はじめに-「国立科学博物館」とは?
「国立科学博物館」は、日本で最も歴史のある博物館の一つで、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館です。
また、日本およびアジアの科学系博物館の中核的機関としての役割を果たし、主に下記の三つの活動を推進しています。
1)調査・研究
2)標本資料の収集・保管
3)展示・学習の支援
設立:1926年11月2日
予算:31億9,762万8,000万円(2018年度)
組織:文部科学省所管
所在地:東京都台東区上野公園7番20号
公式ホームページ:https://www.kahaku.go.jp/
「国立科学博物館」の事業内容
「国立科学博物館」の事業内容を、5つのポイントに分けて、ご紹介します。
ポイント1:調査研究業務
1つ目は、「調査研究」業務です。
この業務は、動物、植物、岩石・鉱物、人類、科学技術等を専門分野とする研究者を擁し、基礎研究と総合研究を行う業務です。
基礎研究は、各研究部等の研究組織ごとにテーマを決め、標本資料に基づく実証的で継続的な研究です。
総合研究は、最新の研究の動向を踏まえ、重要課題に対し分野横断的なテーマを設定し、起源を定めて行う研究です。
ポイント2:後継者養成業務
2つ目は、「後継者養成業務」です。
この業務は、大学と連携して連携大学院として、東京大学・筑波大学・茨城大学・東京農工大学・九州大学の大学院生を指導する業務です。
このほか、日本学術振興会の特別研究員の受け入れや、独実の特別研究制度による次世代を担う研究者の育成を図るとともに、人材育成プログラムの開発や実施によってサイエンスコミュニケーションを担う人材の育成も行っています。
ポイント3:標本資料の収集・保管業務
3つ目は、「標本資料の収集・保管業務」です。
この業務は、地球や生命の歴史と現状および科学技術の歴史を研究するため、自然物や科学技術の産物を標本資料として収集し、継続的・長期的に保管する業務です。
具体的には、具体的な2つの業務を行っています。
1)標本資料の保存のため温湿度管理や保管環境を整備し、収蔵スペースを確保し、ナショナルコレクションを構築する。
2)全国の大学・研究機関・博物館等の所蔵している自然史資料、科学技術史資料に関する情報を収集・共有し、発信する。
ポイント4:展示・学習支援業務
4つ目は、「展示・学習支援業務」です。
この業務は、楽器や企業等と連携し、専門的で多様な学習機会を提供し、効果的なモデル的プログラムの普及や学校との連携強化のためのシステムの構築など、先導的な事業を開発・普及する業務です。
・展示業務
展示業務は、特別展・企画展を開催し、多くの人々が来館するよう多彩で魅力的な展示活動を行っており、下記の4つの施設にて展示業務を行っています。
1)上野本館「日本館」
2)上野本館「地球館」
3)痛罵実験植物園
4)附属自然教育園
・学習支援業務
学習支援業務は、子どもから大人までの幅広い人々を対象とし、学会や企業等と連携し、高度で専門性の高い学習支援活動を行っています。
具体的には、セミナーの開催や、「博物館の達人」の認定、科学リテラシー滋養活動の開発・普及のための学習支援活動に関する情報を集積し、発信する業務を行っています。
ポイント5:学校との連携強化業務
5つ目は、「学校との連携強化業務」です。
この業務は、学校と博物館が、お互いの独自性を活かして学習プログラムを開発したり、教員の博物館に関する理解の促進を図る業務です。
具体的には、下記の3つの業務を行っています。
1)効果的に学校と博物館が連携できる学習プログラムを開発・実施し、学習シート等を提供する。
2)教員が自発的に博物館を活用することで理解を深めるために「教員のための博物館の日」を開催し、全国展開を進める。
3)無料入館・割引入館・優先的受入など、「大学パートナーシップ」入荷以降のための連携プログラムを構築する。
「国立科学博物館」に就職するには?
