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アメリカ大統領選挙、投票日から一夜明けたアメリカの様子(2020年11月4日)

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目次

はじめに

2020年11月3日、アメリカ全土で大統領選挙の投票日を迎え、次のアメリカ大統領が決定しようとしています。

従来であれば即日開票によって翌日の4日中には大勢が判明しますが、今回の大統領選に関しては新型コロナウイルスの影響を受けて増加した「郵便投票」の集計に時間がかかっています。また、郵便投票で不正が行われていると主張するトランプ陣営が訴訟を起こして、決着は12月までずれ込む可能性も出てきました。

一方で、投票を終えて結果を待つだけとなったアメリカ人たちの間でも支持政党を巡る攻防が続いており、アメリカ全体が「妙な雰囲気」に包まれているかのようです。

ここでは大統領選から一夜明けたアメリカの様子をはじめ、実際に投票した人たちの声などをご紹介します。

アメリカ国内の混乱の様子

日本でも連日報道されているように、今回の大統領選は史上最高とされるほどの接戦です。また、共和党のトランプ陣営が勝利に執着していることから「負けても退かない大統領選」ともされています。

そんな大統領選ですが、当記事執筆時点(アメリカ時間11月5日)においても決着しておらず、ネバダ州(選挙人6名)では有効な郵便投票が到着するのを待つため「集計を一旦中止する」事態になっています。(これにより決着がさらに遅れる)

また、結果に大きく影響すると見られるジョージア州(選挙人16名)では、3日午後7時以降に到着した郵便投票を除外するようトランプ陣営が訴訟を起こしています。(これによりバイデン氏の票が増えることを阻止する狙い)

トランプ陣営は激戦州とされるミシガン州(選挙人16名)とペンシルベニア州(選挙人20名)において、さらなる集計停止を求めて提訴しており、ウィスコンシン州(選挙人10名)では集計のやり直しを求めています。(これらの州で勝利すればトランプ陣営は勝利確実)

つまり、混乱の原因は「トランプ陣営による集計を巡る訴訟」にあると言えるでしょう。トランプ陣営は投票日夜の時点で勝利できそうな状況にありましたが、郵便投票の集計が追加されると同時に劣勢に変わっていきました。

トランプ陣営としては「郵便投票がなければ勝利していた」という訳です。さらに、郵便投票は各州で締め切り時間や消印などのルールが異なるため「ルールに忠実な開票なのか(正当な票か)」という点を問題視しています。

トランプ陣営は郵便投票の開票が進むほど劣勢になることから、自分たちが優勢なうちに開票を打ち切ってしまいたい思惑なのです。5日午前、トランプ大統領は自身のTwitterで「STOP THE COUNT(集計を止めろ)」と投稿しており、支持者らも「不正票を集計するな」と同調しています。


対照的に、民主党が優勢のニューヨークやワシントンD.C.では「最後の1票まで数えろ」とデモが実施されており、集計の継続を巡って一般人の間でも対立が起きています。

アメリカ国民の反応

アリゾナ州で暮らす筆者の知人に大統領選について話しを聞いてみました。

30代男性・マークの反応

バイデンに投票した。4年前からトランプがとにかく嫌だった。傲慢で品性のかけらもない。トランプ政権になってアメリカはひどい国になった。そもそも実業家が政治をやるべきではないと思う。

決して、バイデンが良いからという訳ではないが、いまの時代には民主党の政策の方がマッチしている。副大統領候補のハリス氏のことはサポートしたい。大統領選は早く決着をつけて日常に戻ってほしい。

70代男性・ロジャーの反応

僕は2016年からトランプを支持している。我々の税金を不法移民がアメリカで不自由なく暮らしていくために使うのはおかしい。もっと税金の優遇を受けるべき正当な権利を持つアメリカ人はいるはず。民主党の人道支援は悪いことではないが、不法移民への手厚いサポートは間違っている。

4年間でトランプ大統領ほど色々やった大統領はいない。ここまでスピード感を持って次々に政策を実現してきたことはすごい。ただ、彼の振る舞いを好まない人が多いことは理解できるよ。

