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どうなる?失言癖が多いふたりによるアメリカ大統領選

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はじめに – 失言の多い候補者たち

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないアメリカで、いま論争を呼んでいる発言があります。それは4月23日に実施された記者会見でトランプ大統領が「(新型コロナウイルス)感染者に対して消毒液を注射したりする治療法はどうだ?」と発言したことです。

この発言に多くのメディアが反応し、トランプ政権関係者は火消しに追われています。アメリカでは新型コロナウイルスの治療法を巡って様々な騒動が起きており、自己判断による治療で死亡するケースも出ているため、トランプ大統領の発言は予想以上に大きな波紋を呼んでいるのです。

そんな中、11月に控えている大統領選でトランプ大統領の対抗馬となる民主党候補が決定しました。選ばれたのはオバマ政権時代に副大統領を務めたジョー・バイデン。実はこのバイデン氏もトランプ大統領に負けず劣らずの失言癖があることで知られています。

そんなふたりによって争われる大統領選に対して、アメリカ国内では「失言が少ない方が勝利するだろう」「失言による影響が少ない方が勝つ」など、ふたりを皮肉った予測が出始めています。

今回は、いまアメリカで最も失言が多いとされる代表的なふたりの失言についてご紹介します。

このふたりのいずれかが大統領になるのは間違いありません。アメリカ大統領にだれが選ばれるかは、日本にとっても非常に重要であり、公務員に限らず、多くの人に読んでいただきたい内容です。

トランプ大統領による失言

トランプ大統領による失言は決して珍しいことではありませんが、非常事態下にあるアメリカで起きた失言問題はアメリカ国外に留まらず大きな論争に発展しています。

中国・武漢ウイルス発言

2020年3月17日、トランプ大統領は自身のTwitterで新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼びました。さらに、4月20日には新型コロナウイルスは中国の武漢の研究所から始まったと断定するかのような発言をしています。

トランプ大統領の発言を受けたアメリカのメディアは「責任は中国にある」といった偏った報道になり、それを見たアメリカ人の多くが「中国が悪い」と考えるようになりつつあります。アメリカが中国を名指しで批判していることに対して中国政府は「直ちに中国に対する不当な非難をやめるべき」と反応しています。

アメリカは世界で最も感染者数と死亡者数が多い国になってしまったため、なんとかして責任を誰かに取らせたい考えです。トランプ大統領としては、大統領選に向けて自身に責任の矛先が向かないようにしなければいけません。つまり、この発言に関しては意図的な失言と言えるでしょう。

治療薬に関する失言

新型コロナウイルスの感染者と死亡者が増え続けているアメリカでは一刻も早く治療薬を開発することが求められています。しかし、症状に確実な効果がある薬はまだないため、感染による死亡を恐れた国民の一部は、インターネット上の根拠がない情報を鵜呑みにして「自己治療」に走るほど不安が広まっています。


そんななか、トランプ大統領は3月21日のTwitterで抗マラリア薬「クロロキン」が治療に効果があるとツイートしました。クロロキンよりも安全性が高いとされる抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」と、抗生物質「アジスロマイシン」を併用すれば劇的な効果が期待できるとし、名称を指定したことでさらなる誤解が広まりました。

専門家はこのツイートには根拠がなく、FDA(食品医薬品局)が新型コロナウイルスの治療薬として承認した訳ではないと注意勧告をしましたが、トランプ大統領のツイートを信じてクロロキンを自己判断で服用したアリゾナ州の60代の男性が死亡する事故が起こりました。

一緒に服用した男性の妻も重体になっており、トランプ大統領の根拠がない不用意な発言(ツイート)が事故につながったとして問題視されています。また、トランプ大統領のツイートと直接的な関係は認められていませんが、ナイジェリアでクロロキンを摂取した3人が中毒症状を発症しており、健康被害が出ています。

消毒液注射問題

治療薬に関する失言問題が冷めやらぬなか、トランプ大統領は再び失言をしました。

4月23日の定例記者会見の場で、国土安全保障省の幹部が「日光に含まれる紫外線、漂白剤、消毒液がウイルスの撃退に効果がある」と説明した後に「消毒液を注射してみたらどうか?確かめるのは興味深いだろう」と発言しました。

国土安全保障省の幹部は、体内に取り込むことを想定していなかったため、トランプ大統領の発言は関係者全員が凍りつくほどの緊張を生みました。この発言を受けて、メリーランド州やミシガン州などで効果に関する問い合わせが相次いだり、実際に市販の消毒液を摂取した事例も確認されています。

失言の翌日、トランプ大統領は記者団に対して「(あなたたちに)皮肉を込めて質問しただけ」と開き直りました。27日の記者会見では、国内で大きな騒動になっていることに対して「理由は想像つかない」とし、失言であることを認めませんでした。

消毒液の摂取が効果があると信じた人が多かったメリーランド州では州政府に問い合わせが数百件以上も届き、州知事が消毒液の飲用や注射をしないように警告する事態になりました。イギリスの主要メディアであるBBCも速報として「消毒液は摂取してはダメ」と警告を発信しています。もちろん、消毒液の製造メーカーや販売店も注意喚起の対応に追われました。

普段であれば、トランプ政権に好意的なアメリカのFOXニュースさえも大統領を批判する事態になりました。この事態を重く見たホワイトハウスは、連日実施していた記者会見を週末であることを理由に2日間中止し、事態の終息を図ります。

