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アメリカの「新型コロナウイルス」や「インフルエンザ」現地日本人レポート

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目次

はじめに

2020年の年明けと同時に一気に感染拡大が始まった「新型コロナウイルス(COVID-19)」は、終息の気配はなく、世界中で日に日に感染者数が増えている状況です。

アメリカも例外ではなく、「新型コロナウイルス」が着実に広まりつつります。さらに、時を同じくして「インフルエンザ」も大流行しており、実はアメリカでは「新型コロナウイルス」と「インフルエンザ」の2つの感染症が問題視されています。

日本にはあまり聞こえてこないアメリカの感染症問題の現在をアメリカ現地からレポートします。

「新型コロナウイルス」よりも「インフルエンザ」が猛威を振るうアメリカ

世界中で「新型コロナウイルス」の感染が懸念されているなか、アメリカでは「インフルエンザ」の猛威が止まりません。2019年11月頃から全米で始まった「インフルエンザ」感染は少なくとも2,900万人が感染し、280,000人が病院に運ばれる事態です。さらに、肺炎などの合併症を含めると16,000人の死亡者が出ています。

これまでにアメリカでは2017年-2018年の1年間で「インフルエンザ」の流行によって61,000人が命を落としており、アメリカにとって「インフルエンザ」は毎年襲いかかる脅威なのです。2020年に関しては「インフルエンザ」の脅威のみならず、「新型コロナウイルス(COVID-19)」の拡大もあるためアメリカではこれらの感染症への警戒感を強めています。

アメリカでは「新型コロナウイルス」による死者数の数十倍近い人が「インフルエンザ」によって命を落としており、「新型コロナウイルス」よりも「インフルエンザ」に対する危機感の方が強いのが実情です。一方で、「インフルエンザ」は予防接種が手軽に受けられることや、毎年のように流行するものなので「慣れ」もあり、対策を講じない人が多いことも感染が止まらない原因とされています。

▼データ参照元:「The U.S. Centers for Disease Control and Prevention」
https://www.cdc.gov/flu/weekly/index.htm

なぜアメリカで「インフルエンザ」が流行しているのか?

2019年から2020年にかけてアメリカで流行している「インフルエンザ」は「B型」から流行し始め、A型よりも多い傾向があります。「インフルエンザA型」は25歳から64歳、65歳以上の中高年から高齢者が感染しやすく、B型は新生児、24歳までの若年層が感染しやすいとされています。この「インフルエンザ」の「タイプ」と「流行の順番」が感染拡大の原因を知るポイントです。

アメリカで「インフルエンザ」の流行が始まった2019年11月頃から2020年1月頃までは圧倒的にB型が多く、その後A型が増えてきています。つまり、子供や若者層から感染が広まり、次第に中高年や高齢者に広まっていったということになります。仮定ではあるものの、学校でスクールバスを利用する子供たちが感染し、その後に家庭内感染、そして職場感染というように裾野からまんべんなく広がったことが原因と考えられています。

これまでの流行の傾向はまずA型が流行し、B型が増えてくるものでしたが、2020年シーズンは逆になり、なおかつ両タイプが混在する時期が続いて流行期間が長引いていることが特徴です。このように「インフルエンザ」のタイプと流行の順番が感染拡大の原因になっているのです。

アメリカでは「新型コロナウイルス」や「インフルエンザ」にどんな対策をしているの?

日本では「インフルエンザ」などの感染症を防ぐために年齢や世代を問わず手洗い、うがい、マスクの着用などが当たり前のように浸透していますが、アメリカではどのような対策が取られているのでしょうか?


アメリカでは手洗いやうがい、マスクの着用などは日本ほど定着していません。とくにマスクの着用は全くと言っていいほど定着しておらず、マスクを着用するだけで「carrier(キャリアー)」として見られてしまい、その人が感染源扱いを受けてしまうほどです。

欧米人はマスクに対する対抗が非常に大きく、マスクをしている欧米人を見ると「異常なまでの防御」または「余程の神経質」みたいに見えてしまいます。マスクを着用することは感染症を防ぐ、あるいは拡大させないための配慮という概念がない証拠と言えるでしょう。

対照的にアメリカ人は「手洗い」に対する意識は高いようです。なかでも「Hand Sanitizer」と呼ばれる速乾性ジェルによる手洗いはごく一般的で、常に鞄にぶらさげている人もいるほどです。アメリカでは学校や駅などの公共機関にはプッシュ式の物が壁に取り付けられており、水を使わずに手を清潔にすることが可能です。水や紙を使わず短時間で済むことから合理主義のアメリカらしい一面と言えます。

アメリカでは日本のように感染症予防の対策は徹底されていません。しかし、日本のようにいたるところで満員電車や人混みが発生するわけではないので、日常生活で感染症にかかるリスクは低いという自覚があるようです。

「新型コロナウイルス」や「インフルエンザ」に対する危機感が希薄のアメリカ

先述したように2020年、アメリカでは「インフルエンザ」の流行が続いています。それに加えて「新型コロナウイルス」問題も発生し、危機感を強めています。しかし、このような危機感を持っているのはごく一部の人だけで、大半の人は「我関せず」と言ったところです。

実際にメディアの報道を見ても「新型コロナウイルスはアジアの問題」、「アメリカのインフルエンザは例年同様」といった内容が多く、対岸の火事のような報じ方です。自分が被害を被るまで危機感が生まれないという心理はアメリカも日本も同じなのかもしれません。

ちなみに、Centers for Disease Control and Prevention(アメリカ疾病管理予防センター)は毎週1回のペースで「インフルエンザ」の発生状況を分かりやすい図表を使って公開しており、それによるとアラスカ州以外は「High」という非常に危険な状況であることが分かります。

▼データ参照元:「The U.S. Centers for Disease Control and Prevention」
https://www.cdc.gov/flu/weekly/index.htm

感染したら大変なアメリカの治療事情

アメリカの医療費が高額であることは日本にいる人もご存知だと思います。

日本のように国民健康保険が機能していないアメリカでは民間の保険会社を利用することが前提で、契約する保険内容がどのような病気をカバーするかを見極めたうえで加入する仕組みです。仮に、「インフルエンザ」の検査や治療行為(処方薬)などがカバーされていても、自己負担として50,000円から200,000円かかるケースもあります。

このような高額な医療費の支払いが出来ない人が圧倒的に多いことから、「新型コロナウイルス」や「インフルエンザ」に罹ったとしても生命に危険を感じない限り病院には行かないという事態が起こっているのです。「アメリカの医療費は高額」という話は本当であり、アメリカで生活をする人にとって非常に深刻な問題になっていることを知っておくと良いでしょう。

まとめ

2019年から2020年にかけてアメリカを襲った「新型コロナウイルス」や「インフルエンザ」の問題は、皮肉にも日本で報道されているほどアメリカ現地では取り沙汰されていないため温度差が否めません。アメリカは国土が広く、日本よりもパーソナルスペースが広いことから感染症に対する危機感は低いと言えます。

一方で、高額な医療費問題や感染症予防に関する教育の少なさなどの問題があることも否めません。アメリカは日本と違い、感染症を罹患した際に頼れるはずの病院や医療制度のハードルが非常に高いことから、生命に関わることでも「格差」が生じていることがよく分かります。

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本記事は、2020年2月26日時点調査または公開された情報です。
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公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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