【元幼稚園教諭の体験談】公立幼稚園の先生の1日の流れは?

幼稚園教諭の仕事は私立でも公立でもおおまかに1日の流れに関しては大きな差はないと思います。ただし公立幼稚園では園バスがないことや、預かり保育がないところも多いため、朝や子ども達の降園後の先生の動きが少し異なるかもしれません。

今回は私が勤めていた自治体の『公立幼稚園教諭の一日の流れ』について体験談としてご紹介します。


公立幼稚園教諭1日の流れ

1日の流れとして、子ども達が登園する前・保育中・子ども達が降園した後の流れに分けることができます。

保育中は担任と子ども達とで過ごすので、主に子ども達との関わりになります。

降園後は、一緒に働く職員との関わりも増える時間帯になります。

時間にそって、公立幼稚園教諭の1日の流れを見ていきましょう。

子ども達が登園する前にしていることは?

1)7:00~8:10 出勤・個人の仕事

私立幼稚園では当たり前の『園バス』に関しては、公立幼稚園は園バスがないところがほとんどかと思います。

そのため、自分の学級の準備や仕事の進み具合によって出勤時間も人によって様々でした。

この時間は個人の判断で出勤して仕事をするため時間外手当などはつきません。

(ただし、行事の当日など園全体で動く必要がある場合には時間外手当もついていました)

午後は学年や全体での打合せ、他の職員と協力して進めなくてはならない仕事が入ることも多いため、個人の仕事(学級の環境設定や受け入れ準備、週日案や提出書類等を朝の時間に進めている先生が多かったです。

2)8:20 共用部の掃除


園庭内外の掃き掃除や、テラスの掃除を職員全員で一斉に行っていました。

外回りの掃除は、前日に済ませておいても朝には風のせいで汚れていることも多々ありますから、子ども達が来る直前にするのが効率的です。

3)8:30 職員会議

各学年の1日の予定については職員室の掲示板に学年主任が記入し全体で共有できるようになっていましたが、口頭で知らせておきたいことや園務分掌の担当教諭からの連絡事項、園長教頭からの連絡については、朝の職員会議の中で話がありました。

欠席の子どもの確認についても、この時間の中で行い、出欠簿の記入を行っていました。

保育の流れ (時程は子どもの活動を表記)

1)9:00 登園

子ども達を受け入れながら、体調面や心情面で変わった様子がないか確認していきます。

また、所持品の始末も子ども達が自分で進められるよう見守りながら、必要に応じて自分の場所にしまうことを伝えていきます。

当番の子は、友達のロッカーや園服かけをみながら『誰がお休みか』欠席調べをするので、そこで自分の役割に責任をもって果たせるよう教師は見守ります。

2)9:30 好きな遊び

私が勤めていた幼稚園には『朝の会』がありませんでした。

登園してきた子ども達がすぐに遊びだし、11:00頃までたっぷり自分のしたい遊びをみつけて満足できる時間を確保するためでもあります。

自分のしたい遊びを見つけられない子に、教師はそっと寄り添いその子が興味あるものを一緒に探ったり、発達状況に合わせて友達と繋がるきっかけをつくっていくようにします。

好きな遊びの間は、『子どものを自由に遊ばせておけばよい、見守り』では保育になりません。

教師はその日の活動の「ねらい」を持ち、ねらいを意識しながら子ども達に必要な援助をしていくようにします。


また、子ども達が興味を持てるようなもの、その時期に経験してほしい遊びを子ども達が選んで取り組めるよう環境を設定することが重要です。

そして、1つの遊びに留まるのではなく、色々な場所で遊ぶ子ども達のところに教師が動いてまわり、声掛けをしていくよう意識していました。

3)11:00前後 学級のみんなで楽しむ活動(集まり)

