好きな遊びの時間に子どもが「何か作りたい!」と思った時、自由に道具や素材を使って製作を楽しめる場所づくりを解説

【幼稚園の現場】製作コーナーの環境づくり、どうしたらいいの?

子ども達が遊びの中で『自分でやってみたい!』という思いを実現するためのコーナーの1つに製作コーナーがあります。

製作コーナーが普段から保育室の一角にコーナーとして設定されていることで、子ども達は日々の遊びの中で様々な素材に触れながら見立てたり、子どもの中にあるイメージを形にしたりしながら、作る楽しさや作ったもので遊ぶ楽しさを経験することができます。

今回は製作コーナーにはどのようなものを設定しておくとよいのか、製作コーナーの環境を設定する際に教師が意識するポイントについて紹介していきたいと思います。


製作コーナーとは?

製作コーナーとは、好きな遊びの時間に子どもが「何か作りたい!」と思った時、自由に道具や素材を使って製作を楽しめる場所のことです。

製作が好きな子は、好きな遊びの時間の多くを『製作コーナー』で過ごしている日もあります。

また、ごっこ遊びをしている子が遊びの途中で必要になったものがあると、自分で用具や素材を選んで必要なものを作り、作ったものを身につけたり、遊びに活用していったりする子もいます。

子どもの興味関心を実現することができ、試したり工夫したりする遊びができるのが製作コーナーの魅力です!

製作コーナーにはどのようなものを設定するの?

製作コーナーには子どもの経験に合わせた道具や素材、教材を設定します。

ここでは具体的に紹介していきたいと思います。

個人や共有の道具

製作に使う道具は各幼稚園や保育園によって1人ひとりの道具箱に入れて管理されていることもあります。

また園によっては、はさみだけは製作コーナーに全員分のものを設定、のりは学級で共有しているというところもあります。

特に、はさみは子ども達が扱いに十分に慣れ使いこなせるようになってから自由に扱えるようにしなくてはなりません。

1)はさみ
2)のり
3)のり台紙(牛乳パックを切り開いたものや、広告紙を使用)
4)色鉛筆やマジック

日常的に設定される素材

製作するにあたって、園の教材費等で購入している教材を子ども達が選びやすいよう、種類別に分けて用意します。


お金をかけて購入しているものも含めて、素材を「大切に使う」ことも知らせていきます。

1)画用紙

画用紙は大小サイズを用意しておき、子どもが作りたいものの大きさに合わせて選べるようにします。

また、余った画用紙を捨ててしまうのはもったいないので、『リサイクル』できるように『まだ使える紙』を入れるカゴを用意しておき、そこに戻すように指導できると良いですね。

2)紙テープ

設定方法としては2リットルペットボトルの口から取り出せるようにするのがオススメです!

3)カラービニールテープ

色々な色を用意しておき、選んで使えるようにしましょう♪

ビニールテープは水に強い素材というのが強みです!ペットボトルにも貼りやすいです!

4)すずらんテープ

設定方法としては、スズランテープの芯を棒に通しておくと、子どもが好きな長さを決めて自分で切りやすいのでオススメです☆

5)広告紙

細く丸めて棒にすると、様々な遊びに使えます!また丸めてボールにしてみるのも良いですね!

廃材

廃材は職員で集める園もあれば、園児の家庭から持ってきてもらうようにしている園もあると思います。

子ども達の自由なイメージを形にしたり、廃材同士を組み合わせて見立て、非常に構成しやすい素材になります。


1)空き箱
2)ティッシュボックス
3)牛乳パック
4)プリンやヨーグルトカップ
5)ヤクルトの容器
6)ペットボトルキャップ

その時期の子ども達に経験してほしい素材や道具

季節ならではの素材や、経験と年齢にあった用具を扱えるように製作コーナーに設定することもあります。

一斉活動等の課題製作の中で経験した用具などがあれば、製作コーナーに設定することで、さらに子どもが道具を使いこなすことができるようになります。

1)季節の素材(まつぼっくりやどんぐり等の木の実)

