公立幼稚園を退職しようと決意に至った理由
私が公立幼稚園教諭を退職しようと決意したのは、職場復帰して半年程の10月頃でした。
日々の生活の中で私は様々な考えを持ちましたが、退職にあたり、大きな5つの理由がありました。
公立幼稚園を退職した理由その1:子育て、このままで良いのか?
復帰明けは4歳児クラスの担任でした。
子ども好きで就いた幼稚園教諭の仕事、もちろん学級の子ども達も可愛いです。
でも、やっぱり自分の子どもが1番です。
周りが見えなくなるほどの勢いで毎日、仕事・家事・仕事・家事の生活をしている中、私は通勤電車の中で涙が出ることがありました。
『1番大好きな自分の子どものために向き合う時間が全くない』
これは、きっと私の人生、後悔する…そんな思いが私の頭をよぎりました。
公立幼稚園を退職した理由その2:先輩先生達の退勤時間の遅さ
周りの先輩先生達からは、「大変なのは自分の子どもが小さいうちだけだから!」とよく言われたものです。
しかし、実際現場で子育てが少し落ち着き始めた先生達も退勤時間は18:00~19:00でした。
教頭先生や園長先生、管理職になるとその退勤時間はさらに遅くなり、土日出勤もしている様子でした。
『子育ては確かに落ち着く』けれど、その分仕事漬けになっている先輩達の姿から、自分の将来を考えたときに、家庭との両立の困難さを感じました。
公立幼稚園を退職した理由その3:担任は実際難しい時短勤務
公立幼稚園教諭は自治体職員になるので、制度的には『時短勤務』があります。
時短勤務は本庁勤めの事務職員の方であれば使えるのが当たり前かと思いますが、クラス担任を持っている幼稚園教諭が時短勤務を使うことは、勤務していた自治体では前例がありませんでした。
制度はあるけれど、立場や周りの職員との人間関係を考えた時、私には『時短勤務』を申請する選択肢はありませんでした。
公立幼稚園を退職した理由その4:限られた時間の中で『やりきれない』という葛藤
私は独身時代や子どもを持つ前までは、「この仕事をやりきったら帰ろう」とそこまで時間にしばられず、教材準備や仕事をしていました。
しかし、自分の子どもの保育園送迎もある中、仕事が終わらなくても『5時になったら退勤準備!』は厳守しなければならない生活でした。
私は、学級の子ども達のために「本当は~~の教材も用意してあげられたらな…」と思うこともありましたが、『やりたくてもしてあげられない』日々が続きました。
公立幼稚園を退職した理由その5:公立ならでは?の園児対応の難しさ
1)公立幼稚園児の実態 (勤務していた自治体の実例を含む)
2019年10月より幼児教育・保育の無償化が始まったことも関係してか、公立幼稚園の園児数が減少しています。
無償化になった以上、私立幼稚園の満3歳児クラスや年少組から入園させたいと思う人が多くなるのは当然だと思います。(実際我が子の周りもそうでした)
私が勤めていた自治体の公立幼稚園は2年保育でした。
4歳児から入園してくる子ども達の実態としては、私立で保育するのが難しい子や発達に課題がある子が割合として多かったように思います。
2)園児対応の難しさを感じる
様々な課題を抱える子を受け入れるのが公立の役割のひとつかと思いますが、当時の私には毎日の保育をやりきること、自分の家庭との両立で手一杯でした。
個別配慮を要する子ども達、またその保護者への対応も十分果たしきれない…と力の限界を感じていました。
まとめ
今回は私が公立幼稚園教諭を退職しようと決意に至った理由を紹介しました。
人それぞれ退職を考える理由は異なると思います。
私も退職するか本当に悩みました。
また、退職してからも『これでよかったのかな?』と思うことも正直あります。
しかし、当時、退職の決意に至った理由を思い出すと『間違いない選択だった!』と思っています。
今『辞めたいな…』と悩まれている方も、自分の人生に後悔のない選択ができると良いですね。
参考資料サイト
》内閣府|幼児教育・保育の無償化
(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/musyouka/index.html)
》自治体問題研究所|【論文】幼児教育無償化が地域に与える影響―無償化までに地域で何を検討すべきか―
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