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国家公務員「自衛官」になるには?防衛省に所属し日本を防衛する公務員

国家公務員である「自衛官」は、日本の防衛を一手に引き受ける自衛隊の一員で、国の安全を守る役割を果たす防衛省所属の公務員です。本ページでは、「自衛官」になる方法や仕事内容・福利厚生の概要について解説します。

2018年02月21日更新

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目次
自衛官として自衛隊に入隊するには
自衛隊幹部を目指すのであれば「防衛大学校」
医師・看護免許を取得できる「防衛医科大学校」
パイロットを目指すなら「航空大学校」
中学卒業後すぐに自衛隊を目指すなら「陸上自衛隊高等工科学校」
任期が定められている「自衛官候補生」
大卒で自衛隊幹部を目指すなら「一般幹部候補生」
終身雇用が保障される「一般曹候補生」
海上自衛隊のパイロット目指すなら「海上自衛隊小月教育航空隊」
そのほかにもある!自衛隊における教育機関
自衛隊の仕事内容(概要)
自衛隊の仕事は大きく4つ
自衛隊の年収や手当について
自衛隊の勤務時間や福利厚生
自衛隊になると苦労すること
自衛隊になることの魅力
まとめ
国家公務員「自衛官」になるには?防衛省に所属し日本を防衛する公務員

自衛官として自衛隊に入隊するには

「自衛隊」とは、防衛省に所属する国家公務員で「国の防衛を一手に引き受ける」ために設立された組織です。自衛隊とは組織の名前であり、階級を持つ隊員を「自衛官」、自衛官に入隊したばかりの見習いは「自衛隊隊員」といいます。

「自衛隊」は22万人(※1)もの自衛官が所属する大きな組織であり、募集している職種も様々です。また、自衛隊に入隊するには大きく7つの選択肢を選ぶことができます。自衛官になるための7つの選択肢を簡単に解説します。

※1:2017年度防衛白書 参照

自衛隊幹部を目指すのであれば「防衛大学校」

防衛大学校は、防衛省が自衛隊幹部を育成するための教育大学校です。

学費が無料である上に学生でありながら毎月11万円の給料が支給され、ボーナスにあたる期末手当もあることから、学部によっては倍率が50倍を超えることもあります。防衛大学では、一般大学と同じ教育に加え、将来自衛隊の幹部として活躍するために必要な防衛学や訓練を受講します。

防衛大学校に入学するには、推薦または採用試験に合格する必要があります。防衛大学校の入学試験は、高等学校卒または中等教育学校卒(見込含)程度かつ21歳未満であれば受験可能です。採用試験は11月上旬には行われ、受験費用は無料です。

防衛大学校を卒業すると陸・海・空の各自衛隊の幹部候補生学校に入校します。およそ1年間の幹部候補生学校での生活を経ると、3等尉に値する幹部自衛官に任命され、自衛隊幹部としての道を歩みだします。

▼防衛大学校 公式サイト
http://www.mod.go.jp/nda/

防衛大学校については「幹部自衛官の養成教育機関「防衛大学校」に入学するには」をご確認ください。

>幹部自衛官の養成教育機関「防衛大学校」に入学するには

医師・看護免許を取得できる「防衛医科大学校」

防衛医科大学校は、防衛省が医師・看護免許を持つ自衛隊幹部を育成するための教育大学校です。医師・看護師の資格を持った幹部自衛官や自衛隊の医者を目指すのであれば「防衛医科大学校」を受験しましょう。

