各実習担当の先生に提出してから帰宅しました。帰りは、悔しさもありましたが、とにかく初めて教壇に立てた!という興奮もあって、嬉しさと悔しさが入り混じったような感情を抱えながら、自宅のある街までの電車に揺られていました。

教育実習日誌
教育実習日誌

反省を踏まえながら、どんどん自信もついていくように

すぐにフィードバックを受けられるように指導して下さったO先生

最初の実習以降は、O先生は授業展開に対する指導やアドバイスを実習の度に下さいました。授業の実習を行った後の1時間は、O先生からの指導を受ける為の時間を設けて下さったので、すぐにフィードバックが受けられ、それをすぐ次の実習に生かす事ができる体制が整えられていました。

また、板書が苦手な事を言うと、板書にこだわらずプリントを作成して活用する方法を教えて下さったり、「こういった事をしてみたい」という事に対しても、「では、こうしたらどうだろう?」、と提案して下さったり、こちらの方向性は崩さずに、かつ的確な指導をして下さいましたので、自分の授業展開に対する大きな自信に繋がりました。そして、私も次第に堂々と教壇に立つ事ができるようになりました。

授業を見学して、他の先生のテクニックを盗む

教育実習では、ホームルームや授業で実際に教壇に立って実習を行うだけでなく、他の先生方の授業を見学させていただいた事も、とても勉強となりました。

私は高校で実習を行いましたが、中高一貫校だった為中学校の授業も見学できました。元々中学校の教員を希望していたのと、純粋にどんな教え方があるのか先生方の生徒への接し方や教え方にとても興味があったので、中学も高校も、また担当している英語以外の教科も積極的に授業の見学を行いました。ちなみに、授業の見学を行う時には、あらかじめ職員室へ赴いて見学したい授業の担当の先生に申し出て、許可をいただければ見学ができました。

授業でプリントなどを生徒へ配布する時には、同じものを下さるので、こちらも「今の〇年生はこんな事を勉強しているんだ」と、授業の内容を理解できたので、とてもありがたかったです。

色々な授業を見学すると、その先生の授業展開の方法やテクニックを目の当たりにできました。良いと思った事は自分の授業展開の中で積極的に取り入れようと思いました。とはいえ、メモを取ろうとするとせっかくの授業展開の大切な所を見逃してしまう事もありますので、私は思った個所で、あらかじめ下さったプリントなどに付箋を貼っておき、空き時間や自宅でテクニックとして改めてまとめるようにしました。

授業で見て聞いて、後で書き出すこの方法は、まとめとアウトプットが同時にできましたので、自分自身のテクニックとして取り入れたい時にO先生にご相談する時にも役立ちました。

生徒たちと打ち解けるには、どうしたら? こうしてみた!

まずは、生徒ひとりひとりの名前を憶えてみることに

授業を展開する上で、一番ネックになったのが「生徒たちと壁がある」という事でした。1日目の授業の時に受けた事から、生徒たちとまだ打ち解けていない事も、うまく授業を展開できない原因ではないのかと思ったからです。

それを見据えていたのか、実習2日目に、O先生から「学級担当のクラスの生徒たちの名前は、何人覚えましたか?」というコメントを返却された実習日誌でいただきました。

その時に気が付いたのですが、私は学級でも授業実習でも、クラスひとりひとりではなく、クラス単位で全体を1つとして見ていたのです。もう少しひとりひとりに目を向けてみて、集団としてだけでなく、個人として接するようにしたら…と考えるようになりました。

まずは、学級からでいいからひとりひとりの名前を覚える事、そしてどんな生徒かというのを覚えてみる事。3週間の短い実習期間とはいえ、縁あって出会った生徒たちです。その日から、生徒の名前を覚える事にしました。

どんな生徒かを知る為に、F先生にお願いした事

やはり、名前をすぐに覚えたのは学級委員の生徒や活発で意見をたくさん言う生徒など、特長やどんな生徒かを把握しやすい生徒でした。その為、まずは少しだけでもいいから、生徒ひとりひとりの情報を得て、名前に結び付けてみようと思いました。

その為に、実習4日目からF先生に日誌のチェックを代わりにやらせていただきたい、とお願いしてみました。私の母校には、毎日生徒が日誌を付ける取り組みがあり、週に1回学級担任に提出します。出席番号順で日誌の提出曜日が割り振られているので、毎日学級担任は日誌をチェックし、コメントを返して返却します。そのチェックを1週間だけでも良いからやらせてもらえないかと、F先生にお願いしたのです。

F先生は快諾して下さり、私は毎日の実習の忙しい合間を縫って日誌のチェックを含めた学級事務をするようになりました。すると、生徒ひとりひとりが日々何をしたのか、どんな事を考えているのか、などを把握できるようになりました。中には、深刻そうな悩みを持っている様子がうかがえる生徒もいました。私なりにコメントを、下手な字ながらも丁寧に書くようにして、もしもコメントや内容に悩んだときには、まずF先生に相談し、OKをいただいてからコメントを返すようにしました。

この日誌は私も在学中に毎日つけていたものです。当時の自分自身はどんな生徒だったのだろうか、と思いながらコメントを返しました。今まで一度も対面で話したことのない生徒に対しても、日誌を通じてコミュニケーションを取れるようになり、生徒の名前を覚える事にも、生徒の一日の出来事を知る事によって、生徒自身を理解する事にも繋がりました。

F先生は日誌だけでなく、ホームルームもたびたび任せて下さったので、私自身で高2-6の出席を取る事も加わって無事学級の生徒たちの名前はすぐに全員分覚える事ができました。

授業のクラスの生徒の名前も覚えるために奮闘

教育実習生の洗礼を受けたとはいえ、授業中にこちらの呼びかけに対して積極的に返してくれる生徒がたくさんいたのがとてもありがたかったです。授業を持っている生徒に対しても、積極的な生徒だけでなく、全ての生徒の名前を覚えるようにしました。

授業の生徒は日誌での触れ合いもなく、授業でのみ接していたので、座席表をお借りして顔と名前を一致させるようにしました。そのために、授業はいつでも生徒と目を合わせて行うようにしました。また、最初の実習を終えた後にO先生から指摘された、一方的な授業とならない様に、自分から生徒に語り掛けてみる、単元と関連のある雑談を適度に入れてみる、などのテクニックも授業に取り入れ、できるだけ生徒も授業を楽しみながら内容を理解してもらえるように工夫をしてみました。

自分で色々な工夫を行っていくにつれて、実習が一週間を過ぎるころには、生徒との壁も徐々になくなっていくのを感じました。

次回の後編では、距離も縮まった生徒たちとの思い出、教育実習の集大成と言える研究授業、そして別れについてお話します。

(文:千谷 麻理子)

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