公立幼稚園の園長
最初に園長とはどんなポジションか、そして園長の役割について具体的に紹介していきたいと思います。
園長とは?
園長は園の運営責任があり、園に関わるすべてのことを把握していなくてはならないポジションです。
また、様々な最終手決定権があるのも園長です。
公立幼稚園の園長は、公立幼稚園で長年勤務してきた幼稚園教諭あがりの先生が多いですが、小学校の校長先生が異動してくることもあります。
園長の役割
1)園・学級運営の把握と監督
園長は園に関する行事やクラス担任の学級運営が円滑に進められているか、計画の内容や保育実践の様子を十分に把握しておく必要があります。
園行事に関する打合せには園長も参加し、計画の承認をします。
また、学年会の議事録や学級の週日案にもすべて目を通し、学年・学級運営の方向性を把握し、必要に応じて助言します。
学級ごとの保育の様子は学年主任やフリーで園全体をまわっている職員からヒアリングをし、現場の状況を把握します。
2)保護者対応の砦
基本的には学級担任が、子どもの情報を保護者に直接伝えるのですが、中には園に対して強い態度を示してくる保護者や、精神的に持病をもっておられる不安定な保護者もいます。
そういった保護者の場合、学級担任だけで対応していると事態が大きくなってしまったり、学級担任のメンタルがつぶされてしまうこともあります。
そういった保護者に対しては、園長が間に入り、保護者の気持ちをうまく汲み取りながら、様々なトラブルに対応していくことが園長の役割でもあります。
保護者の言いなりになることなく、でも保護者の思いを受け止めつつ、穏やかに、かつ筋を通して話をするスキルが必要だと思います。
(ここは園長先生の腕のみせどころ、本当に園長先生ってすごいです・・・!)
3)人事評価
公立幼稚園では人事評価があります。
園長が職員に対して、勤務態度や職務遂行能力等を評価をします。
評価の結果については、フィードバックの時間が設定され、一人ひとりの職員に評価の用紙を見せながら評価内容の説明をしていきます。
(フィードバックには、所属する課の主幹や課長が同席することもありました)
4)PTAとの連携
PTAを運営していく代表となる役員(会長・副会長・会計)との関わりは避けては通れません。
園の運営を行っていくにあたり、PTA役員に提案・相談をし、了承を得る必要があることも多くあります。
(そのため、園にとっては毎年、理解ある役員が決まることを切に望んでいます・・・笑)
PTA役員とは日々良い関係を築きながら、すべての保護者に向けては、事あるごとに園運営の理解と協力の感謝を伝えています。
5)近隣住民への協力依頼
公立幼稚園は近隣住民との関わりを大切にしています。
特に運動会の実施にあたっては、近隣に聞こえるような音で放送したり、音楽をかけたりする必要があります。
そのため園行事を行う前には、近隣への挨拶や行事の実施日を知らせ協力の依頼を行っています。
地域に根ざした幼稚園として、近隣との丁寧な関わりを心がけています。
6)関係機関との連携
園長は公立幼稚園があるエリアの小中学校との会議(ブロック会議)への出席もしており、小中学校の校長先生と様々な情報交換を行います。
また、児童相談所や教育センター等、地域の関係機関とのやりとりも必要に応じて行います。
7)自治体内の園長会や全国国公立幼稚園園長会等の協議会に参加
公立幼稚園が自治体内に複数ある場合は、市として目指す幼児像もあり、公立なので大きな差があってはいけません。
自治体内の園長が定期的に集まる園長会に出席したり、全国の国公立幼稚園協会にも属しているので、年に一度全国で行われる大会にも出席しています。
またその大会内で研究発表園に指定されると、発表の資料作成等も園長が行います。
》参考URL
【園長の仕事】保育園・幼稚園の園長の役割とは? | 保育園向けICT支援システム 保育士バンク!コネクト (kidsna-connect.com)
Microsoft PowerPoint – 教頭に期待される役割と行動 (hyogo-c.ed.jp)
公立幼稚園の教頭
次に教頭とはどんなポジションか、そして教頭の役割について具体的に紹介していきたいと思います。
教頭とは?
教頭というと、園長の次、NO2といったポジションのイメージですね。
実際に運営を円滑にすすめていくために、事務的なことから現場の職員達の保育技術のアドバイス等まで行っていきます。
園長の業務を補佐する立場にありますが、仕事量としては教頭が1番多いのではないかと思うくらい忙しい役職です。
朝誰よりも早く、夜も最後まで残っていることが多いのが教頭です。
教頭の役割
1)園全体に関わる事務
公立幼稚園はなんといっても市の教育委員会に属しており、小学校や中学校、地域との繋がりも深く、公的機関になるので書類の量がものすごく多いです。
教頭先生は様々な仕事の合間をぬって、常に事務作業を進めていきます。
2)現場教諭への指導やサポート
教頭は学級を受け持つ担任達の保育技術に関するアドバイスも行っていきます。
特に学年主任にとっては、担任をもつ上の先輩がいなくなってくるので、保育に関する質問をできる身近な存在が教頭です。
また、教頭は新規採用職員や保育歴の浅い教諭がいる時には、クラスに入って補助をしたりサポートすることもあります。
そして急に学級担任が欠勤した場合や研修に行く日には、クラスに入って保育を行うことがあります。
3)園財務と会計処理
公立幼稚園には年間に割り当てられる予算、市会計、PTA会費、教材費等があり、その会計の管理をしていくことも教頭の役割です。
また、年度内で使いきらなくてはならないお金に関しては、使いきれるよう見通しを持って購入計画を考えていきます。
4)施設・備品の管理
教頭は幼稚園の施設に関する不具合が出たら、園長に承諾を得た上で業者に依頼をします。
また、教頭は園内すべての備品の管理をしています。
すべての備品の在庫が備品台帳に記載されているものと間違いがないか突合していく総括を行います。
(教頭一人ですべての備品の在りかを確認するのは厳しすぎるので、私が勤務していた園では学期に1度、幼稚園の全職員で園にある備品がなくなっていないか、破損していないかを分担してチェックしていました)
5)PTAとの連携
園長とともにPTAと連携していきますが、教頭は実際に保護者と一緒に動きながらPTAに関わる業務を進めることも多いです。
PTAの役職がある保護者とは特に良い関係を作っていかなくてはなりません。
6)園長と職員達の橋渡し的存在
現場で学級を任されている担任やフリー教諭にとって、園長に声をかけるタイミングも結構気にするものです。(園長の雰囲気にもよりますが・・・)
現場の職員にとって「園長先生に聞く程まではいかない・・・」、そんな時に「まずは教頭先生に確認してみよう!」と思えるような立場にいる存在です。
教頭は現場の職員の声や相談にも応じ、必要があれば現場の職員と共に園長に話をしに行くこともあります。
》参考URL:「激務で倒れそう」ほとんどの教頭が過労死リスクの高い働き方をしている事実 仕事が多岐にわたり緊急対応も多い大変な業務 | 東洋経済education×ICT (toyokeizai.net)
まとめ
今回は公立幼稚園の園長・教頭の役割を、現場で学級を担任を持っていた教諭目線で紹介しました。
園長・教頭という責任のある立場は本当に背負うものも大きく大変な役職だと思います。
自分の業務に加え、もちろん幼稚園の園児達1人ひとりの特徴や保護者のことも把握しておく必要もありますから本当に大変です。
多岐にわたる園長・教頭業務の一部かもしれませんが、何か参考になるものがあれば嬉しいです。
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