防衛大学と同じく入学金・授業料は無料かつ、毎月の給与と期末手当が支給されることから倍率の高い大学です。

防衛医科大学校には医学科と看護学科の2つの学科があります。医学科を卒業すると医科幹部候補生となり、幹部候補生学校でおよそ1月半の教育訓練を受けます。

その後、医師国家試験に合格すれば、医師として幹部自衛官に任命されます。

看護学科では、卒業すると幹部候補生学校または自衛隊病院で研修を受け、看護師として幹部自衛官に任命され、自衛隊病院や部隊で勤務します。

▼防衛医科大学校 公式サイト
http://www.ndmc.ac.jp/

パイロットを目指すなら「航空大学校」

航空大学校は、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊のパイロットを育成する大学校です。

18~23歳の高等学校または中等学校卒業・卒業見込みの者が受験することが可能で、試験では筆記試験や身体検査が行われます。

航空大学校を卒業すれば確実にパイロットになれることから、倍率が70倍を超えることもある難関大学校です。

防衛大学とは異なり卒業しても学位を取得することはできませんが、航空大学校に採用された時点で2士に任命され、学生ではなく自衛隊の一員として数えられます。

▼航空大学校 公式サイト
http://www.kouku-dai.ac.jp/

中学卒業後すぐに自衛隊を目指すなら「陸上自衛隊高等工科学校」

高等工科学校は、陸上自衛隊を育成することを目的とした教育機関で、15~17歳の男子のみが受験することができます。

陸上自衛隊高等工科学校は、学校教育機関ではないため本来であれば高等学校卒業資格を得られないのですが、神奈川県立横浜修悠館高等学校と技能提携しているため高等学校卒業資格を取得することが可能です。防衛大学と同じく給与と期末手当が支給され、卒業後は中堅幹部にあたる3等陸曹に任命されます。

基本的には陸上自衛隊に任命されますが、本人が希望すれば防衛大学や航空大学校へ進学し、海上自衛隊や航空自衛隊を目指すことも可能です。ただし、在学中は受験のための外出が許可されないため、浪人しなければなりません。

陸上自衛隊高等工科学校の採用受け付けは例年11月上旬に行われ、試験は1月頃に行われます。試験では、国語、社会、数学、理科、英語(中学卒業程度)の筆記試験と個別面接が行われ、学力だけではなく体型や態度から「自己管理ができているか」もチェックされます。倍率は例年10倍を超えていますが、卒業後は中間幹部自衛官として勤務することを考えると、ある程度の難所であることは覚悟しなければなりません。

▼陸上自衛隊高等工科学校 公式サイト
http://www.mod.go.jp/gsdf/yt_sch/

任期が定められている「自衛官候補生」

自衛官候補生とは、任期が定められている自衛官になるための試験です。試験に合格し、採用されると、基礎訓練を受けた後に2等士に任命されます。

自衛官候補生は、任期が定められており、2年、4年、6年のタイミングで退職の機会が訪れます。つまり、一般企業で言う「契約社員」として自衛隊に入隊します。

これは平均年齢が上がりつつある自衛隊に、若い年齢の自衛官を採用することで、自衛隊を若返らせる目的があります。しかし、本来であれば自衛隊は公務員のため、任期はありません。せっかく自衛隊になっても数年で退職となるのであれば将来が不安になりますよね。

ですが、自衛官候補生として自衛隊に入隊し、一定期間在職すると任期満了金が支払われるメリットがあります。2年で約54万円、4年で約138万円、6年で約140万円が退職時に支払われるうえに、在職中は衣食住への支出がないため、給与はほとんど貯金することも可能です。

自衛官候補生試験は、18歳以上27歳未満のみが受験することが可能であり、この若くエネルギッシュな時期にお金を稼ぐことを目的に入隊する方もいるそうです。その後のライフプランを考えて自衛隊を目指すことも1つの選択肢として有効だと思います。

基本的に自衛官候補生は、任期いっぱいで退職することになるのですが、部内昇任試験または一般曹候補生の試験に合格することで任期を伸ばすことができます。どちらも難関試験ではなりますが、自衛隊として勤務し続ける道を選ぶのであればこの2つの試験のどちらかを受ける必要があります。

▼自衛官候補生 公式サイト
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/09.html

大卒で自衛隊幹部を目指すなら「一般幹部候補生」

一般幹部候補生は、陸・海・空の自衛官幹部を目指すための試験で、大学卒業者のみが応募することができます。

一般幹部候補生の採用試験は3つのコースがあり、1つ目は文系・理系大学から進む「一般幹部候補生」、2つ目は歯学科大学から自衛隊の歯科医官を目指す「歯科幹部候補生」、3つ目は薬学科大学から自衛隊の薬剤官を目指す「薬剤科幹部候補生」です。一般幹部候補生に採用後、一定の教育機関を経ると、一般幹部候補生は3等尉、歯科幹部候補生・薬剤科幹部候補生は2等尉に任命されます。

一般幹部候補生として採用されると、自衛隊幹部への道が開ける上に終身雇用が保障されます。ただし、一般幹部候補生の採用試験の倍率は20倍を超えることもある難関で、採用後の訓練も厳しいことで有名です。しかし、自衛隊幹部は部隊のリーダーとして、自衛官を率いる立場の人間です。将来リーダーとして部隊を率いることを考えると、ある程度の厳しさは覚悟したほうがよいかもしれません。

▼一般幹部候補生 公式サイト
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/recruit/01.html

