NHK for school 「いじめをノックアウト」の出版化について
NHKのEテレが学校向けに制作している番組「いじめをノックアウト」が書籍化され、2021年2月4日にシリーズ3巻が同時発売されました。1巻では「いじめはなぜ起きるのか」、2巻は「いじめが起きてしまったら」、3巻では「いじめのない教室を目指して」というテーマで特集されています。
シリーズを通して、今、学校生活のなかで誰もが経験し、悩む可能性があるSNSいじめ・いじり・スクールカーストなどのテーマを扱い、「いじめが起きてしまってもみんなで解決できるクラス」をつくるための工夫や提案を、あらゆる視点から知ることができ、学校教育現場では、「考える道徳」の授業に教科書のような本としても活用できます。
また、番組で司会を務める、元AKB48でタレントで歌手の高橋みなみさんからメッセージや、いじめ問題の専門家である千葉大学の藤川教授による、わかりやすい解説も収録されています。
いじめをノックアウト1「いじめはなぜ起きるのか」について
まず、「いじめはなぜ起きるのか」がテーマの1巻についてご紹介します。
1巻では、いじめの「被害者・加害者」だけでなく、「傍観者」などのそれぞれの立場でいじめ問題について考える内容です。
実際の教室で話し合われた「いじめが起きにくいクラスって?」というテーマや、「そのいじり、大丈夫?」、「嫌な思いをする人が出ないグループ決めって?」「いじめるつもりはなかったけど・・・」といった内容に基づく、解説なども取り上げています。
参考:NHK出版「いじめをノックアウト 1 いじめはなぜ起きるのか 」
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000818432021.html
いじめをノックアウト2「いじめが起きてしまったら」について
次に、「いじめが起きてしまったら」というテーマを扱った2巻についてご紹介します。
2巻は、「はき出せない悩み、どうする?」というテーマや、「スクールカーストって・・・」、「そのあだ名・・・、友だちを助ける神対応!」「友だちのこと、わかってたつもりだけど・・・」というテーマで実際の教室で話し合われた内容をもとに考えるという内容です。
1巻と同様に、それぞれのケースの「被害者」「加害者」、そして「傍観者」などの立場で考えや、専門家による解説などが収録されています。
いじめをノックアウト3「いじめのない教室を目指して」について
最後に、3巻では「いじめのない教室を目指して」と題し、実際の教室で話し合われた「いじめの空気、変えるには?」というテーマや、「ごめんって気持ち、言葉にしてみると・・・」、「つらいキモチ、相談できる?」、「SNSのいじめ、どう向き合っていけばいい?」といった内容について解説されています。
1巻から3巻を通して、いじめが起きてしまった時に、解決できるクラスとどのようなクラスなのか、そのクラスをつくるためには何をしたら良いのか、ということが考えられる内容となっています。
TV番組・Eテレ「いじめをノックアウト」について
書籍版「いじめをノックアウト」の元である番組の内容についてご紹介します。
Eテレ「いじめをノックアウト」は、主に小学校3年生から、中学生くらいの子どもを対象に制作された教育番組です。
「いじめって何?」「いじめが起きたとき、どうすればいい?」という質問を、
番組のキャラクターである「ノックアウトくん」が次々と投げかけます。その質問に、お家や、学校の教室で番組を見ている子どもたちもいっしょに答えを考えてみてほしいというねらいで制作されています。
番組を見終わった後には、クラスで話し合いがしやすいような番組作りも意識されています。みんなで考え、話しあうことで「いじめが起きてもみんなで解決できるクラス」を目指すための番組です。
書籍版「いじめをノックアウト」を監修している千葉大学の藤川大祐教授について
千葉大学教育学部の藤川大祐教授は、教育方法学、授業実践開発が専門です。
メディアリテラシー、ディベート、環境、数学、アーティストとの連携授業、企業との連携授業等、さまざまな分野の新しい授業づくりに取り組むほか、学級経営やいじめに関しても研究しており、「いじめをノックアウト」でも監修を務めます。
2016年10月からは、千葉市教育委員も務めています。
参考:藤川大祐 授業づくりと教育研究のページ「プロフィール」
http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/about.html
まとめ
このページでは、NHKのEテレ子ども向け番組「いじめをノックアウト」の書籍化について特集しました。
「いじめをノックアウト」は主に、現役で学校生活を送り、クラスでさまざまな問題を抱えがちな小学校3年生から小学生を対象にした番組ではありますが、大人がみ見ても、子どもがそれぞれ何を考え、問題が起きてしまうのかということや、問題解決のために大人としてどのような手助けができるの、ということを考えるきっかけになるのではないかと思います。
番組から発展してより詳しい専門家による解説がついた書籍版についても、参考にしてみてはいかがでしょうか。
コメント
コメント一覧 (2件)
いじめに対応していくための書籍がある、という情報はよいので、機会があれば書籍を手にしたいと思います。が、内容は書籍で、、ということからなのか、本記事の中には書籍の内容はほとんど記載されていないので、何かしらすこしでもヒントがあればいいかと思います。
いじめの問題は以前から関心があり、いじめをノックアウトもよく視聴していたので興味が持てました。他の記事と違い、書籍を紹介していたところも興味深かったです。