自分のしたい遊びを片付け、学級みんなで集まります。

この時間は学級の友達と一緒だからこそ経験できるような活動を行います。

皆で季節の歌を歌ったり、その時期の子ども達にとって必要な経験ができる集団遊びや製作などを学級全体で楽しめるようにしています。

この時も週案の中でたてた『ねらい』に沿った活動を行います。

4)12:00 お弁当

私の勤めていた園は全日お弁当でした。

手洗いうがいの習慣が身につくよう見守りながら声をかけたり、自分のものは自分でできるように、繰り返し声をかけていました。

5)12:45 好きな遊び

お弁当を食べ終えたら、帰りの集まりの前まで自分のやりたい遊びを一緒に遊びたい友達と楽しむ時間になります。

教師は午前中にしていた遊びとは異なる遊びに子ども達が興味関心を向けられるよう、遊びの場を設定したり、教師も一緒に遊びの中に入って子ども達の様子を見ていきます。

6)13:20 帰りの支度

降園に向けて子ども達は自分の身支度に取り掛かります。

教師は、子ども達が自分のことを自分で進める様子を見守りながら忘れ物等がないかも確認します。

時期によっては園服のボタンをとめることに苦戦したり、袖が裏返しになったままの子がいたりするので、必要に応じてやり方を知らせたり、さりげなく援助したりするようにしています。

また、早く身支度できた子が『自分がしなくてはならないことをしたことで良いことがある!』と思えるよう、子どもの実態と時期に合わせてですが、教師は手遊びをして全員がそろうのを待つこともあります。

その際、身支度が遅い子のフォローはフリーの教師にお願いしていました。


7)13:40 帰りの集まり

帰りの会では教師が絵本の読み聞かせをしたり、明日の予定を伝えたりしています。

教師が明日の予定を伝えることで、子ども達は明日への見通しをもち、「また明日も幼稚園に来たいな!」と期待感を持つことができます。

また、学級全体で共有しておきたいような『子ども達の良い姿』があれば、この時間に知らせることもありました。

8)14:00 降園

降園時は、保護者に子どもを引き渡すタイミングになります。

子どもに起こったケガや友達とのトラブルがあった場合は、このタイミグで保護者に伝えておきます。

また、子どもの『良かったこと』についても保護者に知らせてあげると、保護者は「先生、うちの子のこと見てくれている!良いところに気づいてくれる!」と喜んでくれますし、信頼関係を築くことにも繋がります。

子ども達が帰ったあとの仕事は?

私立幼稚園では当たり前になってきている延長保育ですが、公立幼稚園は延長保育を実施していない自治体も多くあります。

また朝同様帰りの園バスもないので、担任は自分のクラスの保育室掃除を終え、簡単に明日の受け入れ準備をしたところで、学年や園全体で職員会を行ったり、保育に必要な教材準備を行います。

1)14:10 各保育室・トイレ掃除

2)15:00 園全体や学年での打合せや教材準備

公立幼稚園は異動があることから毎年メンバーも入れ替わるため、行事や日々の保育活動などを職員同士で共通理解しておくことも必要です。

そのため良くも悪くも打合せが多い傾向にあります。

打合せの時間はだいたい1時間以内で終わるよう配慮されていましたが、打合せ内容によっては時間が延びることもありました。

3)16:00 学年や個人の仕事

園全体や学年会等が終わったら、学年で共通して製作すると決めたものの教材準備をします。

特に学年の仕事が入っていない場合は、個人の仕事(週日案・個別指導計画・学級の教材準備等・保育室の環境設定等)に取り掛かります。

打合せや学年の仕事が全くない日は、自分の仕事を一気に進めるチャンスでした!

4)17:00 定時


小さなお子さんがいる先生もいるので、学年全体や園全体に関わる仕事は17:00以降には入れないように配慮されていました。

17:00以降は個人の仕事にあてることが多く、退勤時間にも個人差がありました。

早い先生で17:30頃、遅い先生は20時頃まで残って仕事をしていました。

まとめ

今回は公立幼稚園教諭の1日の流れについてご紹介しました。

自分が勤務されている幼稚園と大きく異なったでしょうか?

これから幼稚園教諭になられる方には1日の流れの参考にしてもらえたら嬉しいです。

本記事は、2023年7月24日時点調査または公開された情報です。
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