終身雇用が保障される「一般曹候補生」

一般曹候補生とは、陸・海・空の自衛官を育成する制度のことで、基本的には定年まで雇用されます。一般曹候補生という名の通り、幹部を支える曹としての勤務が前提となっており、入隊からおよそ3年で3曹まで昇進することができます。応募年齢も18~27歳と幅広く、一度社会経験を積んでから入隊する方も少なくないそうです。

なお、曹とは、2士から将までの16階級に分かれた階級の内、3から4までの階級を曹といいます。曹は、小部隊の隊長として活動しながらも、幹部を補佐するポジションです。

海上自衛隊のパイロット目指すなら「海上自衛隊小月教育航空隊」

海上自衛隊小月教育航空隊は、パイロットや戦術航空士を育成する自衛隊学校です。高校卒業と同等の学力があると認められたものは試験を受けることができます。

試験に合格すると、約4年間、山口県下関市の東端に位置する「海上自衛隊小月教育航空隊」に航空学生として入隊します。航空と言えば「航空自衛隊」の専売特許のように思いますが、海上自衛隊では、海上と航空から日本の平和を守るべく、パイロットも存在します。

海上自衛隊小月教育航空隊では、約4年間の飛行訓練や教育を受けた後、2年間の訓練を経た後に幹部自衛隊に任命されます。また、国家資格である事業用操縦士の免許を取得することができます。

▼海上自衛隊小月教育航空隊 公式サイト
http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/

そのほかにもある!自衛隊における教育機関

自衛隊には、上記で紹介したもの以外にも教育機関が存在します。なかには、自衛隊としての通常業務を行いながらも、候補生の育成を行う機関もあります。なかでも、高級幹部育成を行う「防衛研究所」は、防衛省幹部職員の教育訓練なども行っています。

さらに、陸上・海上・航空自衛隊では、全国各地に教育機関が存在します。詳しくは自衛隊公式サイトをチェックしてみてください。なお、自衛隊公式サイトでは、年齢や学歴を入力すると受験できる学校を教えてくれる機能もありますので、「自分はどの学校を目指せばいいのか分からない」という方は試してみることをおすすめまします。

▼自衛官募集ページ
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/

自衛隊の仕事内容(概要)

自衛隊には、陸上・海上・航空の3つの部隊が存在します。それぞれの部隊が担う仕事は異なり、陸上は陸、海上は海、航空は空から日本の防衛を行っています。

自衛隊の仕事は大きく4つ

自衛隊の仕事は大きく分けると「防衛出動」「治安出動」「災害派遣」「国際平和協力活動」の4つの仕事があります。

> 自衛隊の仕事内容

自衛隊の年収や手当について

年収は一般企業に比べると高めに設定されている

自衛隊は、優秀な部員を集めるためにも一般企業や他の公務員よりも給与が高く設定されています。また、階級や勤続年数により給与が上がるのも特徴です。

自衛隊隊員の初任給は、自衛隊候補生で約16万円(3ヶ月間は約13万円)、一般層候補生で約16万円、幹部候補生の防衛大卒・一般大学卒業は約22万円、幹部候補生の大学院卒は約24万円です(平成29年度)。

また、自衛官の年代別平均年収は、20代前半で300万円、20代後半で400万円、30代前半で440万円、30代後半で500万円、40代前半で570万円、50代移行は770万円です(平成29年度)。階級や勤続年数により年収に幅がありますが、一般企業に務める同年代よりも平均年収は高めです。

任務に応じて各種手当がつくことも

自衛隊では、6月と12月の年2回ボーナスにあたる期末手当が給与のおよそ2ヶ月分支給されます。そのほか、扶養手当や単身赴任手当、住宅手当などが支給される上に、任務に応じて特殊手当がつくこともあります。

例えば爆発物の処理を行えば1日につきおよそ1万円が、潜水艦や護衛艦で作業を行う海上自衛隊は、乗組手当と航海手当が支給されその額は10万円程になることもあります。ほかにも、パイロットには航空手当、災害派遣に行けば災害派遣手当などが支給されます。

自衛隊の勤務時間や福利厚生

勤務時間について

自衛隊の勤務時間は、勤務地により異なりますが8:15~17:00としているところが多いようです。基本的には週休2日制を採用しており、休日出勤になった場合も代休を取得できます。休みは祝日、年末年始、夏季特別休暇に加えて年次休暇を取得することも可能です。

