【厚生労働省】「新型コロナウイルス」ワクチンの不適切廃棄で企業名など公表へ

厚生労働省は、「新型コロナウイルス」のワクチンの職域接種について、不適切な管理によってワクチンを廃棄した場合に、再発防止のためその企業名や学校名を公表することを2021年7月21日に都道府県などに通知したようです。


職域接種で不適切なワクチン廃棄が続出。瓶単位での廃棄は厚労省が公表へ

厚生労働省は2021年7月21日付けで、都道府県に対し、新型コロナウイルスワクチンの職域接種分の菅理が不適切で瓶単位など大量に廃棄することになった企業や学校に対して、その企業名や学校名を厚労省ホームページで公表することを通知しました。

企業名や学校名の公表には、廃棄になったことへの反省と再発防止を促し、ワクチンを無駄にしないためという目的があるようです。

▼参考URL:NHKニュース|職域接種 ワクチン一定量廃棄の企業名など原則公表へ 厚労省(外部サイト)

「職域接種」とは?企業単位での新型コロナウイルスワクチン接種

「職域」とは、「その職業の範囲」や「職場」などの意味を持つ言葉です。

「職域接種」とは、ワクチン接種について各自治体・地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくために、社員の多い大企業や、大学などで、職域単位・学校単位でワクチンの接種を行う制度です。

「職域接種」は2021年6月以降、1000人程度に接種を行える企業や大学などを対象に始まりました。

厚生労働省によると、2021年7月18日までに、全国のおよそ2000か所で合計して約465万回の接種が行われているようです。

ただし、この数には「2回目」などの接種も含むので、ワクチンの接種回数=接種人数ではありません。

▼参考URL:厚生労働省|武田/モデルナ社ワクチンを活用した職域接種について(外部サイト)

企業名の公表の対象となるのは「瓶単位」での大量廃棄の場合など

ワクチンの廃棄が企業名とともに公表されてしまうケースをご紹介します。

企業名公表の対象になるのは、供給された新型コロナウイルスワクチンの不適切な温度管理や、接種希望者の直前のキャンセルなどによる接種取り消し、有効期限切れなどのさまざまな理由で、接種ができなくなり、1回も接種せずにワクチンを瓶(バイアル)単位で廃棄した場合のようです。


日本国内での職域接種にはアメリカのモデルナ社製のワクチンが使われており、1瓶(バイアル)には10回接種分が入っています。

▼参考URL:朝日新聞デジタル|ワクチンの不適切管理で廃棄は「企業名を公表」 厚労省(外部サイト)

自治体によるミスは自主的に公表されています

自治体のワクチン接種について、廃棄などのミスがあった場合には、すでに自治体の判断で自主的に公表されているようです。

民間の企業や大学の場合には、廃棄となっても公表されないことがあることなどが問題となり、実際にどのくらいのミスがあるのか検証するためにも、今回は企業名等の公表に踏み切るようです。

▼参考URL:読売新聞オンライン|ワクチン接種ミス「139件」、厚労省が集計…最多は「接種間隔の間違い」(外部サイト)

▼参考URL:産経新聞|相次ぐワクチン接種のミス 自治体は対策に苦慮(外部サイト)

企業名以外にも、廃棄の「経緯」や「要因」についても公表

厚生労働省のホームページでは、ワクチン廃棄となった企業や大学について、企業・大学名のほかにも、「廃棄量」、ワクチン廃棄の「経緯と要因」、そして「再発防止策」などを公表する予定です。

2021年7月28日現在、まだ公表されている企業や大学は無いようです。

▼参考URL:厚生労働省|新型コロナワクチンについて(外部サイト)

Twitterでの反応、感想、意見など

Twitter上では、公表を歓迎する声が目立つほか、すでに企業から自治体に余剰分を提供する動きが出るなど「効果」が出てきているようです。

ただ、本当に効果があるのか疑う声もあるようです。

企業名公表が一般開放につながることを期待する声

企業から自治体への余剰分提供についての声


企業名公表の方針・効果を疑う声

まとめ

このページでは、企業などの相次ぐ菅理ミスによって無駄になってしまう新型コロナウイルスワクチンの無駄をなくそうと、不適切にワクチン廃棄を行った企業名や学校名などを公表するという厚生労働省の方針について解説しました。

これまで民間で行われてきた職域接種での管理ミス・廃棄については、「冷凍庫での温度管理を誤って使用できなくなった」とか、「接種予約が直前に取り消されて使い切れなかったりした」など複数報告されてきましたが、中には公表されていないケースもあるということが問題になっていました。

ただ、一方で、6月に始まった職域接種の受付では、国への申請が殺到し、受け付けを休止せざるを得ない状態が続いています。約5000会場のうち、多くは8月のお盆明けにならないと受付再開・開始ができないなど、「政府の不手際」で混乱を招いているとの指摘もあります。

企業名を公表されるとなれば、ワクチンを大切に活用してくれるだろうという狙いから、厚労省はこのような方針を打ち出しましたが、果たして効果はあるのか、ワクチンは適切に行き渡るのか、問われています。

本記事は、2021年8月20日時点調査または公開された情報です。
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