60代女性・キャサリンの反応

投票していない。どちらが勝利しても最悪だし、この大統領選の雰囲気にうんざりしている。偏った報道、批判合戦、嘘ばっかり。どちらが大統領になってもいいから早く終わってほしい。そうすれば、(特定政党の支持を呼びかける)電話もダイレクトメールも来訪も減るから。

トランプ大統領を嫌う友人から毎日のように「なぜトランプがダメか」という内容のメールが送られてくる。その根拠として示されているのが、ニューヨークタイムズやワシントンポストの記事だから、それにもうんざり。大統領選によってみんなおかしくなっている。

50代女性・ヘレンの反応

トランプ大統領を支持する。メディアがこぞってトランプ批判を続けてきたからみんな洗脳されていると思う。トランプ政権の実績を報道するメディアはほとんどなく、何よりも批判的な報道ばかり。テレビ依存度が高いアメリカ人はメディアに左右されやすい、それをアメリカ人の誰も気がついていない。

アメリカ人はテレビが報道していることを真に受けて正当な評価を下せない。誰かと会話するとすぐに「テレビではこう言ってた」と主張する。トランプ大統領はアメリカのために尽力していることは確かなのに。テレビによって洗脳されていることに気がつかなきゃ。

30代女性・エイミーの反応

投票に行ったけど大統領選については無記入にした。正直なところ、誰が大統領になっても何も変わらない。それだったら、ローカルの上院議員や下院議員をしっかり選んだ方がマシだと思う。父親と話しをした際に共感できた上院議員に票を入れた。

選挙に関心がないことは事実。ただ、投票したいと思える人がいない中で妥協して投票するほど馬鹿らしいことはないと思う。共和党も民主党もサポートしたいと思えない。この時代にふたつしか政党がないこと自体がおかしい。国がアメリカ人の足元を見ていることに気がつくべき。

アメリカ大統領選挙、今後の展開は?

今後は「郵便投票の集計」「訴訟の行方」に注目です。

郵便投票は各州によって有効性が変わるため、どこまで有効票を数えられるかが焦点になるでしょう。例えば、結果に大きく影響するとされるミシガン州、ペンシルバニア州、ウィスコンシン州は郵便投票の集計を始めた途端に大勢が逆転しました。つまり、郵便投票の集計次第で結果が変わることを意味します。

勝敗が決着していない州において、郵便投票の集計を続ければバイデン陣営が優勢になると見られることから、バイデン陣営としては郵便投票の集計を続けたいでしょう。対照的に、トランプ陣営としては郵便投票の集計は阻止したいところです。


トランプ陣営による「訴訟の行方」にも注目です。トランプ大統領は投票日夜の時点で「最高裁にまで行くことになる」とコメントしており、郵便投票に対する強い不信感を表しています。また、トランプ大統領の弁護士であるジェンナ・エリス氏は「あらゆる法的選択肢を検討している」とし、大統領選の決着は最高裁で争う可能性を示唆しました。

最高裁による決着はトランプ陣営が入念に準備していたことなので「シナリオ通り」とする声が大半です。一方で、郵便投票を巡る不正の根拠を示せていないことや、ネバダ州最高裁判所が投票集計の停止要求を退けたことなど、不利な状況にあることも事実です。

まとめ

以上、「アメリカ大統領選、投票日から一夜明けたアメリカの様子」でした。

アメリカでは結果を巡って混乱が続いており、一般市民の間でもストレスが溜まっているような印象です。投票日翌日、いつになくトランプ支持者たちはトランプと書かれた旗を掲げた車に乗り、マスクやシャツもトランプ仕様で、最後まで諦めない姿勢を見せています。

対照的に、バイデンの支持者らは大人しく「大統領選が早く終わってほしい」と願っているような印象を受けます。開票後に決着がついても裁判までもつれる可能性があるので、当面はアメリカ全土で緊張した状態が続きそうです。

本記事は、2020年11月8日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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