わかる政治経済シリーズ 第9回

イギリスの政治制度(2022年6月)

多くの国が参考にしているイギリスの政治制度はどのようなものでしょうか?

本ページでは「イギリスの政治制度」について解説します。


イギリスの憲法の特徴

イギリスの憲法には「不文憲法」と「軟性憲法」という特徴があります。

不文憲法とは?

イギリスには具体的な憲法典がありません。重要な法律や政治的慣習などを集大成としたものを憲法とする「不文憲法」の国家です。

三大憲法といわれる「マグナ=カルタ(大憲章)」「権利請願」「権利章典」や重要な分立、議院内閣制の慣習法などが憲法にあたります。

軟性憲法とは?

法律と同じ手続きで改正できる憲法を「軟性憲法」と言います。

イギリスにはまとまった形の成文憲法がないため、法律の改正がそのまま憲法の改正と同じ意味となる場合があります。

政治形態は立憲君主制

イギリスは国王を元首とする立憲君主制です。立憲君主制とは、憲法に従って君主が統治権を行使する政治形態を言います。

国王は国の元首であり、法案を成立させる裁可権、議会招集、解散権など統治権の主体の権限があるとされていますが、実質的な権限はほとんどもっていない、各自的・象徴的地位です。

イギリス議会政治における国王の位置づけは「王は君臨すれども統治せず」という言葉で表されています。

立法の最高機関であるイギリス議会

イギリス議会は立法の最高機関です。議会優位の原則があり、議会主義の典型で議会主権とも言われます。
イギリスの議会は日本と同じ二院制ですが、世襲貴族、聖職者、代表貴族、法律貴族が終身議員となる上院(貴族院)と、選挙で選ばれた議員で構成される下院(庶民院)となっています。

1911年に制定された議会法以来「下院優位の原則」が確立され上下院が政治の中心的存在となっています。上院はほとんど実権を持ちませんが、世論をリードする権威はもっています。

下院議員は小選挙区制の選挙で選出され、任期は5年、定数は650名です。


司法の最高機関は上院から最高裁判所に

1688年の名誉革命後、国家の主権は議会にあるとされ、議会制定法はすべての法令に優位するため、裁判所には違憲立法審査権がありません。

イギリスでは上院が長年にわたり、最高裁判所の最高法院としての機能も果たしてきました。つまり上院議員が最高裁判所判事も兼ねていたということになります。

2009年10月に正式に最高裁判所が設置され、判事を兼務していた議員は正式任命後に議員を外れることになりました。

行政は議院内閣制

議院内閣制は、内閣(政府)の存立を議会の信任のもとに置く制度で、イギリスで発達しました。

内閣は、選挙の結果、下院で多数を占めた政党の党首が国王から内閣総理大臣に任命され、その他の大臣全員をその政党の国会議員の中から選ぶ「政党内閣」です。

下院は内閣不信任決議を持っています。不信任が決議された場合、内閣は原則として総辞職しますが、下院の解散によって国民の審判を受けることもできます。このように議院内閣制は、内閣の存在を議会に依存させつつも、議会と内閣の間で抑制と均衡の関係が保たれるようになっています。

また、野党は政権交代の担当に備えて、「影の内閣」を組織することが慣例となっています。

特徴的な二大政党制

19世紀中ごろから、イギリスでは二大政党が交互に政権を担当しながら国政を運営する「二大政党制」の政治体制がとられていました。

しかし、2010年5月の選挙では、二大政党とよばれる保守党と労働党はいずれも単独で過半数の議席を獲得することができず、保守党が自由民主党となりました。

2021年現在は保守党が単独で過半数の議席を占めており、ジョンソン首相が政権を担っています。

まとめ

以上「イギリスの政治制度」について解説させていただきました。

本記事は、2022年6月7日時点調査または公開された情報です。
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