従業員の給与の75%を国が補填 アメリカの新型コロナ救済助成金について

日本でも政府の新型コロナウィルスの、感染拡大に対する経済対策として、国民に現金給付をする方向に向かっているようですが、いまだに給付金対象や条件が、まだはっきりと決まっていない模様です。

日本より遅くコロナの影響がでたアメリカでは、現在日本よりも一足先に給付金政策が開始されています。

本記事では、アメリカにおける新型コロナウイルスの給付金政策について、まとめました。

はじめに

日本の経済対策目標総額は56兆円、収入が著しく落ち込んだ家庭を救済対象にするとか、年収100万円以下の世帯に30万円を給付する、20万円支給するとインパクトがある、または所得制限を付けずに一人一律10万円ずつ配るなど、いろいろな案が出すぎて、現金給付の対象者や開始日を、はっきり決めかねているように思います。

そんななかアメリカでは、あvの予算を使ってコロナに苦しむ人々を救済するため、失業保険の給付と納税者全員に対しての現金還付が、すでに開始されました。

アメリカの給付金政策は具体的にどのような内容なのか、日本の政策とはどこが違うのか、公務員のみならず知っておきたい内容です。ぜひご覧ください。

アメリカのでは、従業員の給与の75%を、失業保険によって国が補填

現在アメリカ全土で外出自粛や禁止命令が発令され、沢山の人が自宅待機状態になった人たちがものすごい勢いで一時解雇されています。

一番はじめに一時解雇されたのは、中小企業のパートタイム従業員や個人経営のレストランなどで働いていたウェートレス達で、失業保険を申請するように指示されました。その為この3週間で約1600万件の失業保険の申請があり、その後も失業者の数は毎日どんどん増え続けています。

今回一斉に沢山の非正社員達が一時解雇された理由は、従業員を解雇しなければ、経営がたちゆかなくなる中小、零細企業のため、普段は失業保険の受給対象にならない、フリーランサーやパートタイムで働いている従業員の給与の75%を、失業保険によって国が補填することになっているからです。

今回一時解雇された人達は、コロナ騒動が治れば再雇用される約束がされています。しかし自宅待機命令終了後、どれだけの中小、零細企業のオーナーが、仕事を再開できるのかは疑問です。

しかしここで企業の体力を温存しなければ、もっとたくさんの会社が潰れてしまうのを、防ぐための必要な措置だったと思います。

アメリカの失業保険の受け取り方法

日本の失業給付金は、受給者が指定した個人口座に給付金が振り込まれると思いますが、アメリカではE D Dカードというデビットカードが、失業保険の取り扱い窓口である経済保安局から受給対象者に送られてきて、そのカードに毎週お金が自動的に振り込まれることになっています。

カードを受け取った後、電話かウェブサイトで、カードのアクティベイト(本人確認)をする必要がありますが、その際に必要なのは、ソーシャルセキュリティナンバーとEメールアドレスを通知するだけなので、簡単にできます。デビットカードは、銀行のA T Mで現金を引き出せる以外に、クレジットカードやプリペイドカードのように、キャッシュレスでそのまま買い物の支払いに使えるので、とても便利です。

現在アメリカの失業保険の給付対象者は、Federal Pandemic Unemployment Compensation(連邦パンデミック失業補償)、Pandemic Emergency Unemployment Compensation(パンデミック緊急失業補償)と、Pandemic Unemployment Assistance(パンデミック失業援助)の3種類に分類されています。

Federal Pandemic Unemployment Compensationのカテゴリーに当てはまるのは、現在失業保険を受給しているか、申請するとなんの問題もなく受給対象になる、正社員のフルタイムで働いている人達が対象で、更にコロナが原因で職を失った場合、通常の給付金に更に$600上乗せされ支給されます。

Pandemic Emergency Unemployment Compensationは、以前に失業保険を申請した経験がある、個人情報がまだシステムに残っている人達が対象で、今現在も何らかの理由で失業していて、正規の給付金は受け取れませんが、上乗せ分の$600を3月15日から7月31日の間で最長13週間受け取る事ができます。

この2つは以前から失業保険事務局のシステムに存在しているので、申請すればすぐに支給が開始されます。

3番目のPandemic Unemployment Assistanceは、今回コロナによって職を失った、個人事業主、フリーランサー、パートタイムワーカーや、就職期間が短すぎて給付の対象にならないフルタイム社員などの為に新しく設けられたカテゴリーで、受給対象者には、最長39週間失業保険が給付されます。