トランプ大統領はこの問題については「責任は取らない」とだけ残し、11月に控えている大統領選への影響もないとしています。反トランプ政権からは厳しい追及が続いていますが、本人はどこ吹く風といった印象です。

ジョー・バイデンによる失言

2020年の大統領選でトランプ大統領の対立候補になったのが民主党のジョー・バイデンです。77歳の高齢であることや、意味不明な発言を繰り返すことからトランプ大統領からは「Sleepy Joe(寝ぼけたジョー)」とあだ名を付けられています。

白人は黒人よりも頭がいい発言

2019年8月8日、アイオワ州で開かれた黒人とヒスパニックの集会で「貧しい家の子どもたちも白人の子どもたちと同じ才能を持っている」と発言。捉え方によっては「白人の方が頭が良い」となり、貧困層が多いとされる黒人とヒスパニックを暗に傷つける結果になりました。

2019年9月には、テキサス州で開催された民主党候補による討論会で「(黒人の子どもたちの成績を上げるために)親はテレビじゃなくてレコードプレイヤーをつけておくべきだ」とし、黒人を侮辱するかのような発言をしています。

バイデン陣営にとって「黒人票」はトランプ政権を打ち負かすために必要不可欠な要素なだけに、支援者たちからは落胆の声があがっています。また、白人のバイデン自身が、心のどこかで黒人を見下しているのではないかともされており、不信感の要因になっています。

数字が苦手な発言

2019年9月17日、子どもがいる家庭を対象にした減税政策を主張した際に「7億2,000万人の女性を就職できるようにする」と発言。アメリカの総人口は約3億3,000万人なので、バイデンは数字に弱いことが明らかになりました。


2020年2月25日に開催された民主党候補者による討論会では、2007年以降で1億5,000万人のアメリカ人が銃によって殺されたと発言。これだとアメリカ人の2人に1人は銃で殺された計算になります。数字に弱いことを再び露呈させました。

意味不明な発言

2020年2月25日、サウスカロライナ州で開かれた民主党集会で、大統領選に立候補しているにもかかわらず「私の名前はジョー・バイデンです。合衆国上院議員に立候補しています」と発言。参加者は目が?になるような集会の挨拶になりました。

同年3月2日、テキサス州の集会で「アメリカ独立宣言」をど忘れ。「全ての人間は平等につくられているということを言った、みんな知ってるだろう、あれだよ」と言いよどみ、会場はしらけてしまいました。

また、同じ集会の最後に妻を紹介する際、妻を指差しながら「私はジョー・バイデンの夫です」と意味不明の発言。妻のジルを含め、支持者は苦笑いするしかありませんでした。テキサス州はトランプ大統領支持派が多いだけに、これらの発言による民主党支持者たちの失望感は否めません。

有権者に激怒事件

2019年12月5日、アイオワ州の集会で83歳の男性に対して激怒し「あなたは私に投票するには年をとり過ぎだ」と発言。詰めかけていたメディアによって報道されてしまいます。予備選挙が始まってすぐの時期だったために大きな問題になりました。

これは、バイデンの息子が役員を務めていたウクライナの企業から報酬を受け取っていたとされることを尋ねられた際に起こりました。男性はバイデンを攻めている訳ではないと断りを入れたものの、バイデンは激高。さらに、自身が高齢であることを指摘された際は「腕立て伏せでもランニングでもIQテストだってやってやるぞ」と応酬しました。

大統領候補者としてふさわしくない振る舞いとされ、大統領選の出鼻をくじかれる事態になりました。

大統領選への影響はどうなる?

ご紹介したようにトランプ大統領もバイデン氏も失言が多い人物です。失言や発言の傾向から、トランプ大統領は「思ったことをすぐに口にするタイプ」で、バイデン氏は「発言内容を考えていない」といった特徴があると言えるでしょう。

トランプ大統領は現職の大統領ということもあり、発言の影響力が大きく、報道も過熱する傾向があります。対照的に、バイデン氏はこれまでの失言や失態の多さからさほど取り沙汰されていません。「Gaffe Machine(失言製造機)」や「Lamborghini of gaffes(失言のランボルギーニ)」などとも呼ばれており、失言癖は定着しているとも言えます。

トランプ大統領は持ち前の強気な姿勢で失言問題をかわせるため、大統領選への影響は少ないでしょう。一方で、バイデン氏の失言は数字、時間、人、場所などあらゆる情報の認識が混乱していることから認知症の初期状態にあると疑われる始末です。

バイデン氏は高齢であることや健康状態が懸念されており、次期大統領が務まるかどうか不安視されています。この背景にはこのような失言の傾向があるのです。もはや失言問題だけでなく健康問題にまで発展しているため、大統領選での影響は避けられないでしょう。

まとめ

2020年11月に控えているアメリカ大統領選は、トランプ大統領とバイデン氏による戦いです。これまで以上に失言癖があるふたりだけに、発言のひとつひとつに注目が集まります。新型コロナウイルスによる非常事態下にあるアメリカだけに、ひとつの失言が命取りになる可能性もあります。

ふたりの性格や発言の傾向を理解しつつ、それぞれの大統領選までの発言に、ぜひ注目してみてください。

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本記事は、2020年5月2日時点調査または公開された情報です。
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この記事を書いた人

公務員総研の編集部です。公務員の方、公務員を目指す方、公務員を応援する方のチカラになれるよう活動してまいります。

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