2)課題製作で新たに経験した用具(穴あけパンチ・様々な形を抜き出せるクラフトパンチ等)

3)教師が子どもの姿や保育計画から意図的に一時的に出す素材

例えば、教師が子どもの遊びを読み取り『探検ごっこが盛り上がってきてるな』→『望遠鏡づくりに興味を持つかもしれない』→『カラーセロハンを出してみよう!』といったように、教師の思いから一時的に素材を出すことがあります。

課題製作で使った教材

一斉活動や個々に取り組む課題で作る製作物は教師が意図的に人数分+αの教材を用意します。

課題製作を終えた子の中には「もっと作りたい!」という思いを持つ子もいます。

その際、好きな遊びの時間に子どもが自分で作り足すことを楽しめるよう教材を少し多めに用意しておき、製作コーナーの一部に教材を設定しておくこともあります。

例えば、クリスマスプレゼントを入れる鞄づくりの製作をしたときには、女児達が「おままごとで使う鞄も作りたい!!」という思いを抱く子も多いものです♪

製作コーナーを設定する際に教師が意識するポイント

その1 時期と子どもの経験に合わせて少しずつ環境を充実させる

製作コーナーは、これまで紹介してきた素材や用具を入園時からすべて設定しておくことはありません。

子どもが、使い方を覚えたり、課題製作の中で経験した素材等を少しずつ製作コーナーに設定していくようにします。

入園して最初の頃は、製作コーナーもほんのわずかな素材や用具だけだったのが、年長の終わりの頃になると、経験した素材や用具が多くなるので、とても充実した製作コーナーになっています。

その2 子どもが選びやすく使いやすい工夫をする

製作コーナーには様々な素材や用具があるので、子ども達が視覚的にも分かりやすく、扱いやすいような設置の工夫をする必要があります。

文字やイラストで表示をつけて分類したり、万能パネルなどを使い壁にかけるような設置をしたりすると子ども達が選び取り出しやすくなります。

》参考URL:万能パネル – チャイルドショップ (childshop.jp)

その3 環境の見直しをする

教師は子ども達の動線や遊びの様子から、「これは最近使ってないな…」「もう必要ないかも?」と感じることもあるでしょう。

その際は、「ずっと出しておけばよい」のではなく、1度片づけたり、よく使うものを取り出しやすい高さに変えるなど、環境をこまめに見直すことも大切です。


その4 作ったものを飾ったり保管したりする場の確保をする

子どもが作ったものを、置く場所を確保しておくことも大切です。

子どもは作ったものを次の日の遊びで使うこともありますし、せっかく作ったものを押し込むように置いていると子どもの思いもつぶれてしまいます。

また、教師は子ども達の目に入りやすいような場所に保管する場を作ることで、友達が作った製作物を見た幼児が「ぼくも明日あそこに置いてあるのと同じもの作ってみたいな・・・!」という思いを持ち、新たな遊びの目的や刺激になることもあります。

☆製作した物を置く場の設定例☆

1)剣を作ったのなら、ラップの芯やトイレットペーパーの芯を壁に固定し剣を差し込んで保管すると取り出しやすい!

2)鞄を作ったのなら、S字フックに鞄の紐をかけられるようにすると本物の収納みたい!

3)車を作ったのなら、板積み木等でコのラックを重ねたような棚を作り、駐車場に見立てると片付けも楽しい!

まとめ

今回は、製作コーナーにはどのようなものを設定するのか、製作コーナーの環境設定をするにあたって教師が意識するポイントについて紹介しました。

子どもの経験の幅を広げていけるよう、教師は様々な用具や素材に触れる活動を計画し、好きな遊び・自由時間に子どもが自由に選んで製作を楽しめるようになると良いですよね。

子どもが『もっと作ってみたい!』『作るっての楽しい!』と思えるような製作コーナーの環境づくりのヒントにしていただけたらと思います。

参考URL

幼稚園 製作コーナー 環境 – 検索 (bing.com)

本記事は、2023年7月30日時点調査または公開された情報です。
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