「国立科学博物館」には、「関東甲信越地区国立大学法人等職員採用試験」による第一次試験と、当館で個別に行う第二次試験(面接試験)に合格することで、なることができます。
「国立科学博物館」の募集職種
「国立科学博物館」には、新卒職員・非常勤職員・短期間非常勤職員などの職種があります。
新卒職員以外は、毎年全ての職種に募集があるわけではなく、年度によって、募集している職種は異なります。詳しくは、公式ホームページをご参照ください。
直近の募集・採用情報
参考までに、2019年下半期に募集のあった職種をご紹介します。
正規職員
「正規職員」は、関東甲信越地区国立大学法人等職員採用試験の第一次試験合格者に応募資格があります。
詳しくは、以下の関東甲信越地区国立大学法人等職員採用試験の公式ホームページをご覧ください。
▼参考URL:http://ssj.adm.u-tokyo.ac.jp/
なお、2019年12月現在は、すでに募集を終えています。
事務補佐員(非常勤職員)
「事務補佐員(非常勤職員)」は、附属自然公園のボランティア運営や自然教育関係事務の補助などを業務とし、2020年2月1日に入館し、白金台地区に勤務する職員です。
契約期間は、令和2年3月30日までですが、最長3年まで年度単位で更新される
ことがあります。
応募資格には、パソコン業務ができる人などの諸条件があります。詳しくはホームページなどでご確認ください。
なお、「事務補佐員(非常勤職員)」は、書類選考後の面接試験に合格し、採用されれば就職できます。
特定非常勤研究員(特定有期雇用職員)
「特定非常勤研究員(特定有期雇用職員)」は、分子生物多様性白諭センターのコレクションの拡充と分子生物学実験室の運営管理を業務とし、2020年4月1日に入館し、筑波地区に勤務する職員です。
契約期間は、令和3年3月30日までですが、最長で令和7年3月30日まで、年度単位で更新できます。
応募資格には、博士号を有し、必要な実務経験がある人などの諸条件があります。詳しくはホームページなどでご確認ください。
提出書類の審査によって採用されれば就職できますが、審査の過程で、必要経費を応募者が負担する面接・口頭による研究内容等の発表が依頼される場合があります。
事務補佐員(非常勤職員)
「事務補佐員(非常勤職員)」は、総務・経理・施設整備・展示・企業地域連携・オランティア・学習支援・学校連携などに関する事務補助を業務とし、2020年4月1日に入館し、上野地区に勤務する職員です。
契約期間は、令和3年3月30日までですが、最長3年まで年度単位で更新することができます。
応募資格には、パソコン業務ができる人などの諸条件があります。詳しくはホームページなどでご確認ください。
なお、書類選考の上、面接試験に合格し、採用されれば就職できます。
事務補佐員(非常勤職員)
「事務補佐員(非常勤職員)」は、研究推進・管理課における総務担当事務の補助等を業務とし、2020年4月1日に入館し、筑波地区に勤務する職員です。
契約期間は、令和3年3月30日までですが、最長3年まで年度単位で更新することができます。
応募資格には、パソコン業務や会計・総務業務ができる人などの諸条件があります。詳しくはホームページなどでご確認ください。
なお、書類選考後の面接に合格し、採用されれば就職できます。
採用に関する詳細
上記に記載してある情報は、2019年12月に調査したものです。詳細は、公式ホームページの採用情報をご覧ください。
▼参考URL:http://www.kahaku.go.jp/disclosure/adoption/index.html
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「国立科学博物館」は、、自然史に関する科学その他の自然科学およびその応用に関する調査・研究およびそれらの資料の収集・保管・公衆に供覧する役割を担っています。
「国立科学博物館」への就職を希望されている方は、ぜひこの記事をご参考ください。
コメント
コメント一覧 (5件)
まず国立科学博物館の職員=公務員ということに気が付いていなかったため意外な気持ちで読みました。
自然と科学の総合化学博物館なので動植物から鉱物・科学までを調査研究できてナショナルコレクションを構築していることを初めて知りました。構築してきた情報を発信してさらに研究を発展させるため大学と連携して人材の育成をすることも大事ですね。子供の頃に学校の郊外学習などで見に行った場所というイメージでしたが大人になってから行って説明を聞くと別の発見があってワクワクできそうな気がします。正規職員以外にも様々な雇用の形態があるので興味のある人にはお勧めしたい内容でした。
ふらりと国立科学博物館を訪れた時に、子供の頃にやってみたいと思っていた職だったので興味を引かれた。新卒以外は正規職員の募集が少ないと知れて良かった。
50代になり、セカンドキャリアとして公的機関も検討していたところなので、この記事をタイムリーで読めてよかったです。
博物館は限られた職種という先入観がありましたが、実際には、調査、管理、教育機関連携、自然公園関連など想像以上に広い職種で募集しており、驚きました。前職でナノテクノロジーに携わっていたので、分子生物関連の非常勤職員に特に興味を惹かれました。
国立科学博物館という、レジャーとして身近な場所で働く人に興味があって読みました。
冒頭からwikipediaのようにきちんと情報がまとめられているのが印象深かったです。
取材をしているのでしょうから、むしろwikipediaよりも正確で信頼のおける情報なのでしょう。
wikipediaより情報がきちんとまとめられているサイトというのは、ネットを見ていると意外と少ないです。
就職に関する具体名を上げた記述もあり、かなり参考になるサイトだと感じました。
小学生の子供が古生物学などに興味を持っています。私はこの方面に疎いので、なるほどこんな所で働く人もいるのかと思いながら読みました。さっそく子供に伝えたところ、とても興味を持っていたので、将来の参考にさせていただきます。調査・研究から学習支援まで内容が幅広い印象を持ちましたが、それぞれにどのような学校でどのような知識を得てその職に就いておられるのか知りたいです。