万国郵便連合(UPU)の基本情報

国際連合の専門機関である「万国郵便連合(UPU)」の組織について基本情報をまとめました。


はじめに

国連の関連機関には、加盟国間の郵便業務を調整し、最高水準の容易に利用できる公的な郵政サービスに普遍的にアクセスできるようにすることを目的とするUPU(万国郵便連合)というものがあります。

本ページでは、「UPU」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

「UPU」は万国郵便連合のこと

「UPU」はUniversal Postal Unionの略で、日本語に訳すと「万国郵便連合」のことです。

「UPU」は、国連、つまり国際連合の専門機関の一つで、1874年に「最高水準の容易に利用できる公的な郵政サービスに普遍的にアクセスできるようにすること」を目的として1874年に設立され、1948年に国連の専門機関となりました。

なお、日本が「UPU」に加盟したのは、1877年6月です。

「UPU」の組織体制について

「UPU」の本部は、スイスのベルンにあり、大会議(総会)があり、その下部組織として執行理事会・郵便研究諮問理事会・国際事務局があります。

執行理事会の下部組織には10の委員会、郵便研究諮問理事会の下部には7つの委員会が設置されています。

大会議(総会)

大会議(総会)は、全加盟国192ヶ国で構成される最高機関で、憲章や条約の改正が行われます。

管理理事会

管理理事会は、理事国41ヶ国で構成され、規制や組織に関する事項について取り扱います。

郵便業務理事会

郵便業務理事会は、理事国40ヶ国で構成され、国際郵便の取扱に関するルールの策定など、業務や技術に関する事項を取り扱います。

国際事務局

国際事務局は、ベルンにあり、職員はおよそ150名です。


「UPU」の役割

「UPU」の主な役割は、物理的・財政的・電子工学的な側面を持つ世界的なネットワークを維持することに加え、その加盟国間における国際郵便の規則制定や商品・サービスの近代化、郵便物増加による利用サービスの質の改善について勧告することです。

さらに、「UPU」は、クライアントの新しいニーズに応えられるよう、財政的でロジステックなeコマース(電子商取引)サービスを提供する役割も担っています。

▼参考サイト:国際連合広報センター「万国郵便連合(UPU)」(外部サイト)

「UPU」の主な活動

「UPU」では、主に下記の8つの活動が行われています。

1)物理的サービス
2)デジタルサービス
3)金融業務
4)持続可能な発展
5)技術協力
6)貿易の円滑化
7)研究および出版物
8)国際切手と返信クーポン
9)標準化

物理的サービス

「UPU」は、最新の郵便製品と物流サービスを提供する効率的な郵便ネットワークの開発を促進する活動を行っています。

具体的には、物流チェーン他のパートナーと緊密に連携し、手紙、小包、速達などの郵便製品を規定し、グローバルな郵便サービスの品質を監督します。

また、誰もがどの国にいてもメールを受信できるよう、アドレス指定システムを設定するなどの活動も行っています。

デジタルサービス

「UPU」は、デジタル経済の成長に伴い、郵便サービスのデジタル化とデジタル変換が戦略的優先事項となっているため、世界中の指定オペレーターによるサービスの最新化・多様化・顧客の需要に適合した新技術を実装する活動を行っています。

金融業務

「UPU」は、郵便金融サービスの提供が世界の経済と社会の発展に大きく貢献し、生活水準の向上に重要な役割を果たしていることから、郵便ネットワークを電子的・財務的・物理的に充実させ、全世界の住民が効率的で信頼性が高く、安全で手頃な価格で電子決済サービスを利用するための保証活動を行っています。

持続可能な発展

「UPU」は、主に経済・環境・社会性において郵便事業を持続的に開発させ、活動の効率と回復力を改善して顧客との関係を強化し、新しい市場を開拓するとともに、責任ある運用によって郵便事業の安全なワークステーションを作成し、コミュニティとの信頼を構築するための活動を行っています。

技術協力

「UPU」は、先進国と途上国間の「郵便格差」を減らし、確実にノウハウを移転するため、技術協力を管理・実施し、連合の方針の設計と開発を促進する活動を行っています。

貿易の円滑化

「UPU」は、UPU加盟国に情報を提供し、さまざまな問題の側面について詳細に分析して関連情報を広め、WTO・世界税関組織(WCO)・国連貿易開発会議(UNCTAD)および、その他の貿易関連組織と協力して貿易政策問題に取り組む活動を行っています。

研究および出版物

「UPU」は、急速に変化する社会情勢のなかで、最新の情報に迅速にアクセスし、戦略的なビジョンとポリシーの策定・運用上の決定・製品とサービスの開発・顧客満足度・財務の持続可能性につながるよう、市場調査やテーマ別調査などの活動を行っています。

国際切手と返信クーポン

「UPU」は、世界切手開発協会(WADP)の事務局として機能し、管理委員会と連携してWADPの作業を組織化し、協会の世界番号システム(WNS)を運営するほか、下記の3つの活動を行っています。


1)国際事務局が開催する普遍的な切手コレクションの管理
2)切手印刷・カタログ発行者・切手販売業者・セキュリティプリンターと切手協会との関係の調整
3)国際返信クーポン(IRC)の管理

標準化

「UPU」は、ポスト、顧客、サプライヤー、その他の国際機関と密接に連携し、効率的な郵便業務とグローバルな郵便ネットワークにより、EDIメッセージの技術標準と仕様を開発し、投稿間の運用情報の交換を改善して標準化する活動を行っています。

まとめ

本ページでは、「UPU」とはどのような組織なのか基本的な情報についてまとめました。

本記事は、2021年9月15日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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