わかる政治経済シリーズ 第10回

【2022年米国中間選挙に向けておさらい】大統領制の代表的な国アメリカの政治制度

政治、経済で世界をリードするアメリカの政治制度はどのようなものでしょうか?

本ページでは「アメリカの政治制度」について解説します。


はじめに

2022年11月にアメリカの中間選挙が行われます。この選挙で、民主党(バイデン大統領)が上院または下院で多数派を維持できなければ、バイデン政権の運営はさらに難しくなるといわれています。

行政府のリーダー「大統領」 - 議会から独立した大統領制

アメリカは「大統領制」の代表的な国です。

大統領制とは、行政府の首長としての大統領が国民によって選ばれ、議会に対して独立性を持つ政治体制のことを言います。

なお、アメリカの他には、フランス、ロシア、インド、韓国など100ヶ国以上の国家が大統領制を採用しています。

アメリカの大統領の特長

アメリカの大統領制は、大統領に強い権限があることが特徴です。

大統領は、国家元首であり間接選挙によって選出されます。任期は4年で再選はできますが、三選禁止です。ただし、戦前にF・ローズベルトが4選を果たした例があります。

任期の間は議会から不信任されることがないため、その地位は安定しており、強力な政治を進めることができます。一方で、大統領と議会の考えが分かれた場合には、国政が混乱する危険があります。

大統領は、行政権、軍事指揮権、外交権などをもちますが、議会の解散権はありません。

アメリカ大統領の選挙「間接選挙」

アメリカ大統領の選挙は、有権者が直接、公職候補者の名前を記して投票するのではなく、選挙人を選び、その選挙人が公職候補者を選出する「間接選挙」が採用されています。

形式的には大統領選挙人を選ぶ「間接選挙」ですが、選挙人の支持候補者が前もって決められているため、実質的には「直接選挙」として機能しています。

アメリカ大統領の教書送付権

立法権は議会が独占しているため、大統領には法案提出権がありません。ただし、教書(メッセージ)を議会に送って、立法を促すことができます。


アメリカ大統領の法案拒否権

大統領は議会が可決した法律案に対する拒否権を持っています。しかし、議会が3分の2以上の多数で再議決した場合は、拒否不可となり法律が成立します。

アメリカ大統領の兼職禁止

行政府と立法府の分離のため、議員は大統領・長官などとの兼務ができません。

立法府である「連邦議会」の仕組み

アメリカ合衆国の立法府である連邦議会は、上院(元老院)と下院(代議員)の二院制です。立法案は両院で審議され、両院を通過し、大統領の承認を得て法律となります。

議会に大統領不信任決議権はありませんが、大統領が議会での弾劾裁判によって解任されることはあります。ただし、過去に罷免された例はありません。

上院

各州から2名ずつ選出されます。任期は6年で、大統領が行う条約の批准、各省高級官官吏の承認権を持つのが特徴です。

下院

各州から人口に比例して選出されます。任期は2年で、予算先議権と連邦官吏弾劾案に関する専権を持つのが特徴です。

司法:違憲立法審査権を持つ連邦最高裁判所

アメリカ合衆国の司法を統括する、最上級の裁判所である連邦裁判所は、司法権の独立性が強く保たれているとともに、判例により違憲立法審査権が確立されています。

違憲立法審査権とは?

法令が、憲法に違反していないかどうかを審査し、違憲の場合にはその法令を無効にできる権限を、違憲立法審査権といいます。

日本の最高裁判所も、同じく違憲立法審査権を持ちます。

硬性憲法であるアメリカ合衆国憲法

アメリカの憲法法典であるアメリカ合衆国憲法は、改正手続が一般の法律改正よりも難しくなっている硬性憲法です。

アメリカの二大政党制

アメリカは、共和党と民主党による二大政党制の国です。

共和党は個人の自発性や企業の擁護を主張しているため、起業家などから支持されています。

一方で、民主党は共和党よりリベラルな立場で、政府による大規模な経済政策、社会福祉政策などの推進に積極的で、伝統的に労働者や少数民族から支持されています。

2021年現在は、民主党のバイデン氏が大統領です。

まとめ

以上「アメリカの政治制度」について解説させていただきました。


本記事は、2022年6月8日時点調査または公開された情報です。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと、安全性・有用性を考慮の上、ご利用ください。

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