【2019年度の在留外国人の割合が過去最多に】中国が1位、ベトナムも急増。在留資格取り消し件数も増加。

出入国在留管理庁によると、2019年度(令和元年度)の在留外国人は、過去最高の人数になったようです。増加傾向にある在留外国人について解説します。


令和元年度の在留外国人は、約293万人

出入国在留管理庁の発表によると、2019年(令和元年)末の「中長期在留者数」は262万636人、そして「特別永住者数」は31万2501人で、これらを合わせた在留外国人数は293万3137人となりました。

前年の2018年末時点での在留外国人数273万1093人に比べても7.4%増の20万2044人増加し過去最高となったようです。

在留外国人の男女比では、女性の方がやや多い

在留外国人数を男女別に見ると、男性が144万5799人で全体の49.3%、女性は148万7338人で全体の50.7%となり、女性の方が少しようですが、男女それぞれ増加しました。

在留外国人の国籍で最も多いのは「中国」だが、「ベトナム」も急増

在留外国人のうち、最も多い約28%を占めるのが「中国」国籍の方です。次いで、「韓国」、「ベトナム」と続きますが、特にベトナムについては前年より24.5%も増加しており、7位の「インドネシア」とともに増加傾向が目立ちます。

 

(1) 中国 813,675人 (構成比27.7%) (+ 6.4%)
(2) 韓国 446,364人 (構成比15.2%) (- 0.7%)
(3) ベトナム 411,968人 (構成比14.0%) (+24.5%)
(4) フィリピン 282,798人 (構成比 9.6%) (+ 4.2%)
(5) ブラジル 211,677人 (構成比 7.2%) (+ 4.9%)
(7) インドネシア  66,860人 (構成比 2.3%) (+18.7%)

引用元:
http://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00003.html

在留資格別で、最も多いのは「永住者」

2019年の在留外国人を在留資格別でみると、「永住者」が79万3146人で、前年末より2万1596人(2.8%)増えて、最も多かったようです。次に多かったのが、「技能実習」で41万972人で、前年より8万2612人、約25%増えました。

それ以降は、「留学」、「特別永住者」と続きます。

(1) 永住者 793.164人 (構成比27.0%) (+ 2.8%)
(2) 技能実習 410,972人 (構成比14.0%) (+25.2%)
(3) 留学 345,791人 (構成比11.8%) (+ 2.6%)
(4) 特別永住者 312,501人 (構成比10.7%) (- 2.8%)
(5) 技術・人文知識・国際業務 271,999人 (構成比 9.3%) (+20.5%)

キーワード説明「在留資格について」

在留資格にはさまざまな種類があり、出入国在留管理庁のホームページに一覧表が掲載されています。そのうち、在留外国人の多い一部の資格についてご紹介します。

永住者

「永住者資格」は、法務大臣が日本での永住を認めた人のことで、在留期限は無期限です。永住者資格を取得するためには、「素行善良要件」「独立生計要件」「国益要件」などクリアしなければならない条件が存在し、原則として10年以上日本に住んでいて、犯罪などに関係しておらず、安定した収入がある等の人が申請できるようです。特例として、在留10年以内でも取得できる場合もあります

参考:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html


技能実習

「技能実習資格」は、いわゆる「技能実習生」という立場で、日本で実務を伴う研修を受け、日本の企業などで働きながら学ぶことができる資格です。これに似た在留資格に「研修」がありますが、研修資格では、実習を行ったり、雇用関係を結ぶことはできないようです。「技能実習」は、入国からの年数によって技能実習1号〜3号などと号数が大きくなっていき、在留が認められる期間も長くなります。

留学

「留学資格」は、日本の大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、中学校、小学校や、特別支援学校などの学生・生徒として在留できる資格です。それぞれの学校の教育課程に合わせて、在留期間が変わります。

特別永住者

「特別永住者資格」は、1991年(平成3年)11月1日に執行された「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)」によって在留資格を認められている外国人のことをいいます。具体的な対象者は、第二次世界大戦の以前から日本に居住して日本国民として暮らしていた外国人で、サンフランシスコ平和条約により日本国籍を失った方々で、対象者は韓国・朝鮮人か、台湾人の方です。また、特別永住者の子孫も対象なので、両親のどちらか一方が特別永住者であった場合に、特別永住許可を申請することができるようです。

技術・人文知識・国際業務

「技術・人文知識・国際業務資格」は、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者などが該当する在留資格です。認められる在留期間は、3ヶ月から5年までの幅広く、日本での職業の内容などによって定められています

そのほかの資格について詳しくは、出入国在留管理庁のホームページなどでご確認をください。

参考:出入国在留管理庁「在留資格一覧表」
http://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html

一方で、2020年の「在留資格取り消し」も過去最多に

在留外国人が増加する一方で、出入国在留管理庁は、入管難民法に基づく2020年の外国人の在留資格取り消し件数が、2019年に比べて21.9%増えて、1210件だったと発表しました。

在留取り消し件数を調査し始めた2005年以降、過去最多を更新したようです。近年は在留外国人が増加傾向したことに加えて、取り締まりの強化が「実った」結果だということです。

在留資格別に資格取り消し数をみると、最多の取り消しとなったのは「技能実習」561件、次に多いのは「留学」で524件で、この2資格で全体の9割を占めたようです。

また、国籍・地域別では、在留外国人のうち、ベトナム人が711件、中国人が162件、ネパール人が98件、カンボジア人は48件でした。

「入管難民法」では、在留外国人が、在留資格に基づく活動をしていなかった場合に、在留資格が取り消される決まりになっています。

まとめ

このページでは、日本の在留外国人が増加し、過去最多になっていることについてご紹介しました。

また、在留外国人増加に伴い、また入管難民法に基づいて出入国在留管理庁などによる取り締まり強化の成果も出たことから、「在留取り消し」も過去最多となっていることもご紹介しました。

本記事は、2021年6月11日時点調査または公開された情報です。
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