しかしこのカテゴリーに該当する人達は、もともと失業保険の対象者ではありませんでした。そのため新しくシステムを構築している状態で、給付開始の際は連絡が来るようですが、残念ながらまだ支給の目処が立っていません。

Stimulus Bill Check(経済刺激策給付金)について

Stimulus Billは経済を活性化させるための緊急一時金で、対象者は年収$75000以下のアメリカに住む納税者全員、給付金額は大人ひとり$1200で、夫婦ふたり世帯の場合は$2400になります。そして17歳以下の子供は、ひとり当たり$500、一世帯子供3人まで給付されるので、世帯最高給付額は$3900(1200+1200+500+500+500)になります。

低所得などを理由に納税を免除されている人達も、住所氏名と銀行の口座番号を登録すると、$1200受給する事ができます。そしてアメリカ人はもとより、外国人、老齢年金受給者、障害者年金受給者でも、正当なビザとソーシャルセキュリティナンバーさえ持っていれば、給付対象者になります。

給付金を受給するためには、2018年か2019年の税金の確定申告を済ませている必要がありますが、過去2年間でいずれかの年に、納税申告していれば、他に何もする必要はありません。給付金は国税局に税金を申告したときに指定した、年末調整の振り込み先銀行口座に、自動的に振り込まれます。振り込みは4月12日から始まり、収入に応じて9月15日までに全世帯に振り込みが完了する予定です。

年収$75000以下の家庭で納税申告していれば、国税局から自動的に返す必要のないお金が振り込まれ、そのお金は自分の好きに使える訳ですから、素晴らしい政策だと思います。

基本アメリカ人は、日本人のように貯金をする人はあまりいません。そしてクレジットカードもよく使います。そのため職を失い収入が途絶えると、すぐに家賃も払えなくなり、クレジットカードの支払いも滞るようになります。

今アメリカ中に、明日買い物に行くお金もなく、今日食べる物にでさえ困っている人達が沢山いるはずです。そんな人達の口座に無条件でお金が振り込まれ、明日への不安を軽減する、Stimulus Bill対策は、素晴らしいアイディアだと思います。

もちろん今回の給付金は、将来的には国民が税金を払い、返して行かなければならないお金だと思います。この先経済が上向いてきて景気がまた活性化してきたら、きっと税率が大幅に上がり、今回の給付金をもらった事を、後悔する人も出るかもしれません。
しかしアメリカ全人口の8割に当たる、年収$75000以下の家庭の家族全員に、無条件でお金を出す決断をたった3週間で決断、実行したアメリカ政府は、すごい実行力があると思います。それに加えて、アメリカ政府は今、給付金第2段として、今度は1世帯ひと月$2000ずつ毎月給付する事を考えています。

とりあえず考えられる最善の対策をして、あとの事は後で考える、このアメリカ的な考え方を今は日本も見習うべきではないでしょうか。

給付金が受け取れない人達

ただ一見とても素晴らしく見えるこの給付金対策の対象から、除外されてしまう人達もいます。

例えば18歳で大学入学後一人暮らしを始め、親に頼らず、バイトで日々の生活をサポートしていた人が、今回のコロナで職を失ったとします。まず親の扶養に入っていても17歳以上なので、$500の給付対象にはなりません。また収入があったとしても、親の扶養に入っている人は、$1200の対象外です。バイトも失い、失業保険の手続きをしても正社員ではないので、支給には時間がかかるはずです。

親が障害者年金受給者で、家族がその介護している場合、介護者が成人していても、世帯の納税の義務はありません。障害者である親は、申請すれば$1200もらえますが、介護者が成人していても納税者ではない為、給付の対象外になります。

そしてソーシャルセキュリティーナンバーがない外国人労働者や、留学生も支給対象外になります。

このように高額な学費や医療費を支出しなければならない支給対象外者の方が、お金が必要なはずなのに支給対象外者になってしまうとは何とも皮肉な話です。

まとめ

コロナウィルスの影響で突然職を失い、日々の生活にも困っている人達が、今現在、世界中に数多くいます。そして世界中の国々が、それぞれできうる限りの金融、医療対策を検討、実施していると思います。

どこの国にとっても初めての経験で、今どの対策が一番良いかは一概には決められません。しかし一番大切な事は、本当に困っている人達に、迅速に、救済の手が差し伸べられることではないでしょうか。

今後も日本のみならず、世界各国の経済面での対策に、ぜひ注目してください。

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本記事は、2020年4月22日時点調査または公開された情報です。
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