福利厚生について

自衛隊では、駐屯地内に住むことができるので、家賃や光熱費、食費は基本的にかかりません。仕事に必要な衣服や靴についても支給されるため、衣食住に関する必要は無料であることも自衛隊のメリットです。さらに、自衛隊に関する病院に行けば無料で診察を受けることができるので医療費もかかりません。

自衛隊の福利厚生の詳細については『自衛官の充実した「福利厚生」と「基地での生活」について』記事をご確認ください。

>自衛官の充実した「福利厚生」と「基地での生活」について

自衛隊になると苦労すること

外出が制限される

自衛隊で1番といってもよいほどに苦労すると言われているのが「外出制限」です。緊急災害時や非常事態にいつでも対応できるように、駐屯地には常に人員を配置していなければなりません。そのため休暇日でも「残留」と呼ばれる待機要員が必要になります。新人のうちはこの残留要員となることも多く、思うように外出できなくなるこも多いそうです。

また、外出ができるようになっても、自衛隊には門限があります。平日は夜の点呼までに戻る必要があり、週末など連続した休みの日に外泊を希望する場合は、前もって外泊許可を申請する必要があります。このように自衛隊に所属すると、休みと言えど自由に外出ができなくなることが懸念されます。

数年に一度の異動・転勤がある

自衛隊は、全国に駐屯地があるため異動や転勤が数年に一度のペースで行われます。異動・転勤のペースは早ければ1年、長い人だと10年経ってもない場合もあるなど、タイミングが読めないのも悩みのタネです。

家庭を持っている・持ちたいと考えている人の場合、家族も引っ越しをするのか、家族を残して単身赴任するのか悩まれるかもしれません。

ただ、自衛隊の場合、駐屯地で暮らすことができるので家賃を押さえることができます。

そのため、持ち家を買ってしまったとしても生活費が二重にかかる心配がなく、週末や長期休みに家族に会いに行くという選択肢をとる方もいるそうです。

危険な任務や難しい試験が多くある

自衛隊の大きな任務は「日本を防衛すること」であるため、必然的に危険な任務に取り組むことが多くなります。

現に1985年に発生した「日本航空123便墜落事故」や2011年に発生した「東日本大震災」では、自衛隊が出動し被災者の救助活動や物資の輸送などを行っていますし、最近では北朝鮮から発射される弾道ミサイルの迎撃任務にもあたっています。

自衛隊は、こうした危険な場面に立ち向かう機会も多い職業です。それだけに常に冷静な判断力や危機管理能力、舞台の方針に従うことも必要になります。

国民の命を守るだけでなく、自分の命を守ることも自衛隊の任務の1つでしょう。

自衛隊になることの魅力

目の前の命を救うことができる

「自衛隊になると苦労すること」にて、1985年に発生した「日本航空123便墜落事故」や2011年に発生した「東日本大震災」に出動するなど自衛隊は危険な任務がつきものであると記しましたが、反対に言えば「国民の命を守ること」ができるのも自衛隊の任務です。

過酷な任務や厳しい訓練の多い自衛隊ですが、自衛隊であったからこそ目の前の命を救えることも多いのが事実です。

公務員総研では、1995年に発生した「阪神淡路大震災」に陸上自衛隊として出動した方の記録を掲載しています。

甚大な被害をもたらした大震災のなか、陸上自衛隊の方がどのように行動し、どのようなことを感じていたのかが記されています。自衛隊であったからこそ受け取ることができた言葉も記されているので、合わせてチェックしてみてください。

>【陸上自衛隊の仕事】1995年の兵庫県南部地震の話

生活が安定している

自衛隊は防衛省に所属する公務員であるため、収入が安定しているのも魅力です。また、駐屯地内にある宿舎に住めば家賃を安価で押さえることができ、自衛隊病院では無料で診察を受けることができます。休暇についても有事の際を除けば、基本的には週休2日間が保障されており、休日出勤となった際には代休を取ることも可能です。

まとめ

今回は自衛官になる方法について解説しました。「自衛官になる」と一口に言えど、陸・空・海と3部隊がある上に、幹部の道を選ぶのか、一般隊員を目指すのか、一般隊員でも終身雇用を求めるのか任期制を選ぶのか……と様々な道を選ぶことができます。

どの道を選ぶのかを考えることも大切ですが、それ以上に自衛官になるためには「健康でいる」ことが重要です。十分な体力があることはもちろんとして、視力や聴力が良いことも欠かせません。自衛官になるのであれば、普段の生活を意識して改善することも考えなければなりませんね。

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